7話 変な人来ましたー!!
真っ暗な、何も無い空間にあたしは一人ぼっちになった。
「ここ、どこだろ・・・」
「わらわの眠りを妨げるのはどこ者じゃ?」
何処からか声がし、声がした方向を振り向くと、
「女・・・の子?」
女の子が立っていました。
「主は何者じゃ?」
「あ、ええと、沙良です。」
・・・って、誰か分からない人に何答えちゃってんの!?あたし!!
「そうか。沙良というのか。では、お主、何をしにここに来た?」
なんか質問攻めだなー
とか、思いつつ、あたしはきちんと質問に答える。
「えーと、なんか、魔道書とか言う奴を開いたらここに来ちゃっただけであって、何もしに来ていません!」
すると、女の子はフゥ・・・とため息をつく。
「何も知らんできたのか。それはそれで面白くないのぉ・・・」
え。今あたし、知らない女の子にバカにされたよね・・・。されたよね!?
「まぁよい。わらわの名はあんず。この本の守り主じゃ。」
「守り主??」
あたしは、あんずが言った『守り主』に反応する。
「そう。魔道書には守り主がいて、その守り主が、入ってきた人間に、この魔道書を扱えるかどうか定めるからの。見たところ、お主は弱そうじゃが、大丈夫かのぉ?」
なんかバカにされたが、なんとなく守り主を殺ってはいけないような気がするのでガマンする。
「試験を受けるか?」
くっ!バカにされたままじゃぁ、あたしの腹の虫が収まらない!
「受ける!」
「そうか。勇気はあるようじゃの。しかし、この試験、死ぬ可能性があるが、とやかく言わんな?」
えっちょっ聞いてないよ!そんなの!!
「あたりまえじゃ。言っておらんからの。」
なに?今度は読心術?もうやめろよ・・・
「拒否権はない。さらばじゃ。楽しかったぞよ。」
「ふざけんな。この・・・くそ守り主ィィィィィィィィィ!!!!!!」
あたしは最後に捨て台詞を残して、漆黒の闇に消えていった。
「面白い娘が来たことじゃの・・・」
あたしが居なくなったあと、あんずが不気味に微笑んでいたのをあたしは知るよしもない。