16話 出発!
「今までありがとう!またこっちに来たら寄るからね!」
あたしはカナたちに手を振った。
「ありがとございましタ!」
レイも手を振る。
これから行くのは魔法専門店、『ドリーム』。
そこで魔方陣を買いに行くのだ。
「じゃあ、いってらっしゃい。また帰って来るんだよ」
カナはそういって、あたし達に手を振りかえした。
「いってきます!」
あたし達は歩き始める。
ドリームまではすごく距離があるらしい。この国の最南端、そこにある、『魔術市場』に行かなければ
ならない。正直言ってすーーーーーっごく面倒くさいけど、レイとの約束の為だ、仕方無い・・・。
『・・・本当はすこし楽しみのくせにのぉ・・・』
「うるさいな、あんず!」
人の揚げ足取らないの!!
「早く行きましょうヨ、沙良さん!」
レイがあたしの手を引っ張る。
「あ、うん!」
あたしはレイに引かれていきながら、歩き出した。
***(ここからカナ目線になります)
「ふぅ・・・」
沙良が見えなくなった後、私は手を下げる。
「・・・本当に、よかったんですか?あんなにお金をあげてしまって。」
隣に居たルーズが、さっきまで沙良のいた方向を見ながら行った。
「王妃様から貰ったものなんでしょう?」
「・・・あの人から貰ったものなんて、いらないもの」
あんな、ひどい人から貰った金なんて、いらない。
子供を大切にしない、極悪非道の・・・。
「あなたはナイトレイ王国、第一女なんですよ。」
「うるさいわ。執事はなにも口出さないで」
「執事だからこそ、でしょう。あんな大金をすべてあの子に渡すなんて・・・。
なにかお考えでもあるんですか?」
何も考えずに渡したわけじゃない。
「・・・国民の税金を使うなんていやだもの。でも、返すわけにはいかないわ。だったら、お金に困ってない私が使うより、お金に困っている人に使ってもらったほうがいいじゃない。
ルーズもそう思うでしょう?」
ルーズは黙った。
暫くの沈黙が続く。
そして、ルーズが口を開いた。
「・・・そうですね。お嬢様の言うとおりです。まぁ、私が何を言っても、もうあげてしまった物ですし、いまさら悔やんでも仕方ないですしね。」
私達は、店に戻った。
遅くなってしまってすみません。
これからはちゃんとやりますので!!