6話 盗人?・・・何それ。誰のこと?
朝食を食べた後、あたしは部屋を出た。
お城を探検する為に。
いやー、やっぱ、探検だよね!
とか思いつつ、曲がり角を曲がる。と・・・。
「あれ?沙良じゃん。」
最悪です。
「かっ・・・楓っ・・・!!」
天敵来たな!!
「あぁ、あの事覚えてる??」
楓から溢れ出る怒りオーラから、あたしは逃げたくなった。
「なっ何のこと??」
「えー?覚えてない?じゃぁ、俺がみっちり思い出させて「結構です!!!」・・・ちっ」
舌打ちしやがった・・・。
とか思いながら、あたしは走って逃げる。
あのまま居たら殺されるっ・・・!!
***
「こ・・・ここまで来たら・・・へ・・・平気だろ・・・」
あの後、全速力で走ってきたあたしは、見知らぬ扉の前まで来ていた。
・・・ついでに迷いました・・・。
「ここは?」
扉には『立ち入り禁止』の看板があった。
・・・こう書いてあると、入りたくなるのが人間だよね!
ぎぃ・・・
扉を開ける(立ち入り禁止なら鍵をかけとこうよ・・・。)と、なかには本やら剣やらがあった。
「倉庫かな?」
あたしは積み上げてある本の近くまでいく。
「うわっ!すっごいホコリ。」
本を手にとってホコリをはたいてみると、本の題名が見えた。
この国に来てから、この国の言葉が不思議と分かるようになっていた。
話す言葉はなんか日本語に聞こえるし。
「『闇の魔道書』・・・?」
なんだろう。すっごく惹かれるっ!!
あたしはきょろきょろと辺りをみまわす。
・・・誰も見てないよね。
「もらってこー。」
盗み?なにそれ。オイシイノー?
ソロリ・・・
あたしは服に本を隠して部屋を出た。
***
「やっと戻れたー!!」
わーい!とあたしは部屋で喜ぶ。
あの後は大変だった。
メイドさんに道を聞いて、使用人に道を聞いて、シェフに道を聞いて・・・。
やっと、部屋に戻ってこれた。
「これ、読んでみよ。」
あたしはぬす・・・貰ってきた本を読もうと本を開ける。と・・・
「え!?」
見知らぬ所に立っていました。