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第16話 迷宮の奥に潜む者

 教会のダンジョン奥深くまで歩を進めたリシュとサクヤ。

 2人は、これまでと比べものにならない程広い部屋にいた。


「ゴブリン3体作成。うち2体にビッグウッドシールドを装備させシールドに編入。残り一体はソードに編入」


 リシュの言葉と共に、光の柱が3つ足元から立ち昇り中から緑色の子鬼──ゴブリンが現れる。

 2体のゴブリンは、手元に現れた木製の盾を手にして、シールドとしての持ち場へと着いた。残り一体もまた、ソードとしての持ち場へと移動する。


 シールドとソードという何の捻りもないグループ名だが、リシュは真剣な顔で指示を出している。

 彼の横では、そんなリシュに内心で悶えている美少女勇者がいた。


(センスのないグループ名を真剣な顔で言っているリシュちゃん、最高!)


 そんな邪な想いに気付くことなく、リシュは部屋の奥を警戒していた。


「サクヤ、シールドとスライムの防御力を上げて」

「はい」


 内に秘めた邪な想いを隠しながら冷静な返答をするサクヤ。

 女性は生まれながらの役者だというが、彼女は主演女優賞をとれるレベルの女優かもしれない。


「我、求めしは鉄壁の加護。何人たりともその守りを貫くことは叶わず。ガード・バレス」


 サクヤは、シールドとスライムと名付けられたグループに防御力を高める魔法をかけていく。

 彼女は剣と補助魔法の扱いに長けている。


 リシュがダンジョン殺しを行うとき、様々なモンスターを使役する。

 人間以上に様々な攻撃方法を持つため、補助魔法を使えるサクヤの存在は、モンスターの特徴を活かすという意味でもとても有益と言える。


「いるね」

「はい」


 リシュが目を凝らしてダンジョンの奥を見ていると、何かが動いたことに気付いた。

 ダンジョン・マスターだからこそ彼には分かる。今動いたのは──。


「シールド 構えろ!」


 リシュの言葉と共に盾を握る手に力を入れる5体のゴブリン。

 前方からは巨大なクモが恐ろしいまでのスピードで這ってくる。


 全身が黒く、体高は成人男性並み。

 口元の牙は黒い光沢を放ち、8本の足には針金のような鋭い蟲毛が生えている。


 迫りくるモンスターの名は、グランドスパイダー。


 小さな村であれば1匹で壊滅させたと記録に残っているモンスターであり、このダンジョンを守護するダンジョン・マスターである。

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