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また夏が来て、ヤツが来て
夏休みが来た。
去年は始まりの五日間を宿題に当てたが、今年は残り1000キロということもあって、九日間に伸ばした。宿題を進める量を九日で均等に振り分けると間に合わないものなので、七日目で終わるように設定して宿題を熟した。
やり終えたのは八日だった。
八月九日。出発を明日に控えて、オレは旅路を確認しながら行路をGoogleマップに記録していった。
この九日間、旅を始めるにあたって、なるべく早寝早起きを心がけた。旅は朝型が一番良い。暗闇で動くのは危険だし、精神面にもよくない。
そして十日。
朝飯を食べ、バイクに積み込みをし、途中昼食を挟んで、最後の点検を行った。
少し体を動かすだけで汗が溢れる。今年は異常に暑い。
準備が終り、一度家の前の道路にバイクを駐めて背伸びをした。
縦一本に続くその道路には陽炎。
ぐつぐつと煮えるような光景を見て、早く風を浴びようとバイクに跨がった。
そのとき、陽炎の向こうから一台のバイク。
キャリアボックスに銀マットやサンダルなど多くの荷物を積載し、陽炎の揺れる道路を越えて近づいてくる。
「間に合ったな」
と鉄朗は言った。




