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六月の決心

 朝から薄暗い天気やった。


 去年と比べて爺ちゃんは明らかに痩せていたけども、見た目ほど悪くはないと、降りそうで降らない天気が続くこの梅雨に似とった。



 しかし、去年の姿をはっきり覚えとるオレにしてみれば、少なからずショックはあった。そのショックと、小一時間の見舞いの最中に何度もあの旅の記録を広げてオレとおとんに見せて「ええだぎゃ」と満足そうに言われたことを合わせて、やっぱりあの旅は終わらせなアカンなと思った。



 家族を乗せた車で田舎の家へ帰る道すがら、オレは両親にまた旅に行くわ、と伝えると、一度やったことだというのもあって、すんなり許可が出た。



 去年の鉄朗との旅で使っていたテントや携帯缶などの共同物は、オレが預かっていたので、それはそのまま使うことに決めた。



 田舎の家に戻り、寝泊まりしている部屋に入ると、オレは早速次の夏の旅の計画を立てた。前回からの反省点などを色々踏まえて持ち物を考えると、服は何より持ち物として邪魔になりやすいことが分かった。下着一つでも嵩張るので、本当に最小限で考える。携帯の充電には何度も苦労したので、モバイルバッテリーと小型の手回し充電器を用意すること決めた。出発前にはバイクのフルメンテナンスも店に頼む。



 それから「八月十日から旅の残り、蹴散らしてくるわ」と鉄朗にラインを送った。


 思い返せば、ヤツが転校して以来初めての連絡やった。



「ええやん」



 と素っ気ない返事がきた。続けざまに「何時から」とメッセージが届く。



「昼食ってから、一日走って田舎に戻って、そこから再スタートする」


「なるほどね」



 その返事があったきり、もう連絡は来なかった。


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