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127.ちょっと一息!!

改稿しました(2022年5月30日)

 海賊を殲滅した私達は、定期船の客室で待機していた。今は、船員さん達が海賊船の中を改めている最中だった。それが終わるまでは、船は停留したままになるみたい。

船員さん達の調査が終わるまで、暇になった私達の興味は、ソルの武器とシエルの新しい人形に向いていた。


「小さい状態でもふわふわだね」

「柔らかくて指が沈んでいきます」

「まぁ、羊だしね。移動集落にいる裁縫師さんが作ってくれたんだ。一応、他の人形も注文しているけど、作るのに素材が足りないみたいで、メリーしか間に合わなかったんだよ」


 どうやら、他にも人形が増える予定みたい。人形が増える毎に、シエルの戦力が跳ね上がっている感じがする。もしかすると、私達のなかで一番強くなるのは、シエルなのかもしれない。


「それよりも、私はソルの武器が気になるな。急に雷が落ちたかと思ったら、全部が終わっていたんだし」


 シエルが、ソルの方を見てそう言う。確かに、私が外に出た瞬間、雷轟がしたかと思ったら、大きな傷と火傷で白目を剥いたでかい人がいたから、何が起こったのかは分からない。それを知っているのは、ソル本人だけだ。


「あれは、私のイベント報酬だよ。名前は鳴神。呼び出す事を意識しながら、名前を呼ぶことで、アイテム欄から直接、能力を発動する事が出来るんだ。能力は……簡単に言えば、雷を纏う事。ただ、まだ上手くコントロールが出来ないから、一瞬だけしか使えないんだけどね。それに、消耗も激しいんだ。もしもの時のための保険みたいな感じかな」

「だから、普段は普通の刀を使ってるんだ?」

「そういうこと。普通に刀としても使えるんだけど、取り回しだけで言ったら、いつもの刀の方が使いやすいの。鳴神は、刀身が長いから」


 ソルが手に入れた鳴神は、普通の刀よりも大きい。とはいえ、俗に言う大太刀よりは小さい。普通に使えなくはないけど、今までの刀の長さに慣れたソルからしたら、少しだけ扱いにくいんだと思う。


 これらを踏まえたソル達のスキル構成はこんな感じだ。


 ────────────────────────


 ソル[侍]:『刀術LV92(ユ)』『抜刀術Lv73(ユ)』『体術Lv20』『受け流しLv42』『防御術Lv57』『回避術Lv63』『軽業Lv56』『暗視Lv62』『聞き耳Lv54』『攻撃上昇Lv37』『速度上昇Lv67』『器用さ上昇Lv53』『急所攻撃Lv29』『防御貫通Lv34』『集中Lv57』『見切りLv58』『気配感知Lv52』『弱点察知Lv59』『疲労耐性Lv46』『痛覚耐性Lv32』『気絶耐性Lv24』『言語学Lv32』


 EXスキル:『採掘Lv15』


 職業控え:[冒険者][剣士]


 シエル[人形遣い]:『人形術(熊)(狼)(羊)Lv87(ユ)』『人形合体Lv16(ユ)』『着せ替え人形Lv12(ユ)』『従者強化Lv69』『潜伏Lv54』『暗視Lv43』『聞き耳Lv32』『攻撃上昇Lv15』『速度上昇Lv13』『集中Lv47』『騎乗Lv54』『気配感知Lv43』『疲労耐性Lv10』『言語学Lv20』

 EXスキル:『採掘Lv2』


 職業控え:[冒険者]


 メレ[歌姫]:『歌姫Lv68(ユ)』『歌唱Lv60』『声量増強Lv12』『効果範囲拡張Lv56』『潜伏Lv10』『暗視Lv23』『速度上昇Lv23』『集中Lv20』『疲労耐性Lv13』『言語学LV10』


 職業控え:[冒険者]


 ────────────────────────


 レオグラス殿下とシルヴィアさんの修行の成果で、戦闘系のスキルレベルが軒並み上がっている。メレに関しては、まだ単独戦闘は無理があるが、少しずつ出来る事が増えていっていた。


「いいなぁ。奥義とは別の奥の手って感じだね」

「にゃ……眩しすぎて目が眩んだにゃ……」


 この部屋には、いつもの四人の他にネロの姿があった。ただ、ネロはベッドの上で横になっていた。あの戦闘の際、ソルの雷化を直に見てしまい目眩を起こしてしまっていたのだ。


「ごめんね。まさか、ネロちゃんに、そこまでのダメージがあるとは思わなくて」

「大丈夫にゃ。私も初めて知ったから、どのみち対策のとりようはなかったにゃ」

「猫って光を取り込みやすいのかもね。夜行性だし」

「猫は薄明薄暮性で、夜行性じゃないにゃ」

「うぇ!? そうなの!?」


 すっと夜行性なんだと思ってた。そんな風に話していると、扉が控えめにノックされた。


「は~い、どうぞ」


 私がそう言うと、扉を開けてカエデが入ってきた。


「あっ、あの……ルナさんが無事かと思って……」

「心配してきてくれたんだ。ありがとう」

「い、いえ!」


 私達が海賊退治に協力する事は、他のお客さん達にも知らされていたみたい。お客さん達を安心させるって意味だと思う。

 カエデは入口のところで、突っ立ったままだった。


「何してるの? 入ってきていいよ」

「し、失礼します」


 カエデがこっちに来たところで、シエルとメレに紹介する。


「この子はカエデ。ジパングの巫女なんだって」

「へぇ~そうなんだ。私はシエル。よろしく」

「メレです。よろしくお願いします」

「カ、カエデです」


 カエデは、少し緊張しているみたい。まぁ、私を含めて知らない人ばかりだし、仕方ないけどね。


「巫女って、何をしてるの?」

「神様を祀っている場所の管理をしています」

「へぇ~、向こうと似たようなものなんだね」

「よろしければ、ご案内しましょうか?」

「じゃあ、お願いしようかな」


 私がそう言うと、カエデは嬉しそうな顔をした。恩返しが出来るからかな。ただ、ほんの少しだけ憂いの表情も見えた気がする。多分、気のせいだ。


「では、船から下りたらご案内しますね」

「うん。よろしく」


 カエデは、ぺこりと頭を下げると、部屋を出て行った。


「良かったね。ジパングに着いてからは、ノープランだったけど、これで目的地が出来たよ」


 ソルの言うとおり、私達はジパングへと旅立てたのは良いものの、目的となる場所がどこだか分からなかったので、その場の思いつきで行動するしかなかった。でも、カエデが神社的な場所に案内してくれるため、当面の目的地が出来たのだ。


「うん。そこで、少しだけ情報収集をすれば良いかな」

「ルナ達は、何か目的があるにゃ?」


 ベッドから身体を起こしたネロがそう訊いた。


「うん。一応ね。もう起きて大丈夫なの?」

「大分マシになったにゃ。それで、それは重要な事なのかにゃ?」

「まあね。あまり人に話せるような事じゃないんだけど」


 古代兵器については、あまり他言しちゃいけない事だ。実際、国王様からもそうしないようにって言われているしね。今のところ、ネロが危ない人とは思えない。それでも、万が一のことを考えて話さないようにしておく。


「私も付いていっていいかにゃ?」

「へ?」


 ネロが私達に同行したいと言った。私達は驚いて、少しの間固まってしまった。


「ダメかにゃ? ルナ達と旅をするのは、楽しそうだと思ったにゃ。それに、ずっと一人だったから、そろそろ一緒に旅をしたいのにゃ」


 ネロは伏し目がちにそう言った。後ろめたいことがあるというよりは、こっちが了承してくれるのか心配しているといった感じだ。


(どうしよう……)


 私が悩んでいると、ソルが私の肩に手を置いた。


「大丈夫だと思うよ」


 ソルがそう言ってくれる。私は、シエルやメレも見る。二人ともこくりと頷いた。皆は、ネロなら大丈夫と感じているみたいだ。


「分かった。でも、私達のやることは、かなりの危険が伴う事だけど。それでもいい?」

「大丈夫にゃ」

「じゃあ、良いよ。一緒に行こう」

「ありがとうにゃ」


 ネロは嬉しそうにそう言った。尻尾もぷるぷると振っているから、本当に嬉しいんだと思う。


(これに関しては、国王様に相談した方が良いかな。ネロに情報を渡しても良いか訊いて、共有できるなら情報共有しないと)


 ひとまず、これからの冒険にネロが参加する事になった。その話が一段落したと同時に、船が動き始めた。ようやくジパングに辿り着くことが出来そうだ。

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