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第20話 妖精との出会い

 虚空を見上げながら涙を流した。

 だが、このままでは何の解決にもならないと己を嘲笑い、視界を暗い森の先へと戻す。


 再び闇が広がる森を歩こうと一歩を踏み出したとき、空気が僅かに揺れた。風が原因ではないようだ。

 呪われた身となる前は、魔法使いの端くれだった彼には、空気の揺れが魔法的な何かが原因だと分かった。


 魔物か何かだろうか?


 そう思い身構えた自分を再びリシュは嘲笑った。

 先程まで終わりを求めていたのに現金なものだと──。


 自分を嘲笑いリシュは、動かず空気の揺れを感じた方を見続ける。

 もし魔物であるのなら、この命をくれてやってもよい。


 間違いで生まれたかもしれない命であっても、魔物が生きる糧とするのなら多少なりとも意味があったと思えるから──。


 そう考えて、しばらく待ち続けても何も変化は起こらない。


 空気の揺れを感じたとき、自分に何者かの警戒心が向けられているとリシュは感じていた。


 魔物が自分を見ていると感じたのは、勘違いだったのだろうか?


 そう考えると、リシュは空気の揺れた場所へ向かって数歩進み、月明かりが降り注ぐ場所に目を凝らす。


 魔物──と、いうには小さすぎる。


 空気が揺れた場所。

 そこには、風に撫でられるかのように桃色の髪を揺らす少女が倒れている。


 少女が人ではないことは、彼女の背に生えた蝶のような羽根が教えてくれていた。

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