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124.定期船にて!!

改稿しました(2022年8月26日)

 ジパングへの船旅は、モンスターの襲撃もなく、かなり順調に進んでいた。港町を出港してから、一時間半。大体半分くらい進んだ感じかな。辺り一面海しかないから、本当にそこまで進んでいるのかどうか分からないけど。

ただ、かなり速く移動しているのは間違いない。潜水艦と同じように魔力で動くエンジンを積みつつ、風の魔法で帆を押して加速しているらしい。甲板に出たときに、ちょうどいた船員さんに質問して答えて貰った。

 何でそうしているのかというと、これが客船であるかららしい。この海域にモンスターがいないということはなく、それらと戦闘にならないように速度を速くしているみたい。漁船とかになると、専属の戦闘員を雇ってモンスターと戦いつつ漁をするという形らしい。戦闘員に頼らずに戦闘をする漁師さんもいるみたいで、この世界の漁師さんは普通の戦士並に強いみたい。まぁ、現実の漁師さんも力仕事だったりするから、力は強いと思うけどね。


「色々と考えられて作られてるんだなぁ。まぁ、そりゃそうだよね。この世界だって発展しているわけだし、現実とは別の発展の仕方をしていてもおかしくない」


 現実ではあり得ない事がこっちではあり得る。魔法による発展だけでなく、科学的な発展もこの世界には存在しているしね。それは、私の持っている黒闇天などが証明している。


「あの一時間半……まだ陸地が見えてこないけど、ユートピアとジパングって、どれだけ離れているんだろう?」

「日本とアメリカくらい離れていたりしそうにゃ」

「うわっ!?」


 いきなり背後からした声に、驚いて飛び上がってしまう。


「ネロ?」

「にゃ」


 私の背後にいたのは、さっき知り合った猫耳少女のネロだった。


「さすがに、日本とアメリカ程は離れていないと思うけど。かなりの時間短縮にはなっているだろうけど、そんな距離を移動出来る速さではないと思うよ。それには、マッハくらい速さが必要だろうし」

「ルナは、頭が良いにゃ?」

「そんな事ないけど。てか、ネロの喋り方ってキャラ付け?」


 ネロは、ゲームとか漫画でよく見る猫言葉みたいな感じで喋っている。普通にその喋り方をする人はいないだろうから、キャラ付けなのかなって思ったのだ。


「違うにゃ。私のスキルのせいにゃ」

「そういうスキルもあるんだ。じゃあ、その猫耳とかも?」

「そうにゃ」


 やっぱり、ネロの猫要素はスキルによるものだったみたい。


(猫……スキル……繋がりが分からないなぁ。絶対、ユニークだろうけど)


 私がそんな風に考えていると、ネロが私の顔を覗きこんでいた。


「どうしたの?」

「スキル……気になるにゃ?」

「まぁ、気になるけど、あまり人に言うものじゃないんだから、ネロがその気になったらで良いよ」

「じゃあ、教えてあげるにゃ」

「え? 良いの?」

「にゃ」


 まさか、知り合って間もないのにスキルを教えて貰えるとは思わなかった。さすがに、相手のものだけ聞くのは失礼だと思ったので、私のスキルも教えておく。


 ────────────────────────


 ルナ[暗殺者]:『銃術Lv74(ユ)』『短銃術Lv36(ユ)』『長銃術Lv19(ユ)』『銃弾精製Lv90(ユ)』『爆破物精製Lv30(ユ)』『リロード術LV81(ユ)』『体術Lv68』『短剣術Lv42』『捕縄術Lv11』『舞踏術Lv8』『投擲Lv40』『暗視Lv64』『潜伏Lv70』『気配遮断Lv47』『消音Lv69』『消臭Lv53』『隠蔽Lv18』『聞き耳Lv61』『速度上昇Lv66』『防御上昇Lv60』『器用さ上昇Lv60』『防御術Lv64』『回避術Lv70』『軽業Lv84』『急所攻撃Lv74』『防御貫通Lv50』『超集中Lv42』『騎乗Lv12』『見切りLv32』『気配感知Lv62』『弱点察知Lv54』『潜水Lv20』『泳ぎLv21』『登山Lv50』『痛覚耐性Lv69』『気絶耐性Lv43』『言語学LV68』『地図作成Lv10』


 EXスキル:『解体術Lv48』『採掘Lv15』『古代言語学(海洋言語)Lv38』『古代言語学(地底言語)Lv32』『古代言語(魔界言語)Lv13』『古代言語(草原言語)Lv18』『古代言語(黄金言語)Lv6』『精神統一Lv41』『クイックチェンジLv18』『暗殺術Lv20』


 職業控え:[冒険者][狩人]



 ネロ[獣人]:『猫Lv70(ユ)』『虎Lv23(ユ)』『暗視Lv58』『潜伏Lv54』『気配遮断Lv23』『消音Lv12』『消臭Lv23』『聞き耳Lv59』『攻撃上昇Lv23』『速度上昇Lv60』『防御上昇Lv58』『防御術Lv61』『回避術Lv63』『軽業Lv70』『急所攻撃Lv58』『防御貫通Lv46』『集中Lv60』『見切りLv45』『気配感知Lv42』『弱点察知Lv38』『登山Lv23』『痛覚耐性Lv31』『言語学Lv25』


 職業控え:[冒険者]


 ────────────────────────


 ほとんど私が持っているものと一緒だけど、猫と虎っていうユニークスキルを持っていた。


「そのままの名前だね」

「そうなのにゃ。この猫と虎のせいで、語尾がつくようになったにゃ。その代わり、猫みたいな動きとかが出来るようになったにゃ」

「へぇ~、何だか便利そう」

「語尾以外は便利にゃ。高所からの着地もダメージを負わないし、跳躍力も他の人よりも上にゃ」


 跳躍力の話で、ネロが船に飛び乗れたわけが判明した。それでも、桟橋から少し離れた船の上に飛び乗るなんて、普通ではないけどね。


「ルナは、サービス開始当初からやっているにゃ?」

「うん。そうだよ」

「だから、スキルの量が多いのかにゃ」

「いや、そうでもないと思うよ。私がおかしいだけだと思う。ソル達は、ネロと同じくらいだったと思うし」

「そうなのかにゃ」


 私のスキルの量は、ソル達と比べてかなり多い。色々と別のものに手を出したり、戦闘スタイルからそうなるのも仕方ないけど。


「そういえば、ネロはジパングに何の用なの?」


 私達は、古代兵器の捜索と刀匠探しという目的がある。ネロは、それらに興味があるわけじゃないと思うから、少し気になった。


「新しいスキルがあるかもしれないと思ったからにゃ」

「ああ、なるほど。新天地だし、ユートピアにはないものがあるかもだからって事か。でも、一人で来たの?」

「私は、ずっとソロでやっているにゃ」

「じゃあ、一人で巨大樹の森も抜けて来たんだ?」


 あの狼の群れは、かなり強敵だった。それを一人で抜けてきたということは、やっぱり、ネロはかなりの強者ということになる。


(少しだけだけど、戦い方が気になるなぁ)


 見たところ武器を持っているようには見えないので、どうやって攻撃するのか不明だ。そもそも猫や虎のスキルでどうやって戦うのかも分からない。

 そんな風に考えていると、船の汽笛と鐘の音が鳴り響いた。


「なんだろう?」

「にゃ?」


 私達が首を傾げていると、船員さんが慌ただしく動き始めた。私は、悪いと思いつつ、その内の一人を呼び止める。


「すみません! 何があったんですか?」

「海賊です! 皆さんは、客室の方に避難を!」


 まさかの海賊の襲撃だった。そりゃ慌ただしくなるわけだ。


「あの、私は冒険者です。海賊への対処を手伝います」

「助かります! こちらにお越しください!」


 私は、先に行く船員さんの後を追う。その後ろからネロも一緒に付いてきた。私がネロの方を見ると、ネロはニコッと笑う。


「私も手伝うにゃ」

「ありがとう」


 私がお礼を言うのは変かもしれないけど、一緒に来てくれると言うのでお礼を言った。船員さんの後を追って着いたのは、会議室のように広い部屋だった。そこに、船員さん達が集まっている。


「その方々は?」


 会議室の中にいる一番偉そうな人が、私達について訊いた。


「冒険者の方々だそうで、海賊への対処を手伝って頂けるとの事です!」

「そうか。ご助力痛み入ります」


 偉そうな人はそう言うと、頭を下げた。


「いえ、私達の身にも関わることですから。それよりも、海賊への対処はどうすれば良いのでしょうか?」


 私がそう訊くと同時に、背後でまた扉が開いた。そこには、船員さんと一緒にソル、シエル、メレの姿があった。


「ルナちゃん、やっぱりここにいたんだね」

「ソル達も来たんだ」

「ふむ。そちらの方々もご助力頂けるということでしょうか?」

「はい」


 ソル達も手伝ってくれるので、私達と一緒に並ぶ。


「私は、この船の船長をしている者です。後、十分もしない内に、海賊船が横に付けてくると思われる。敵の乗り込みを防ぐ事が第一となる。船員の皆はそうしてくれ」

「はっ!」


 船長さんは、船員さん達にそう言った後、私達の方を見た。


「冒険者の方々は、出来れば敵の船の中で暴れて欲しいですが」

「海賊は皆殺しで良いんですか?」

「ええ、構いません。自分達の命を優先して頂きたい。それと、もう一つ。敵船の中に、人が捕らえられている可能性があります。その方々の救出も頼みたい」

「分かりました」


 海賊に捕らえられているということは、奴隷にされそうな人達みたいな感じかな。積極的に探して見る方が良いかも。


「では、行動開始!」


 船員さん達が船長の号令で動き出す。私達も船外へと向かった。

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