ゲーム開始
人物
小林里美。
寝坊ぐせが多い遅刻常習犯の生徒。
山崎の計画により起床時間前に起きれず死亡。
山崎玲哉。
顔が良く、女生徒にモテる。
クラスのトップカーストの人間であり、
拓人の最も嫌いな人間。
その後昨日は誰も喋る事無く、消灯時間を向かえ、
俺を含めたクラスの全員が、これはきっと夢なんだと願いながら寝たのだろう。
だが、残念ながら現実だった。
時刻は6時20分。何とか起床時間前に俺は起きれた
ようだ。というか、殆どの奴が俺より早く起きてるみたいだった。
しかし、床に直接寝たから体痛ぇ…。
しかも、よくよく見れば、他の奴らの目の隈スゲエし、恐怖も相まってもしかして寝てねぇ奴が殆ど
なんじゃねぇのか？
…そうか、この環境の悪さもゲームに積極的に
参加させたい「せんせー」の思惑か…。
そんな事を考えながら、周りを見渡すと
殆どの奴らはしおりを見ていたので俺もしおりを
見ることにした。
…うん、腹減ったな…。
そろそろ朝食の時間の為、朝食のリストを
見たけど高い。これは無理。しかも、
トイレとか風呂とかも有料って…。
ヤバい、トイレの事を考えたらしたくなって
きたかも…。どっか、隠れて出来る所ねぇかな…。
と考えてると。渚や翔が起きたみたいだ。
ん？あっ…樹里も今起きたのか？ってか近っ！
はぁ？なんで樹里達こんな近くに居るんだよ？
しおりばっか見てたから気付かなかったけど、
いや近っ！
「あ、拓人おはよ。今日は起きれたんだ」
樹里が欠伸をしながら挨拶してきたので、
この状況を聞くことにした。
「おい、樹里。なんでお前ら俺の近くで寝てるんだ？
なるべく隅で誰にも話しかけずに早く寝たはずなんだが？俺はな？」
…ってか、話せる雰囲気じゃ無かったし。
「いやいや、まず昨日あの後、すぐに寝たのなんて
拓人と西岡さんだけだよ？あの後、仮に寝坊したらまずいって話になったから、修学旅行の班ごとに集まって寝るようにしたの」
えぇ…と俺は思いながら、とりあえず納得する。
確かに、樹里と翔と渚は一緒の班だし。
ん？ならなんで西岡は？一応俺らが引き取ったはず
だが？まぁ、いいや西岡だし。
そんな事を考えてる間にもう起床時間になりそうだ。
渚と翔は寝ぼけてるな…。
「樹里。渚と翔をちゃんと起こしてやれ」
「あ、うん。皆もう起きてるみたいだしね。
何か前の方に人だかりあるし」
「あ？マジかよ？なら2人ちゃんと起こしてやれ。
俺は前の集団を見てくる」
「うん、わかった。西岡さんは？」
「西岡なら、俺より早く起きてしおり見てたよ。
隅の方に１人でな。じゃ、2人頼むぞ？」
「あはは…。相変わらずだね…。分かった。
2人起こしたら私達も前の方に行くよ」
俺は渚と翔を樹里に任せ、前の集団の方に行く。
すると、後ろの方に委員長がいたので話し掛けた。
「委員長？これなんの集まり？」
「あ、上原君。今日は起きれたんだね」
おいなんだ、喧嘩売ってんのか？と俺は思うが、
委員長は気つかず話す。
「いや、何の集まりかは分からないんだ。
委員長として何かあったと…」
委員長が話してる途中だった。
「うるせぇよ。静かにしろ」
前から俺の最も嫌いなクソチャラ男のいけすかねぇ
イケメン野郎が俺と委員長を注意する。
は？お前が何指図してんだ？と思ったが、
周りの奴らも喋っては居なかった為
俺は何も言わず集団を後にした。
だが、少し離れた場所で前の集団から聞こえてきたのは悲鳴だった。同時に、モニターが切り替わる。
「せんせー」だ。
「ようお前達。起床時間だ。だが、残念ながら
１人間に合わず死んでしまったみたいだな。
はぁ…やっぱり小林は予想通りか…」
は？なんだそれ？悲鳴は「せんせー」が現れたから
じゃなくて、誰かが死んだから…？
ん？小林の死が予想通り…？
小林 里美。
余り接点は無いが、主に寝坊が原因の遅刻の
常習犯の為クラスでも有名な方だ。
だが、寝坊を防ぐ為に修学旅行の班で集まって
寝たんじゃねぇのかよ？
いや、違う！
そうか…あの集団が喋らなかったのは…
あの野郎が…「うるせぇよ。静かにしろ」って
言ったのは…！
「山崎！テメェ！まさか！」
集団の方に居る俺の最も嫌いなクソチャラ男。
俺はそいつの名を呼んだ。
昨日まで…昨日まで…皆で頑張ろう！とか
言ってたクセに…。いつものように容姿そこそこの
中身空っぽな奴らで固まりながらそう言ってた
はずなのに…。いや、山崎だけじゃない周りの奴らも
共犯だ！あそこに居る奴らは…。もう…。
敵だ。
そして昨日の夕食と同じように、クラス全員が、
朝食を頼む事は無く…。
8時30分になった。
「さぁ…お前達ゲーム開始だ！」
遂に、殺し合いが始まる。
