~ティアル・ケットシーの子猫が冒険に出かけました~(再録)
黒猫妖精ティアルの現在のお話。
本編後、本編ネタバレあり。以前上げた拍手用SSを再編集、加筆しての再録です。
小鳥のさえずりが朝の訪れを告げる頃、あるお屋敷の片隅の部屋で、
小さな小さな耳をぴくぴくと動かして、目を覚ましたのは一匹の子猫。
黒いふわふわの柔らかな毛に覆われ、手には、ぷにっとしたピンク色の小さな肉球、
その背中にはハトの大きさ位の真っ白な翼が付いています。
金色と青色の目を眠たげに開けると、
もそもそと子猫はカゴから体を起こしました。
昨日は、みんなでユリアのお部屋にお泊りしましたが、
ふと、周りを見れば部屋の主である女の子、ユリアも眠っているし、
お母さん代わりの白い狼、リファもその子供たちも、まだまだ夢の中、
どうやら皆よりも早く起きてしまった事に気づいて、くわあとあくびをしてみる。
ケットシーの子供、ティアルはきょとっと瞬きをして首をかしげました。
「みい~……ミンナ、マダ、オネム……?」
どうやら、いつもよりも早い時間に起きてしまったようです。
さて、これからどうしようかな?
人語のお勉強や、魔法のお勉強も出来ますし、
ぬいぐるみさん達と、仲良くおままごとをするのも良いかもしれません。
そう思ったティアルはカゴから起き上がると、
一緒に暮らしている白狼のリファに教えて貰った。顔の洗い方を思い出し、
ぺろぺろと手を舐めながら毛づくろいをします。
「みい、ティアルモ、ジブンデ、デキルノ」
えっへん。
「みい、ウササント、ネコサンハ、ネンネネ?」
両脇に居たピンク色のうさぎと、白い猫のぬいぐるみをぱんぽんして寝かしつけた後、
ティアルはいそいそとカゴから、ぽてっと下りて(というか、落っこちて)
まずはリファの元へ、てちてちと歩いて向かいました。
普段のリファは熊よりも大きい白い狼さん。お母さん代わりになってくれています。
ティアルを実の子同然に可愛がってくれていて、ティアルはとてもなついておりました。
お腹の所にはリファの産んだ子供たち……ティアルにとっては弟分達が居ます。
まだまだ”オネム”のようで、ニイニイとしてちびちゃん達は寝かしておこうと思いました。
「みい……オハヨ?」
そ~っと近づいても、リファは一度耳をぴくりと動かした後、反応しなくなり、
試しにリファの大きなお顔をぷにっと肉球で押しても、眠っています。
匂いでティアルだと分かっているからこその無防備なのでしょう。
ぺろぺろとお顔をなめてみますが、それでも眠っています。
「みい」
いつもだったら、呼んだら目を開けたリファが「まだ寝てなさい」と、
抱っこするように包み込んでくれるのですが、リファは目を覚ましません。
リファのふわふわのお腹の下に自分から潜り込んで、
にゃあにゃあ甘えながら一緒に二度寝をしてもいいのですが、
ティアルはもうニイニイなのです。だから別の事を考えておりました。
「リファ、オネム……みい、ボウケン!」
きらきらとティアルの目が輝きます。
お目付け役のリファが起きていると、目の届かない場所へ行く事は出来ません。
少しでもはぐれてしまうと、リファがティアルの首元をくわえ込んで、
直ぐに連れ戻すのです。それは保護者としてのリファの役目でした。
そして、きちんと野生に生きるものとしての教育もしてくれます。
木の登り方、木の実の取り方、食べられる植物の見分け方、狩りの仕方、
敵から狙われた時の身の隠し方、逃げ方などなど……。
ティアルが生きていける知識と技術を、リファは余す事無く教えてくれています。
お母さんのように面倒を見てくれるリファを、ティアルは勿論大好きでした。
ですが……時々、やんちゃな子猫が冒険をしたくなるのもまた事実。
むずむずと……今日はそんな気分になっています。
リファが眠っている間に、冒険に出てみたくなりました。
……とは言っても、屋敷の外に出て街へ行かけるのは一匹では危険なので、
お屋敷の周辺だけという事になりますが。
ティアルにとっては、それだけでも十分冒険なのです。
「みいみい、ティアル、ツヨイコ」
起こさないように、こそこそと……でも、心配させるのもあれですので、
ティアルはリファに、そっと「いってきます」の意味でお鼻にキスをしました。
……さて、お次はユリアです。
部屋の中央にある、屋根付きのベッドの中に彼女は眠っています。
『天蓋っていうんだよ』と、前にユリアが教えてくれました。
ときどき、ティアルがじゃれたり、飛び乗って遊ぶ場所でもあります。
「みい、ユリア?」
ユリアは昨日も、たくさん”オクサマカギョウ?”で動いて、
その後、ベッドに吸い込まれるように眠ってしまい、
ティアルが眠るよりも先に眠っていたので、とても疲れていたのでしょう。
最近は、アデルと仲良く一緒に眠っている事が多くなったユリアは、
リファに『(一緒にいる時はじゃましちゃだめよ?)』と言われていました。
その代わりに、アデルが仕事で帰りが遅くなる際には、
こうして同じ部屋で集まって眠る事が許されていました。
ケッコン……というのを、アデルとユリアの二人がしたのが理由らしいのですが、
子どものティアルには、その意味はよく分かりません。
なので、ユリアにその事を前に聞いてみたら、
『んー? 大好きな相手と家族になって、ずっと一緒に居ますってお約束する事かな。
動物さん達の言葉でいうなら、番っていうらしいね』
と言われたので、
じゃあ、ティアルもユリアとケッコンすると言ったら、
アデルとユリアが一緒に困ったお顔をしていました。
どうやら「ケッコン」は、一回したら他の者とはできないらしいのです。
『みい、ティアル……ユリアトイッショ、デキナイノ?』
ティアルはユリアだけでなく、みんなとも「ケッコン」したかったのです。
だって、みんなでいると、とってもとっても楽しいのですから。
でもそれが出来ないという事は、一緒に居られなくなるのでしょうか?
そう考えたらとても悲しくなったのですが、ユリアはティアルを抱っこしてくれて、
『結婚しなくても、私は……ううん、私やみんなはティアルと一緒の仲良しさんだから』
と言われて、イッショに居られるんだと分かって、ティアルも満足しました。
「みにゃあ……ユリアもネンネ、ネンネ」
ベッドによじ登り、彼女の枕元に近づき顔を覗き込む。
ハチミツ色のふわふわとした髪に、すみれ色の瞳をした女の子、ユリア。
ティアルの大好きな人間のお友達です。
そっと前足でユリアの頭をよしよししてみました。
いつも彼女が自分にやってくれる事のマネっこです。
幼心に、まだ寝かせて置いてあげようと、ティアルは思いました。
ユリアはティアルにとって命の恩人の一人。
お使いに行ったこのお屋敷のお庭で鳥さん達に襲われ、
助けを求めていたら、彼女がそれを見つけて助けてくれたのです。
ユリアがいなかったら、きっと大変なことになっていたかもしれません。
「みい、ティアル、ユリアスキ」
ケットシーは助けられた恩を忘れません。
例えそれが人と相容れないはずの種族であってもです。
小さいティアルもまた、彼女への恩を忘れていませんでした。
その相手が恩返しよりも、友達になってくれる事を願ったので、
ティアルはここに居ます。実はティアルもお友達がずっと欲しかったのです。
ユリアとお友達になるまでは、お城でルディ王子の帰りを待つだけで、
寂しい事が多かったのですが、ここでは寂しくありません。
みんなが代わる代わる相手をしてくれるので、ティアルは毎日がとっても幸せで、
たくさん、人間のお友達が出来ました。
だから、このお屋敷での生活がとても好きになりました。
いつか、リファやアデルのように、ぐーんっと大きくなって、
ユリアやみんなを守ってあげるんだ。
そんな事をティアルは幼心に考えておりました。
しかし、やはりそんな所はやっぱり子供です。
どんなに頑張っても、ケットシーは子猫サイズからさほど大きくなりません。
白狼のリファや龍人のアデルのように、巨体になる事は出来ないのですが、
ティアルはまだそれを知らなかったのでした。
「みい……ユリア」
いつもなら、ユリアの顔に自分の頭をすりすりしたり、
指をぺろぺろ舐めたりして甘えている所ですが、
今日はぐっとがまんです。冒険する為にはこの子にも”ナイショ”なのです。
心配しないでね? と言う意味で、ユリアのほっぺたにもチュッとキスをしました。
そして、ぽんぽんとユリアの肩を上掛けの上から軽くふれて寝かしつけます。
いつもティアルを寝かしつけてくれる時に、ユリアがしてくれる事でした。
ティアルは、この”ぽんぽん”がとてもすきです。
ユリアにしてもらえると、ぐっすり眠れるし、
悲しい時も、寂しい時も、この”ぽんぽん”でとても安心するのです。
ティアルにとって、ユリアの手は魔法の手でした。
「みい……ユリア、イイコ、イイコ……」
そんな時、お腹がきゅるる……と鳴りだします。
目が覚めた事で、お腹が空いている事を知らせる音……。
後ろ足で立ち上がったティアルは、お腹を前足で押さえました。
「……みい」
ちらりとユリアの顔を見ますが、ぷるぷると顔を振り、
起こしては駄目だと思ったとき、ふとある事を思い出しました。
「みい、みいみい」
そうだ、いいものがある。
ティアルは背中の翼でふわふわと飛んで、ユリアの使っている机の上に乗りました。
其処にはビスケットとお水が入ったお皿が置いてあり、
上からレースのハンカチが覆い被さっています。
「みい、アッタ~」
ティアルは器用に前足と口でハンカチをどかし、
ユリアのまねっこで、前足を合わせて「イタダキマス」をすると、
みいみい言いながら、皿に乗ったビスケットを食べ始めました。
『もしも私が居なくて、お腹がすいた時の為に用意しておきますね?』
そう言っていたユリアは、ティアルの大好物をきちんと用意しておいてくれたのです。
いつもはお腹が空いてユリアを呼ぶ事もあったので、
彼女が予めにと用意してくれていた物でした。
「みい、ティアル、ビスケットスキ」
ユリアが焼いてくれるこの優しい味は、ティアルの大好物です。
さて、ビスケットでお腹を満たせば、いよいよ冒険です。
お水をぴちゃぴちゃと飲んで、小さなお口をぺろりと舐めた後、
机から下りて、ティアルはてちてち歩いて部屋を飛び出しました。
強くなるには”ボウケン”だと、そんな言葉だけ覚えていたので、
ツヨイコになる為に、ティアルは部屋の外へ「冒険」に出かけたのです。
居間や厨房、ホールも静まり返り、みんなはまだ寝ている”ネムネム”の時間。
「みい、ミンナ、イナーイ、イッパイ、アソボ~」
わくわくしながらティアルは、普段は危ないからと入れない所も、
今日は止める人も居ないので、勝手にのぞきに行くことにしました。
使用人用のホール、浴室、屋根裏……使われていない部屋ものぞいて見ます。
ノブを回すのが上手くできないので諦める事もありましたが、
見る物がみんな物珍しく見えてしまうのは、傍に誰も居ないからかもしれません。
お屋敷の中は危険がいっぱい。でもティアルは負けません。
みいみい鳴いて、リファやユリア達を呼んだりしません。
ティアルは「ツヨイコ」になるのです。
迷子になっても泣かないのです。
「みいみい~……ココ、ドコ~?」
……ですが、見知らぬ奥深くまで来過ぎてしまった為に、
本当に迷子になってしまい、やっぱり泣いてしまいました。
心細くなってしまい、ぷるぷると震えます。
「みい、ユリア……リファ」
いつもはみんなが何処かしらに居て、安心していたせいでしょうか。
ティアルはそれでもリファ達を呼びませんでした。ツヨイコになるのです。
自力で解決するべく、鼻をぴくぴくさせて匂いを嗅ぎます。
「みい」
そうだ。来た道を引き返せばいいのです。ティアルはまた一つお利口になりました。
あとでユリアにも教えてあげよう。ユリアもよく迷子になるのですから。
さて、冒険には戦う事も必要です。
だってティアルはユリアの守護獣になるべく、とってもツヨイコになって、
ユリアを守ってあげなくちゃいけないのです。
だからティアルは早速闘いました。居間のソファーにあった丸いクッションと、
ぴょんぴょん飛び乗って、ぺちんぺちんと肉球で叩き、あむあむ噛みついて……。
そうしていたら、なんだかとってもツヨイコになった気がします。
みんなが言う「レベル」というものも上がったのかもしれません。
試しに、リファが口からぴかぴかした光を吐くのを真似してみました。
「み~!」
……なぜでしょう? 何も出てきません。
ティアルは少しだけ不貞腐れて、横にころんと転がりました。
ケットシーは、誰かの能力そのままをコピーする事が出来ないのを、
この時のティアルは勿論、周りは誰も知らないのでした。
クッションと闘うよりも、ぎゅっとだっこたり、上で丸まる方がいい。
ティアルはまた一つお利口になりました。あとでこれもユリアに教えよう。
無抵抗なクッションは見逃してあげます。とってもイイコなのです。
さて、お次は最大の危険が伴うお庭……つまり、お外へ向かいます。
いつもは『勝手に出ちゃだめよ?』と、そうユリア達に言われている場所です。
「……みい、ナイショナノ」
ティアルはこの屋敷に来た時に、庭で鳥さん達に襲われていたことがあったので、
外へ出るのは誰かと一緒でないといけないらしいけれど、
いつもユリアに守ってもらっては、ツヨイコになれないと思いました。
「みい、ティアル……ツヨイコニナッテ、ユリア、ヨロコンデモラウノ」
ティアルはドキドキしながら庭へ続く扉……横の動物用の出入り口をくぐると、
びゅんびゅんと風を切るような音に驚き、目をパチパチしました。
何という事でしょう。自分の他にも起きていた人がいたのです。
「みい、アデル」
アデルは早朝訓練に励んでいました。
大きな大きな剣を何度も何度も振って、汗だくになっても続けています。
その目は真剣そのもので、ティアルはその姿をじっと見ていると、
視線と匂いに気付いたアデルは、剣を鞘に収めてティアルを見下ろします。
そして、しゃがみ込むと近づいてきたティアルの頭をなでてくれました。
アデルは龍のお兄さんですが、ライオルディ……ルディ王子のお友達です。
ティアル同様にルディ王子に保護され、人の姿でこの国の騎士団長をしています。
そしてティアルを可愛がってくれる一人でもありました。
みいみい鳴いて、朝のごあいさつをアデルと交わします。
「早いな、ユリア達はどうした?」
「みい、みいみい、みゃんにゃ」
”マダ、オネム、ティアルダケナノ”と猫語で説明しました。
お互い獣同士なので、こんな会話もティアル達はできるのです。
「そうか……だが、庭もティアルだけじゃ危険だろう。
散歩をする時は、俺かリファの匂いをよく付けてから歩くといい」
そう言ってティアルを抱っこして、よしよしと頭をなでてくれます。
「サンポ、チガウ、ボウケン」
……と前足でぽんぽんと彼の胸元を叩いて言えば、
アデルは目を丸くした後、
「そうか……ティアルはたくましくなってきたな」
と言って笑ってくれました。
練習のお邪魔をしてはいけないので、「マタネ」と伝えて、
彼の腕から飛び降りて、冒険の再開です。
こんなに早い時間でも訓練しているアデルをすごいな~なんて思いつつ、
冒険はいよいよ、クライマックスを迎えようとしていました。
「みにゃあん。ドングリ~」
お庭は何処からか小鳥達が運ぶ木の実の種が根付き、
様々な果実や木の実を付けていました。
中でもティアルは、どんぐりの木の下に駆け寄ります。
ティアルは生まれた時から、このコロコロしたどんぐりがだいすきでした。
おやつとしても、おもちゃとしても優秀だからということもありますが、
これを見ているとなぜか……懐かしい気持ちにもなったのです。
それは遠い昔に幼いユリアがティアルの為にくれたものだったから、
……なんて、今のティアルには分かりませんでしたが、
ティアルはユリアとの縁を感じ取っていたのでしょう、
無意識にすきになっていたのです。
「みい、ユリアニ、アゲルノ」
だいすきなユリアの笑顔は、ティアルはだいすきです。
「みい、オミヤゲナノ」
お出かけした時にはオミヤゲが付き物。
アデルがいつもユリアにオミヤゲを渡して、ユリアをよろこばせていたので、
ティアルも幼心にまねっこをして渡してみたくなりました。
拾った木の葉の上にどんぐりを集めよう。
みいみい、今日はいい日です。美味しそうなどんぐりが手に入りました。
ユリアに渡して、これで何かお菓子を焼いてもらおうかな。
お仕事のお手伝いだってティアルは出来るのです。
どんぐりの木の下をぽてぽてと後ろ足で歩いて、
小さな前足でそれを集めて行きました。
「……ティアルは朝から楽しそうだな」
そんな様子を、素振りをしながら見守っているアデルの姿。
……実の所、どんぐりの実で粉を挽くには、
かなりの量のどんぐりを必要とするのですが、
まだ子猫のティアルにはそれが分からないのでした。
※ ※ ※ ※
ティアルが冒険と言う名の、ちょっとしたお散歩に出かけてから3時間後……。
保護者の一人である女の子、ユリアはようやく目を覚ましました。
「――……あれ、何だろこれ……どんぐり?」
なぜか枕元に、木の葉で包まれたどんぐりが置かれていました。
寝ぼけていた彼女がそれに驚いて、目がすっかり冴えたのも無理はありません。
昨日まで無かったものが、朝目覚めたら枕元に置いてあるのですから。
「お、お供え?」
最近のユリアの周りはいつも賑やかで、不思議な現象も多いです。
小さな使い魔の動物さん達ともお友達になったり、アデル様の祝福の影響で、
庭先に居る妖精さん達も、ユリアの顔を見に来ることも多くなりました。
「うーん。誰かな?」
首を傾げるユリアの手に、柔らかい何かが触れた事に気付き、
目線を下げてみると、上掛けの隙間から小さな肉球が見えました。
そっと上掛けをめくってみれば、隣でティアルが眠りこけているではないですか。
どうやら、出かけた後にまた眠くなってベッドに潜り込んできたようです。
「み~……す~……」
すぴすぴと寝息を立てる、ティアルの頭をユリアはそっとなで、
どうやらこれがティアルの仕業だと分かりました。
「……もしかして、私へのおみやげって事なのかな?
ふふ、 ありがとう、ティアルは優しいね。
それにしても、こんな早朝に何処に行ってたんだろう?」
こうして、ティアルのささやかな冒険は終わりました。
この子にとっては、大冒険だった事でしょう。
昼にめざめて、どんぐりのお菓子が食べたいとお願いをしたティアルは、
みんなで足りない分のどんぐりを、ユリア達とまた拾う事になったのですが、
ティアルが朝に持って帰った分の、数倍も多い量が必要だったと後で知り、
目をぐるぐるさせながらお手伝いをしていたのは、また別のお話……。
その日のおやつは、どんぐりを製粉機で挽いて、
だいすきなパンケーキを作って貰いました。
「みい、ティアル、シアワセ」
そんなティアルを見て、みんなが笑ってくれる。
今日はとってもいい日です。
~FIN~




