よんこめ
しばらく山の中を歩いて展望台で景色を眺めて戻ってきた。
それから時間を潰したりなんかして夕食を食べ、オリエンテーションをして風呂に入って寝る。
朝起きた。
「なんか相田と早川と江口と三宅が反省文書いたってさ」
創が言う。
「俺が寝てる間何かあったの?」
俺の質問に創が答える。
「夜更かししすぎて騒いだのがバレたらしいよ」
「ばっかでぃ!そういやその四人今ここにいねえじゃん」
俺の問いにまた創が答える。
「多分だけど先生の隣で寝てんじゃない?」
「ああ、夜更かししないようにか」
そんな事を喋っているとその四人が帰ってくる。
「お前らどこで寝てたの?」
俺の問いに相田が答える。
「先生の隣の部屋で寝させられたんだけど。やべえでしょ」
「おつかれ!反省文は?」
「まだ書いてない。明日提出だってさ」
「おもろ」
「助けてよー岳えもん!」
「自分で書きなよ〜」
「そんな!殺生な!」
俺が振り返ると窓があった。
朝の日差しが差し込む綺麗な景色が見えた。
男臭い部屋が、窓の空気によって薄まっていく。
清涼な空気が窓から入る。
何となく景色を見たくて窓から乗り出す。
木しかない。
左を見ると自販機にジュースを入れている作業員の姿が見えた。
朝から大変だなぁなんて思いながら右を見た。
窓から女子達が着替えているのが見えた。
「なんかいい景色でもあんの?」
創の問いかけに
「いや、さほど。っていうか木しかないぜ」
と答える。
独り占めしたかったのかもしれない。
なぜ嘘を着いたのか分からない。
が、窓から見えた榎本さんの着替えがやけに脳裏に残った。
そうして榎本さんと目が合う。
すぐに部屋に入り素知らぬ振りをする。
話はここから始まる。