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二十三日目 提出

 バイクを引き取りに行ったあと、そのまま婆ちゃんの見舞いに行った。


 婆ちゃんは特に変わりもなく、この二ヶ月で二度も来てくれてどうも、と礼を言われたが、それに対して鉄朗が「いえいえ」と答えたので、お前は来とらんがなと突っ込むと婆ちゃんは笑っていた。



 六月に来たときは自転車だったが、今はバイクなので、長い坂道も簡単に登って爺ちゃんの施設にやってきた。



 こちらも大きな変わりなく、会話もそこそこに、旅の記録を渡した。



「これは?」


「言うとったがな。旅や。行ってきた」



 そう言うと、爺ちゃんは笑って記録を受け取った。


 だが、読んでいる内に小さく震え出して、泣き始めてしもうた。



「どないしたん」



 と聞くと、爺ちゃんは、ありがとう、ありがとう、と繰り返して、それから、



「足が悪なる前に一回でも旅をしたかった。だけぇ、孫が行ってくれて良かった」


「それは……」



 前に聞いた、と言おうとしたところで、鉄朗が肩を叩いた。


 オレは頷いて、そら良かった、と爺ちゃんに言った。



 施設を出てバイクに跨がりながら、やっぱり最後まで行くべきやったなと言うと、鉄朗は「帰ろう」とだけ言った。



 そして夏が終わった。

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