3話 王サマと王妃サマ・・・は、なんか怖いです。
魔王の・・・属性・・・?
「それが何??」
楓が言う。
「悪いことでもあるのか?」
「楓様や沙良様の前では・・・」
「いいからさ。」
「・・・」
重い口を開いて、アリーは言う。
「この、王国はっ「アリー様!!」っ!!」
タタタ・・・
と走ってきたのは、ひらっひらのドレスを着た女の子。
・・・走りにくそうだなー
「お母様がお呼びです。勇者様を連れてこいと。わたくしはここ、ナイトレイ王国の第二王女、クレナでございます。以後、お見知りおきを。あなた方をお呼びに来ました。ささ、一緒に行きましょう。ご案内します。」
グイッと楓はクレナに手を引かれる。
「あ、まって!!」
あたしは置いていかれないように、後をついていった。
***
うん。1言で言えば、このお城、すごい。
周りを見渡せば、きれーな庭に噴水があったり。
調理室にはプロのシェフがお菓子を作っていたり。(美味しそうだったな・・・。)
まさに、昔のヨーロッパ!!行った事無いけどね~。
そんなことを考えていると、クレナは1つの大きな扉の前で止まる。
「ここが、お母様、お父様のお部屋です。」
中に入ると、大きなソファがあり、ひげの生えたおっさ・・・王様と綺麗な王妃様が座っていた。
「お父様、お母様。勇者様とアリー様を連れてきました。」
「うむ。そうか。」
王様が髭を触りながらいう。
「ありがとうございます、クレナ。勇者様。このたびは、この王国のために勝手に呼び出してしまって申し訳ありません。」
スッと王妃様は立って楓の方へ行く。
「どうか、この、ナイトレイ王国を救っていただけないでしょうか。」
楓は、人の前ではとてもいい奴のフリをする。
「・・・。いいでしょう。俺に任せてください。」
やっぱり。猫かぶりの天才でもあるからなぁ、楓は。
「ありがとうございます。」
王妃は一度ぺこりと頭を下げてからあたしのほうを向く。
「巻き込んでしまって申し訳ありませんでした。」
「ああ、いいですよ。慣れてますし・・・」
「そうですか。」
王妃はあたしにもぺこりと頭を下げてから、またソファーのところに戻った。
・・・この王妃様、一度もにこりと笑わないよ・・・。王様も顔、怖いし・・・。
つれない人たちだなぁ~
「もうよいです。下がってください。」
王妃はそう言う。
「クレナ。勇者様方を寝室へと連れて行ってあげなさい。」
「はい。分かりました。お母様。」
あたしは一度、王様と王妃様にお辞儀をして部屋を後にした。