表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

修学旅行のしおり

修学旅行のしおり


日程 10日間


時間


1日目


16:30 到着 18:30~19:30 夕食 23:00 消灯時間


19:31~22:59までは自由時間。


2~9日目


6:30 起床 7:00~8:00 朝食 8:30 ゲーム開始


12:00~13:00 昼食 19:00 夕食 23:00 消灯時間


10日目


7:00 起床 7:30~8:30 朝食 9:00 出発 9:30 飛行機


ルール


1.時間厳守。破れば即死。


2.法に触れる事は当然禁止。

但し、ゲームによる殺害は例外。


3.ゲームの制限時間は開始から消灯時間まで。


4.最初の小遣いは5万。所持していた金がそれ以上の場合、 没収し、賞金へ加算。それ以下の場合は5万まで小遣いを増やす。


5.生徒がゲームにより死亡した場合、所持していた小遣いは全額賞金へ加算、もしくは例外も。


6.ゲームでの成績に応じた賞金を獲得する事が出来る。


料金リスト


朝食 「全品具材により+1000~5000円」


おにぎり 12000 円

サンドイッチ 24000円

トースト 20000円


昼・夕食 「トッピングは+1000~10000円」


カレーライス 50000円

ルーのみ 35000円

醤油ラーメン 40000円

塩ラーメン 45000円

味噌ラーメン 45000円

オムライス 60000円

ハンバーガー 20000円

サラダ 15000円

日替わり弁当 65000円


飲み物

水1リットル 10000円

ジュース 300ミリリットル 12000円

ジュース 500ミリリットル 15000円

ジュース 1.5リットル 25000円


その他

洗濯 20000円 風呂 40000 円 トイレ 5000円




「おーい、お前ら夕食の時間終わりだぞー?…ってか、お前ら誰も夕食頼んで無いだろ?消灯時間までゲームの準備しようと思ってたんだが、誰も夕食を頼まないから、心配になって見に来たんだが、どうしたんだ?お前ら?」

「せんせー」がさっきまで夕食を映していたモニターからまた現れる。消灯時間にまたな。と言ってたはずなのだが、クラスの生徒誰もが夕食を頼もうとしなかったから、不思議に思って現れたのだろう。


「「せんせー」…。この金額はおかしい!絶対におかしいはずだ!」

クラス全員の気持ちを代表して代弁するかのように、委員長は「せんせー」に、怒りをぶつけた。

しかし、「せんせー」はそれを聞いて笑っていた。

その態度に、他の奴らも「ふざけんなよ!」とか、「頭おかしいの!?」などといった、怒りを隠せずにいる。

…クラス全員が怒る訳も分かる。


さっきまで俺達は夕食を食べる為に、夕食の料金リストが書かれている修学旅行のしおりを見ていた。

そう、ほんの一時間前くらいまではクラス全員が、頼むつもりでいたはずだったのだ。

しかし、誰も頼まなかった。

そう、しおりに載っていた夕食などの料金リストを見た瞬間に誰も頼む気を無くしてしまったのだ。


「なんだなんだお前ら、当たり前だろ?これは修学旅行なんだ。修学旅行なら、現地の人にぼったくられたり、飲み物や食べ物が高いってのはありがちだろ?

それを高いだのなんだの…」

「高過ぎるんだよ!」

「せんせー」がさも当然のように話しているのを聞いて俺も思わず声を張り上げてしまう。

おかしいだろ…。ラーメン1杯4万5000円って…。

他にも風呂代が4万円とか、ホテル一泊代に至っては安い部屋で1人一泊59万8000円って…。


「だーかーらー、言ったはずだよな上原。金があった方が「せんせー」の考えた修学旅行は楽しめるって。お前達も、ようやく分かったか?お前らはゲームをやるしかねぇって事なんだって事をなぁ!金だ!金だ!お前達は楽しく修学旅行を過ごすどころか、修学旅行の間に死なねぇように、ゲームをやって金を手に入れるしかねぇんだよ!!!

皆で頑張ろう!だって?

甘いんだよ!馬鹿がぁぁぁあ!!!全力でゲームをやれって言ったはずだよなぁ?そうじゃなきゃ、「せんせー」の考えた修学旅行は楽しさが半減しちまうだろうがぁぁぁあ!!!」

今度は「せんせー」が俺達に対して怒りをぶつけてくる。どうやら、「せんせー」は本気で自分がゲームをやらせたいらしい。…確かに、もしも普段通りの金額だったら、最悪小遣いの5万がありゃ何とかなる。

クソ…やっぱドラマやアニメのように生き残りを懸けてゲームをやるしかねぇのかよ…。


「せんせー」に恐怖を向ける者。「せんせー」に怒りを向ける者。現実を受け入れられない者。現実を受け入れた上で絶望する者。同じクラスの人間でも、色々違う。ただ、一つ言えるのは、「せんせー」の言葉によりこのクラスは完全崩壊したという事。


「さぁ…明日からは楽しい楽しいゲームだ。消灯時間までは自由時間だ!精々、ゲームの対策でも考えると良いさ。だが、消灯時間と起床時間は厳守だ!

…それじゃぁ、しばらく仲良しごっこでもしてろよ!全員で揃えるのは最後だからな!」

そう言って、「せんせー」はモニターから消えた。

モニターは切り替わり生存者リストとなっている。

つまりこれは明日から…


明日から命懸けのゲームが始まるのか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ