出会い
なんやかんやで電車は北宮高校前駅に停車し
僕らは電車をおりた。
「あ、そ、それじゃあ…」
「えっ、一緒に行かないのー?」
「いや、だ、大丈夫です」
「うーん、そっかあ…まあ、じゃあまた後でね!」
姉の方は嫌そうな顔をしている妹の腕を組み去っていった。
…すごい、フレンドリーな人だったな。
美人って怖いイメージあったけど…意外とそんなことないのか。
いや、でも妹の方は終始無言だったな…。
そんなことを考えながら僕は改札を出た。
よかった、急いで電車に乗ったかいあって
なんだかんだ余裕じゃないか。
朝からなんか色々あったけど…
今日から高校1年生!頑張るぞ!
そんなこんなで学校に到着。
「えーっと、僕のクラスは…3組か」
僕は自分のクラスに向かい教室の扉を開ける。
…当たり前だけど知らない人だらけだ!
緊張する……。
そんなことを思っていると…
「あれっ!さっきの!」
背後から声をかけられ振り返ると、
そこに立っていたのはついさっき電車で出会った
美人な双子?の姉の方の女の子。
「えっ…あ、もしかしてこのクラス…!?」
「えへへーそうだよ!偶然だね!
私は阿部あかり!よろしくね」
「あっ…僕は…丸山理央です。よろしく…」
「理央くんだね!私のことはあかりって呼んで!」
「え!?ええっそんな…」
いきなり名前呼び…!?
顔を赤らめる僕を見て、彼女はにっこり笑った。
「あかりちゃーん!」
すると彼女は女子グループに呼ばれ、行ってしまった。
…女子に名前呼ばれるの初めて。
なんか、ドキドキするな。
…ぼ、僕もあかりちゃんって呼んで…いいのか。
僕は何だかむずむずするようなそわそわするような
気持ちで席に着いた。
そして、何気なく隣の席を見てみると──
「えっ、あれっ…君、さっきの」
そう、隣の席にいたのはまさかのあかりちゃんの妹?だった。
「…何か用?」
彼女は眉間にシワを寄せながら僕を見る。
や、やばい。
この子はやっぱりあかりちゃんとは違って
喋りかけるなオーラ満載。
「あっ、いや…なんでもないです」
「……」
彼女は鞄から本を取りだし、本を読み始める。
…この子とは、仲良くできる……かな?