6 決意
少し間をとって僕は口を開いた。
「みんな辛い思いをしてきたと思う。その辛さは運命や僕らのせいじゃない。全部あいつのせいなんだ。」
すぐさま浩介が言った。
「残された俺たちがやらなきゃいけないんだ。それがあの世にいる家族や友達への俺らの感謝だと思うから。」
亜紀も言った
「私は仲間に加わったばかりだけど、私なりに考えて悔しんで、その結果を出そうと今ここにいると思うの…必ず…勝たなきゃいけない!」
啓介が勢いよく立ち上がり言った
「この世界を正しいものにしなきゃいけねぇんだ!俺らならできるはずだ!いや、やってやるんだ!」
咲良は興奮気味のみんなを止めようと冷静に話題を切り出した。
「まずは作戦を考えないといけないよ…
何をしたらいいんだろう。」
それにはみんなが同感した。何かしたいけど何をすればいいのか、まるで雲を掴むように難しいことだ。
僕は思いつく限りの事を言ってみた。
「SNSで仲間を募集したらどうだ?流石に5人じゃ限界がある。5人だとどこぞの有名アイドルグループみたいに解散しかけない。」
浩介がツッコミを入れる
「いやそれS◯APやないかい!」
それを見た咲良はシリアスに戻る。
「SNSでの募集は危険ね。上田は国民が使用しているほとんどのネットワークサービスを監視させてるの」
「よく知ってるな」
「何言ってんのよ俊…このくらい知らなきゃ、仲間になれないかなと思ったのよ…」
若干顔を赤らめながら言う咲良を僕は少し見惚れてしまった。
啓介が次の案を出した。
「とりあえず身内から頼んでみよう。そうすればバレにくいし顔を知った人達だから信頼性もある。」
浩介はそこである人を出した。
「じゃあうちの兄貴はどうだ?IT企業に勤めてるだとかなんとか言ってたし、偵察とか情報系とかに強いんじゃねえか?」
「じゃあ、とりあえず浩介はお兄さんに話をしてくれ、僕は友達とかに聞いてみるわ」
「それなら私は大学の先生に、同じ様な経験をされた先生がいるから、聞いてみる。」
「咲良がそうするなら、私も大学の先生にそんな人がいたから聞いてみるわ」
「俺は親父に言ってみるわ。時計修理をやってるし工具系には強いと思う。」
僕は一度解散してそれぞれで仲間を集めるべきだと思い、口を開いた。
「兎に角、できる事をやっていこう、いつバレるかわからないからな…必ずこの世界をひっくりかえすぞ!」
4人は力強くこう返してくれた
「おう!」
こうしてそれぞれの仲間集めの為にその日は終わった。
僕は家に帰り、知り合いの友達に聞いてみることにした。メールで言うと咲良が言っていたように監視されてるので、メールで会えないかだけを聞いた。
まず聞いたのは中学生の時、なにかとつるんでいたあいつだった。