修学旅行開始
主要人物
上原拓人
主人公。
運動、勉強共に平均より少し上。
幼馴染みの樹里が好き。
西岡千尋
ヒロイン。
勉強も運動も完璧。
だが、人と喋らない為友達0。
金子樹里
主人公の幼馴染み。
勉強は学年トップクラス。
クラスの副委員長。
山井友一
クラスの委員長。
勉強は学年2位。
眼鏡を掛けている。
杉谷勇気
主人公の友達。
勉強は赤点スレスレレベル。
金髪でチャラい。
荒波渚
樹里の友達。
勉強は、補習しまくりレベル。
ギャルっぽい。
目が覚めて、最初に気づいたのはクラスメイト達の泣き声だった。
どう見てもこの状況は、海外が初めてな俺でもおかしいと思う。
密室の白い部屋。
明らかに俺達が着くべき目的地と違う。そして、修学旅行という楽しいイベントなのに、なぜかクラスメイト達の泣き声。
「なんだこの状況は…。」
周囲を見渡す。
すると、奥にあるモニターの前でクラスメイト達が集まり皆が泣いている。いや、皆ではないか…。1人の女子が辺りをキョロキョロと見渡していた。同じ制服を着ているし、話した事は無いが、クラスメイトであることは間違いない。綺麗な黒髪ロング、品のありそうな大和撫子と言った感じ…。
彼女の名は、西岡千尋。
学校でも有名な美少女だ。勉強でも学年1位、スポーツも万能。だが、友達は居ない。なぜなら、誰とも喋らずずっと勉強しているからだ。休み時間とかずっとノートに何か書いてるし。だから、1人だけ単独行動を取っても不思議じゃない。
…いや、俺も今起きたばっかだから、単独行動してるようなもんか。
というわけで、俺も泣いてるクラスメイト達の元へと行く。そして、皆が見ている物を俺も見る。
「はっ?」
見た瞬間衝撃が走った。
担任が血を吐いて死んで…いるのか…?
そうだ。見た限りでは、担任の先生が口から血を吐いて倒れているように見える。しかし、このクラスメイト達の悲しみようを見る限り死んでいたのか?
それとも、俺が目覚める前は生きていた…?
「拓人!?良かった!生きてた!」
いや、おい。勝手に人を殺すなと思いながら、俺に話しかけて来た声の主の方を向くと、あいつだった。
声の主は金子樹里。俺と同じクラスの副委員長で、俺の幼馴染みだ。頭もトップクラスで、勿論顔も可愛い。昔を知ってる俺からすると、よく可愛くなれたもんだ。
しかし、何で俺が死んだと思ってんだよ。不思議に思ったので、樹里に聞くことにする。
そうでないと、イマイチ状況が飲み込めん。
「勝手に、人を殺すなよ…。樹里…」
「馬鹿!アンタ二時間ぐらいずっと目を覚まさなかったんだから!いくら起こしても起きないし…。先生は血を吐いて死んじゃうし…」
二時間?俺は皆より二時間遅くここで目覚めたってことなのか?血を吐いて死んじゃうしって事は生きていたけど、俺が目覚める前に死んだってことか…。
「それで、樹里。この状況は何?」
「分かんない…。ただ、目が覚めたらここで…」
「そうか…。先生が死んだのはいつ?」
「三十分前ぐらい…」
手がかりは無しか…。樹里達は俺が目覚める二時間前には目覚めていて、その時は先生も生きていた…。
そして、俺が目覚める三十分前ぐらいに先生が血を吐いて死んで、皆で泣いている訳か。
…そりゃ、泣くわな。ただでさえこんな所に閉じ込められて不安なのに、頼みの先生まで死んでしまったんだからな。泣いてねぇの、俺と西岡ぐらいじゃねぇのか?
「金子さん。上原くんは目覚めたのかい?」
眼鏡を掛けた男子生徒が樹里に話掛ける。その後ろから、派手な金髪の男子生徒とギャルの女子生徒が心配そうに俺を見る。
「あ、うん。委員長。拓人は大丈夫だよ。ほら、杉谷も渚も大丈夫だよ」
「そうか…。良かった…」
「拓人ぉ!心配したんだぞぉ!」
「マジ寝過ぎだから。でも…。良かった…」
樹里の答えを聞いて3人は安心する。
眼鏡を掛けた男子生徒は山井友一。
このクラスの委員長で、勉強は学年で2位。
そして、後ろの金髪とギャルは、杉谷勇気と荒波渚。ちなみに二人とも相当の馬鹿だ。
渚と杉谷は俺と樹里とクラスの中でも仲が良くて、グループみたいな感じでいる。委員長の方は、樹里が副委員長だから、確認みたいな事をしたんだろう。委員長とは樹里以外多分関わりは無いはずだし。
しかし、俺が目覚めた事でこの密室にいる生徒は全員無事らしい。担任はこの有り様だが。
ていうか、本当にここどこだよ?空港に着いたらバス乗ってホテルにチェックインだったはずなんだが…。
…まさか、ここがホテルか?見た限りでは、学校の教室を少し広くしたような部屋だが、有るのはモニター一台のみ。とても宿泊施設には見えないな…。
俺が考えこんでいると、モニターに何か映った。
この密室にいる全員がモニターを見る。
映っていたのは、血を吐いて死んだはずの担任だった。モニターに映る担任の姿を見て、悲鳴をあげる者もいた。いや、違う。あれは担任じゃない。顔はそっくりだが、担任のあんな顔なんざ見たこと無い。
モニターに映る、担任にそっくりな不気味な存在が喋り出す。
「みんな、酷いじゃないか…。俺はお前達の「せんせー」じゃないか…。さぁ、お前達の楽しみな修学旅行の始まりだぞー!」
誰1人、プラスの感情を出さない。恐怖。絶望。
マイナスの感情しかない。
俺達の、修学旅行とやらはどうやら地獄らしい。




