今時の妖怪の傾向と対策案
初めて投稿します。
少しでも妖怪を面白いと感じていただければ幸いです。
現代社会において妖怪の一言を聞かされたら、あなたは何を思い浮かべるでしょう。
大抵の人は大人気コンテンツが思い起こされるかと思います。
私自身否応でもそっちが頭に浮かびます。
しかし、今回わざわざ小説をかこうに投稿までするのは、昔からある妖怪のことに関して述べたいからなのです。
私は妖怪に関する伝承、民話、果ては童謡まで、数々の形で残る妖怪を見てきました。
そんな妖怪たちの面白さを、私の友人に必死で説明したことがあります。
しかし現代っ子な彼はこう言いました、「聞いてるだけなら面白いんだけど、昔の事とかあんまりイメージ持てないしね~」
私はそこでこの話を思い付きました。
現代にも妖怪という者たちが存在し、人々がそれを信じていたなら?
おばあちゃんを始め、サラリーマン、主婦、小学生、女子高生までもが、皆妖怪を信じているなら。
今回はそんなもしもの世界を、断片的に文に起こしたいと考えました。
妖怪のことなんて名前くらいしか知らないってあなたに、是非ユーモア溢れる妖怪たちを知ってもらいたいと思います。
妖怪たちを紹介する方法として、名前を始め、その妖怪が何をするかと、その例、分かりやすく、そしてちょっとクスッとできるような、現代版の例を自分で作ってみました。
壱 小豆洗い
現象:川の近くを歩いていると、しょきしょきという小豆を洗っているような音が聞こえる。
現代版例:学校帰り、自転車を押して堤防の上を歩いていたところ、じゃらじゃらと、あまり聞きなれない音が聞こえる。
何の音かと思って川の麓まで降りていったところ、鉄橋の下で三人のホームレスらしき男性と、脇に小豆の入ったザルを抱えた少し小柄な人影が、麻雀の卓を囲んでいた。
「今日こそは負けんよ!」
「わしもや!それにしてもあっちゃん強くなったな~」
あっちゃんと呼ばれた人影は、慣れた手つきで稗を置いて言った。
「いや~おやっさん教えんの上手いから!現代っ子は小豆くらいじゃ驚かんから参ってたんよ!」
「まず小豆洗う音なんか聞いたことないわな!」
「雀稗じゃらじゃらするほうがよっぽど怖いわ!」
「それお前が弱いだけやん!」
「わははは!!」
妖怪の中でも有名な部類の小豆洗いも、時代の流れには逆らえない、といったらしい。
弐 塗り壁
現象:夜道を歩いていると突然前に大きな壁ができ、行く手を阻む。
現代版例:夜、顔を真っ赤にした中年サラリーマンが一人。
かなり泥酔しているようで、歩くのもおぼつかない。
「あれぇ~…うちはどこだったかなぁ~?」
T字路を曲がろうとするサラリーマンは何かにぶつかってしまう。
「これはどーもすいませぇん…」
ふとみてみればサラリーマンはT字路なんかではなく、ただのL字カーブにいた。
その後もサラリーマンは何度も壁にぶつかりながら無事に家に帰ったそうな。
今回が初めての投稿となります。
ふりがなとかうまくできてるか不安ですが。
自己満足程度のものですので、不定期でこんなしょうもないネタを盛り込んだ妖怪のお話を書いていきたいなと思っています。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
反響があれば続きを考えております。