きゅうこめ
LHRで担任が「立候補が被っていないものから決めていくぞ」と言い、どんどん委員会を決めていく。
図書委員は、俺と創、榎本さんと及川さんで決定した。
「各自、明日の放課後に委員会の顔合わせ等あるから、掲示板に貼られた教室に行くように」
と担任がいい、LHRは終了した。
創と駅まで帰り、そのまま一人で自転車に乗って帰る。
家では榎本さんとlineをしたりして翌日を迎える。
翌日の放課後、図書委員は図書室に集められた。
「えーっと、皆さんには基本的に私のお手伝いをお願いしています。返却された図書を書架に戻したり、季節のポスターの作成や掲示ですね。
当番は、人数を10等分してランダムに決めてます。月から金の昼休みと放課後ですね。
それぞれに紙を配布します。
この日はムリなどがあれば書いてください。
提出期限は明後日です。」
司書の先生がそう言って各自にプリントを配布する。
別に部活動もやっていないので、全部OKですと記入した。
帰り際に図書室前の『委員会アンケート用紙回収ボックス』にプリントを投函する。
「これは一緒にはなれないパターンだな」
創が言う。
「まあ仕方ねえな」
そう返すと創が目に見えて落ち込んでいた。
「ドンマイドンマイ」
そう励ます。
「つうか部活動どうすんの?帰宅部でいいのか?」
そう、創が訊く。
「何?入ったの?」
そう返すと、
「おう、将棋部に入ったぞ」
という。
「まじかよ」と驚くと、「ということで今日は唯一の部活日だから一人で帰ってくれな」
と残念そうに創がいう。
「じゃあな。」
と手を振って帰る。
校門の前に『部員募集』と書いたプラカードを首から提げた女が立っていた。
「何部ですか?」と興味本位で訊くと、女は「文芸部よ」と答えた。
「文芸部って何するんですか?」と訊くと、
「本を読んだりするわね、文化祭とかで自作小説を書いた冊子を発行してたりもあったらしいけど、部員が少ないから今はないわよ!」
身を乗り出していう女に圧倒される。
「なるほど」
と相槌を打って考える。
本を読んでいるだけで部活している感が出るならいいのでは?という事を考える。
創も部活をやっているし、俺もなにかやりたかったところだ。
「じゃあ入部します」
と言うと、気色満面の笑みで「ようこそ文芸部へ!」と女が言う。
ゴソゴソとポケット探って「あった!入部届けこれね!さっさと書いて牧田先生に提出してね!」
と言って強引に入部届けを手渡す。
入部届けは人肌の温かさがした。