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SISTER××COMPLEX  作者: 佐倉桜
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22/23

更新遅くなりました。申し訳ないです。

帰り道。

僕はあかりちゃんとひかると帰る方向が同じなので、3人で電車へ乗った。


「今日部活どうだった??」


「うん!すごい楽しかったよ!」


「良かった〜!明日からまた頑張ろうね!ひかるなんてすごかったじゃん!編み物の才能あるんじゃない?」


「喋りかけないで」



相変わらずだ。


結局部活中もひかるはあかりちゃんと一言も会話をしていない。

というか、部員の誰とも会話していないレベルだ。

ねこみん先輩から教えてもらっている時に話してたぐらい。


「あ、私ここの駅だから!また明日ね!」


あかりちゃんは手を振りながら電車をおりる。




────



「はーあ。疲れたあ、何であいつまで部活に誘わなきゃいけないのよ、ありえないんですけど」


あかりは舌打ちをしながらぶつぶつ文句を言い、駅のホームを歩いていた。


「あー早く殺したい。うざいうざい、邪魔邪魔邪魔」


あかりは鞄の中から何かを取りだすと、それを耳に当てる。



‘’「ひかる、今日楽しかった?」‘’


‘’「うん。編み物意外と楽しい」‘’


‘’「明日はちゃんとみんなと話すんだよ!」‘’


‘’「……めんどくさいなあ。でも理央が言うなら…」‘’



そう。それは盗聴器だ。


あかりは以前、理央に抱きついた際にさりげなく盗聴器を理央の制服に仕込んでいた。


理央はそれに気づいていないのだ。


あかりは理央とひかるの会話を盗み聞きする為、理央の行動を確認する為、盗聴器を仕込んだのだった。


あかりは二人の会話を聞きながらイライラしていた。


「ひかる……あの男には何であんな優しいのよ……」


ていうか何なのあの男。

自分がひかるに相応しいとでも思ってるの?

あんなクソヘタレ男のくせに生意気なのよ。

ひかるは私だけのものなのよ。


今までだってそうしてきたのに………



あかりは鞄からまた何かを取り出す。


それは、ビニール袋だ。

中に入っているのは────……



「…ひかる。私、ちゃんとひかるの為に頑張ったのになあ。まだ言えないから私のこと嫌いなままなんだよね……」


あかりは、それを頬にこすりつけてうっとりとした表情をしている。


「でも大丈夫だよ……もう少しだから…もう少しで二人ずっと一緒だよ…」



ホームには、あかりしかいない。



彼女が何を考えているのか、

それを知るものはその時誰もいなかった。

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