4話 お城は凄し!!そしてあたしはピンチ・・・??
「ここが、沙良様のお部屋となります。」
クレナが言った。
「すっご・・・」
あたしはあまりの広さにビックリした。
ここで一つ、部屋の紹介をしよう。
赤いふかふかのソファ、ふわふわのピンクのじゅうたん、もふもふのベット・・・。
広さはだいたい、20坪くらい。1人分の部屋で。
「・・・。こんなに1部屋に広さ使ってていいわけ??」
「ハイ。」
すっごいなぁーと思いつつ、ソファに座る。
「それでは、ごゆっくり。」
・・・うん。王国恐るべし。どんだけ金あんの?つか、どんだけ敷地あるんだよ・・・。
ふと、あたしはアリーに言われた言葉を思い出す。
『魔王の・・・属性です。』
あの時はそれがどうした、と思ってたけど・・・。
「よくよく考えたら、やばいんじゃぁ・・・」
「何がやばいの??」
え??なんか、後ろから声がする。
「って、楓何でいんの!?」
「え?居ちゃ悪いわけ??」
「いや、そういうわけじゃぁ・・・って悪いだろ!」
つか、どうやって入ったんだよ…。
「べつにいいじゃん。」
楓はそう言うと、ソファに座っているあたしの横に座ってきた。
「で?なにがやばいって??」
「いやぁ、ちょっと・・・」
「なーにーが、やばいって??」
キマシターー!!楓の必殺黒い笑み!!能力・・・人の隠していることを本人から脅して聞き出す。
「べべべ別にィ~」
あたしは目線をそらす。
「・・・。」
すると、楓はすっと立ち、
あたしの頭をぐりぐりした。
「必殺☆ぐりぐりクラッシュー!!」
「痛い痛い!!!!!!言います!言いますから!!」
***
「で?何がやばいと??」
あのあと、10分間ぐりぐりされ続け、頭が尋常じゃなく痛い。
ちっくしょう・・・魔法が使えるようになったらぶっ殺してやる!!
「ええとね。魔王の属性と言う事は、あたし魔王じゃね??という考えに・・・」
「ハッ」
・・・今こいつ、鼻で笑ったよね・・・笑ったよね!?
「バカじゃねーの?魔王はもういるんだから、お前が魔王なわけねーじゃん。」
・・・ごもっとも・・・。
「だからそんなことで悩むなんて」
あれ?励ましてくれてるのかな?もしかして、本当は優しい??
「ここに居るあほバカ野郎しかいないっつうの」
「あほバカ野郎で悪かったな。」
前言撤回。こいつは超うざい奴でした。
「まっ、いっか!!悩む必要なんて無いよね!!」
あたしはソファから降りる。
「ありがとう。楓。」
「別に。やっぱ、沙良は超うざいほどのポジティブ思考が似合ってるよなー!」
「ふざけんな。この腹黒野郎ー!」
・・・あ。いっちゃった・・・。
「あははははは。沙良ちゃん。今なんて??(黒笑)」
「あっははは・・・」
どどどどどうしよう・・・。
楓はあたしに笑いながら向かって来る。
「今、何ていったの??」
「ちょっ、「楓様!!どこへ行ってしまったのですか!?」誰!?」
バンッと扉を開けたのは、メイドさん。
「こんなとこに!だめじゃないですか!探しましたよ!」
メイドさんはそう言って楓を捕まえる。そしてずりずりとひぎずって出て行った。
「ちっ・・・邪魔が入った・・・。覚えてろよー。沙良ー。」
去り際に楓が捨て台詞を残していく。誰が覚えてるもんか!!
「・・・ぶはぁ!!セーフ・・・。ナイスだ!メイドさん!」
あたしはその場に寝転ぶ。
楓はああ言ったけど・・・悪い予感がする。
あたしの勘は楓のせいでよく当たるようになっていた。(よく巻き込まれたから)
「明日の夜、出てくか。」
勘がそう言ってる。
あたしは勘を信じて出て行くことに決めた。
・・・明日、楓が怖いけど。