緑の王
狂った感じってこうかな?
東京、それはかつて日本の都市の名前だった。今は都市の機能も使われず、荒くれ者が多く存在し、百年前とは大違いだった。一段と高い場所にある一つのビルにある男は立っていた。そこから下の町を見下ろし、地獄と化した地域を眺めていた。
「何があったんだい?」
そういいながら、後ろに控えている部下に問う。
「はっ、どうやらアガメムノンが死亡したようです」
男は少し、考えた。
「誰だっけ、そいつ?」
「欲望に忠実な外道。ナンバー六四五です」
「そういや、いたな。そんなやつ。で、事故死?病死?やりすぎ?」
「いえ、おそらく殺されたと思います。配下が様子を見に行ったら、住民はいませんでしたし、その男の死体だけがありました。内通者とは三日前に通信が途絶しましたが、犯人は流れ者で、アジア系、そして恐れながら・・・」
「僕に似ているということだね」
「はい、こうなりますと、殺した人物は一人にしか絞れないでしょう」
部下の発言に男は狂ったように笑い出した。その歪んだ顔にはさすがの部下も恐怖した。
「クックックックック、カハハハハハハ。陽介、何処に行っていたと思えば、あのイギリスだなんて。まだあのことを引きずっているのかな。陽介、早く君に会いたいよ」
「で、では、さっそく手配しますか」
男はちらりと部下の方みるが、首を横にふった。
「いや、どうせ見つかりっこない。だったら、確実な方法で彼を待つよ」
窓に立った彼は両手を広げながら、叫んだ。
「陽介、早く千年経って僕を殺しに来てくれ。それが君の愛なんだよ。そして僕が君を殺すことも愛なんだよ。やっぱり特別になるとこんなにも最高だなんて」
部下を後目に男は笑う。今日も狂った笑顔で思い人を待つ。
緑の王、清水洋平。世界を破壊し、世界を混沌に導いた大逆罪人。彼は今日も狂っていた。
清水君は偽名なので、女にしようかな。ま、読んでる人いないからいいかな。