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十七日目 逗留の3

 夕暮れの前に家を出て、オレたちは夏祭りに向かった。


 花火はこれといって変わったことはなく、赤黄緑の閃光の大輪が轟音と共に咲く。露店の焼きそばを食べようとしたら、鉄朗が「焼きそばは微妙」と言ってスルーした。それじゃあ何にしようかと歩いとったら、



「うわっ! ジャガバターあるやん! やるねぇ」と鉄朗が興奮して言うた。


「北海道で食ったやん」


「どっちがやるか比べてみよや」



 二つ買って食べ始める。



「うーん。やらないねぇ」



 試される大地圧勝。



 花火を見ながら川沿いに近寄って行くと、人集りが見えてなんやろうと思ったら、精霊流しがやっとった。誰でも参加出来るっちゅうんで、オレたちも輪の中に入る。



 黒い川の上に、火を灯した四角い箱が流れていく。盆提灯が通過するところだけ、川の流体の動きがよく見えた。近くに居たカップルや家族連れが「綺麗だねぇ」と口々に言うなか、そういうときにオレたちは皮肉を押えられん質やった。



「あの大量の提灯、誰がどんな気持ちで掃除すんのやろな」


「愚かな人間どもめ。新車でパンクするがよい」


「まぁ、オレたちも流したんやけどな」


「愚かな儂たちめ」



 花火が終わるころに合わせて戻ると人混みに巻き込まれる、と鉄朗が言うので、クライマックスが来るまえにオレたちは家路を辿った。


 帰り道からでも、花火はよく見えた。



 人間ならまだしも、あたりの森や山に棲む動物たちは、あの爆音と光をどう思ってるんやろうな、とそんなことを思った。

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