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シュプレヒコール  作者: めんぼー
4/7

4 形見の時計


『とーちゃん!その時計カッコいい!』


『俊!じゃあお前が偉くなったらこの時計をやろうじゃねえか!』


『やったー!僕頑張って偉くなる!』


『お前なら世界をーーーーーー







ジリリリリリリ


目覚まし時計が鳴った。



またこの夢を見た。


父さんがまだ生きていた頃の夢


父さんが死んじまった時、殺された場所にあった腕時計を僕は形見離さず持っている。


その時計にはローマ字で[Yukio]と父さんの名前が書いてある。


この時計を見るたびに父さんを思い出す 。



「…あれ?」


腕時計の秒針が止まっている。

部屋の時計を見ると腕時計と5時間もズレている。


次の日、近くの時計屋に修理に出しに行った。



「初めて来たな…」


家から5分程の距離だが初めて来た。

名前は[片桐時計店]と看板がある。


昔ながらのの風貌をしている。横開きの戸を開いた。唾を飲み込み。


「…どうも!」


カウンターのおくの暖簾がめくれて、白髪混じりの髪をしたおじさん?が出てきた。


「いらっしゃい!…む ︎あんた幸雄んとこの息子かい?」


どうやら僕を知っているようだ。


「そうですけど、父とは何か?」


「中学、高校と一緒でな。よく遊ぶ仲だったんだよ。」


「そうだったんですか!」


「お父さん…残念だったな…」


「はい…」


思わず言葉が詰まる。だがすぐに話し始める。


「僕が父さんの仇を討ちます!」


「そうか…それならうちの息子も仲間に入れてやれ…あいつも友達を亡くしてな…親子共々殺されたようだ…」


「そうですか…今会う事できますか?」


「部活なんだ。そのうち帰ってくるよ…

うちへの用は幸雄の時計だろ。直してやるよ。」


「ありがとうございます。」


腕時計を渡して店の中にある小さめのソファに座った。」




時計の分針が3周ほとした頃だろうか。戸が開いて、髪が少し短めのジャージの青年が入ってきた。


「ただいま、親父?」


暖簾の奥から声がした


「啓介!そこの男から話があるぞ!」


「は?え?あ!」


今僕に気づいたようだ。僕から話し始めた。


「どうも東堂俊と言います。ちょっといいかな?…」


「あぁ…どうも片桐啓介(かたぎりけいすけです…なんスカ?」


僕は核心から切り出した。


「僕の父さんは政府の人間に殺された、その仇を討つために君も協力してくれないか?」


彼は戸惑いを見せたが、すぐに意味を理解したようだ。


「俺も友達が殺されて…いいっスよ…俺にも協力させてください!」


「僕の他に2人協力してくれる人がいる。いずれ顔合わせをしよう。」


「はい、わかりました。」


「あぁ、あと敬語とか他人行儀だし名前呼びでタメでいいよ」


「わかった。よろしく俊!」


「こちらこそ。啓介」


話も片付いたところでお父さんが出てきた。


「俊くん、時計治ったよ。」


「ありがとうございます。」


「じゃ、俊またな。連絡しろよ」


「わかってるよ」


僕は店を出て家に帰った。



そろそろ人数も増えてきた。ミーティングでもするか…


その日のうちに3人に予定を確認した。

結果次の週の日曜日に集まる事になった。




この先、この復讐はどうなるかわからない。だが確実に近づいていると思う。


そう考えながらベッドに入った。


その日はいつになく眠れた。

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