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未定、そのうち決める  作者: ポッツコーン
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第1話 プロローグ的な

深夜のハイテンションで書いた拙い文章ではございますが拝見頂ければ僥倖極まりなく

まで書いたけど堅苦しい挨拶めんどくさいわ

ピザ食べたい

読んでくれたら嬉しいのは本当

人類は衰退した

海面上昇、それに伴う災害

陸地の減少、それに伴う戦争

増長した化学は人に力を与え

その力を人は人に向けた

何百年も戦争が続いた遥か未来

2018年に比べ陸地は100分の1にまで減ったが

それでも残った国々は手を取り合う事になる

表面上だけの講話である事は国民も皆分かっていた

しかし狭い陸地に多民族を押し込めばどうなるか

それはむしろ戦争よりも悲惨だった

差別と暴力、嫉妬と策謀

人々は手を取り合ったはずの隣人を信用できなくなった

そして虐げられた人々は生存圏を海底に求める


第283回海底調査

第1番隊 隊長

帝堂(たいどう) 花穂(かほ) は同民族には哀れみを向けられ

他民族からは嘲笑を向けられていた

本人は意にも介さずただ祖国の人々を

厳密に言えば、旦那と子供を醜い人間達の醜い世界から遠ざけたかった。

地上は汚れてしまった、一刻も早く海底に楽園を見出し優しく穏やかな旦那と、誰に似たのか活発で好奇心旺盛でそして、父に似て優しい息子を避難させる。

それだけを目的に海底調査隊に志願し、現場で結果を出し隊長まで昇格した

しかし楽園はおろか海底の調査は一向に進まない

遺伝子を改造した化学合成細菌の力により酸素を海中で作り出せる、つまり海底での稼働時間はほとんど無制限に

耐圧パワードスーツにより抵抗や水圧も関係なく、むしろ重力に縛られずに動ける、にも関わらずだ

原因は2つ、1つはクラーケンと呼ばれる海底生物

姿形やサイズもバラバラだが1つの共通点があった

通常DNAは4種類の塩基で構成される

しかしクラーケンには5つ目の塩基が入っている。

人類には解析ができず、未知のそれはX塩基と名付けられた、わかっている事はその塩基が入っている生物は進化の法則を捻じ曲げられる

大抵は凶暴化、巨大化などだが、稀に進化とは呼べないような、そう、捻じ曲がった変化をする事がある

例えば深海の水圧に耐えられなくなり潰れてしまう上に肉が裂けるが死ぬまでの数分間は筋肉の限界を越えた動きを可能にするなど

適応もクソもなくなるのだ

通常の進化ではあり得ない変化に関係している、という事だけだ

そしてもう1つの原因は地上でチクチクと行われる足の引っ張り合い

これはもう救いようが無い、手柄を自分達のモノに、失態を他民族のせいに、押し付け合い奪い合いを続けている

いつからそうだったのかは知らないが政治家の意識はそればかりだ。地上に居場所がある人間達は海底の事など知ったこっちゃ無い

最新技術のおこぼれに預かり、小遣い程度の予算をやりくりして海底に逃げようとしている我々の事など元から眼中に無い、そのくせ政治家共の足の引っ張り合いの影響はモロに我々が被る、クソッたれだ

深海調査用の装備を着用し、既に整列まで済ませている部下達にはいつもながら感動する

「諸君、待たせたな」

帝堂花穂は部下達の目を酸素供給マスク越しに見やる

全員集中している、良い目だ

「何、誰も気にしませんよ。元日本代表の連中の自慢話を散々聞かされてお疲れでしょうし」

部下の1人、五月女(さおとめ) 理人(りひと)が嘲笑混じりに言う

歴戦の勇者にして頼れる上に信頼できる部下の1人だ

このご時世に珍しくゲルマン民族の血が入っているが

それだけあって真面目で冷静

「そう悪く言うな、彼らは良い元政治家達だよ」

「最初から元ならより良かったですな」

更にギャグも忘れない、本当に優秀な人間だ

「その通りだ」

軽度の笑い声が部下達から響く

それでいて集中は解かない

30人程の少人数だが選りすぐられた良い部下達だ

「では行こうか」

今回の任務はいつものクラーケンのサンプル捕獲ではなく新海域の探索、及び当海域のクラーケン駆除だ

「ハッチ、開きます」

アナウンスの声がスピーカーから響くと照明が消えサイレンが鳴る

巨大な丸い扉が開き始める

何度も見た光景だ、今更恐怖もないが

深度8800メートルの暗闇の中に沈むのは、それでも慣れない


「こちらユラヒメ01より本部。繰り返す。ユラヒメ01より本部、応答願う」

深海調査は通常巨大で頑丈な箱のような簡易基地ごと沈める

その箱が本部と呼ばれ帰還すべき場所になる

長ければ数年、短くても半年程は海の底だ

家として定着するには充分すぎる

「ユラヒメ01、こちら本部、感度良好、任務を開始せよ」

いかに海水が電波を通しにくかろうがそれは過去の技術、今は海中9000メートル近くでもかなりの距離まで電波が届く

「ユラヒメ01了解。さて、この海域は未知だ、何がいるかわからない、集中を1秒たりとも解くなよ」

クラーケンは進化をしている

1型と呼ばれる最初のクラーケン、当然だが当時はクラーケンという呼び名すら無かったわけだが

それが見つかったのが500年ほど前、それから2型が見つかり、現在は3型までは分類がされた

そして2型も3型も今の我々と同じ、新海域調査の任務で発見されている

かなり歪な進化をしているので発見当初は対処法も分からずかなりの死傷者が出たそうだ

昔から頑強に作られているこのスーツだが、対応しているのは3型まで、もし新種が現れて、もしスーツを破壊できるとしたら

ゾッとする話しだ

「こちらワダツミ02!2型が3匹接近、迎撃します!」

2型、爬虫類の様な手足と魚の様な顔、そして鋭い牙を持つタイプのクラーケンだ、体長は1メートル程で油断すればやられるが、適切に当たれば問題はない

「ユラヒメ01了解!ワダツミ01は援護に回れ!」

「ワダツミ01了解!すぐ行くからなぁ!」

この部隊はユラヒメとワダツミに分けられている

ユラヒメは帝堂花穂のいる部隊

ワダツミはその部下の小隊でありどちらも人数は5名である、少数精鋭と言えば聞こえは良いが予算が少なく大人数を動員する事が難しいだけだ。

集まった少人数が必然的に厳しい訓練と実戦を生き抜き猛者となる、故に少数精鋭は当然の成り行きだ。


ワダツミ01小隊長である五月女が現場に駆けつけると

既に1匹は息の根を止められ肉片が漂っているのが見えた

マスクに内蔵されている通信機から話しかける

「待たせた!で、残りは?」

ワダツミ02の小隊長が返答をする

「南西に引きましたが、救難光符を発していなかったので戻って来るはずです」

救難光符、背びれ付近の鱗で光を反射する2型独特のコミュニケーションであり、そのパターンの1つ

字のまま、仲間に助けを求めるパターンだ

この救難光符を発した後の行動は2つ、仲間を呼び攻撃を仕掛けてくるか、傷付いた仲間を連れて引き返すかだ

だが救難光符が無いのであれば、深海の闇に一度隠れ再度攻撃を仕掛けてくる可能性が高い

「了解、四方警戒を怠るな」

緊張と沈黙が流れる、ジリジリと本隊の方に移動しつつレーダーとマスクの赤外線越しの目視を交互に見る

「レーダーに感アリ!南東、距離30深度8796!」

「目視!北東、距離約40深度8798!」

連携か!だが、2体なら対応しきれる!

「まずは南東から!斉藤、吉倉、橋元は北東に牽制射撃!仕留めて構わんぞ!」

各員が持つライフル型の銃器から光が走る

対クラーケン用に海中で使えるよう開発された光学銃器、HighEnergyLaser(ハイエネルギーレーザー)

略称として、ヘルと呼ばれる銃火器だ

耳元のスピーカーからビチビチと着弾音が聞こえる

もう7、8発は当たっている、そろそろくたばるはず・・・・・・

泳ぐ勢いは失速し、片腕がダランと垂れる

更に3発当たり、とうとう動かなくなった

「北東!各自準備が出来次第撃て!」

難なく3匹目も仕留める事が出来た

本来ならその死体を専用の箱に梱包しサンプルとして地上に持ち帰るのだが、今回は駆除なのでその必要はない

「こちらワダツミ01.02、2型3匹の駆除を完了、任務を続行する」

報告を受け取った帝堂花穂は安堵する

これまで何度も同僚や部下、上官でさえも戦死している

何度経験しても慣れる事は無い

また生き残ってくれた、それは喜ばしい事だった

「待て!まだ何かいる、新種みたいだ、一度帰投し」

そこでブチッ!と音声が途切れた

恐らく、もう生きてはいないだろう

だが今は悲しんでいる事態ではない

「全隊集合!!本部に帰投する!全速力でだ!

こちらユラヒメ01!繰り返す、ユラヒメ01より本部!」

何度呼びかけても本部からの応答は無かった

嫌な予感はしていたが本部に辿り着いて理由がわかった

「そんな・・・ばかな・・・」

誰かが言ったが、みんなそう思っていた

基地は本来、円形の見た目のはずだった

それがベコベコにヘコみ傷だらけになっている

入り口はこじ開けられ、浸水している

いくら技術が進歩していようとここから地上までは流石に電波は届かない

泳いで上がる事も不可能

詰み、という奴だ

「10歳の誕生日、祝えなかったな・・・」


それから10年

帝堂花穂の息子、帝堂(たいどう) 柊治(しゅうじ)は墓参りに来ていた、しかしそこに亡骸は埋まっていないが。

「母さん、俺さ、海底調査隊に志願したんだ

入試科目全部S評価で1位通過、帝堂花穂以来の天才だって喜ばれたよ。外の学校と違って差別とか妬みとか無くてさ、昔よく言ってくれたみたいな優しい子に戻れそうでね、だから待っててよ。必ず迎えに行くから」

しかしその目は獰猛な復讐、怒り、そしてわずかな狂気を含んでいた

読んでくれてありがとチュッチュ!!

チュチュチュ〜♡

まさか後書きだけ読んでるイカれた人はいないよね?

名前の由来

帝堂花穂ちゃんから

帝堂→tide→潮

花穂→화수→Fuss→騒ぎ

つまり潮騒


五月女理人→特にないです


帝堂柊治くん(20)

帝堂→同上

柊→とう→湯

治→そのまま

つまり潮湯治


ユラヒメ、ワダツミ、俺→海の神さま

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