授業中
2限目が始まるギリギリ前。
僕が教室に戻ると、あかりちゃんは既にクラスのみんなと楽しそうにお喋りをしていた。
あぁ…あかりちゃん。良かった、元気になったみたいで。
それにしてもさっきの……すごい嬉しかったなぁ。
勇気を出して探しに行ってよかったぁ。
「…おかえり。」
「あっ、た…ただいま」
ひかるはそれだけ言うと教科書とノートを広げ、授業の準備を始めた。
「ひかる……僕さ、やっぱりあかりちゃんのこと好きかもしれない」
思い切ってひかるにそう言うと、ひかるはまるで興味もなさそうな表情で「そう」とだけ返した。
そしてチャイムが鳴り、2限目が始まった。
みんな席に着き、先生が教室に入ってくる。
僕はさっきの出来事のせいで全く授業には集中できそうになかった。
あかりちゃんの方を見ると、あかりちゃんはしっかり黒板を見て、ノート写しをしている。
…はぁ。あかりちゃん、可愛いなぁ。
あかりちゃんと付き合えたらなぁ。
きっと楽しいだろうなぁ。
でもどうやって僕なんかが、あかりちゃんと付き合えるんだ。
あかりちゃんがどうやったら僕なんかを選ぶんだ?
…自分で言ってて悲しくなる。
…あ!でも!
僕はひかるという友達がいるじゃないか!
あかりちゃんはひかるのことが大好き。
さっきも言ってたけど…僕とひかるが友達になったこと、あかりちゃんは嬉しいって思ってる。
やっぱり僕がこの調子でもっと、ひかると仲良くなれたら……あかりちゃんは僕のこともっと気にしてくれる!絶対!
僕はひかるともっと仲良くなるべきだ。
理由はどうであれ、僕がひかると仲良くなればあかりちゃんは僕に興味を持ってくれるし、ひかるだって友達がいる方が学校は楽しくなるはずだ。
これは僕もあかりちゃんもひかるもみんな幸せになれる!
僕は決心した。
まずは、ひかるともっと仲良くなることを。
僕はノートに文字を書いた。
“ねぇ、ひかる。今日の放課後空いてる?”
そしてそれを隣の席のひかるに見せる。
ひかるはそれを見ると、一瞬不思議そうな顔をしていたが、返事を書き、僕に見せた。
“何で?”
“どこか遊びに行こうよ。友達なんだし”
“少しなら別にいいけど”
──よっしゃあ!
僕は満面の笑みでひかるにガッツポーズを見せた。
ひかるはそんな僕を見て、こくりと頷いた。
放課後、ひかると遊ぶ予定ゲット!