15話 バイト、終わり!!
少し、シリアス入ります!
バイトを始めてからちょうど一ヶ月。
バイト生活もいよいよ最終日だ。
「こっち来てー!」
「はーい!」
バイトにもすっかり慣れ、お客さんとも仲良くなれたので、離れるのがさびしい今日この頃・・・。
あたしはいつもの様に働いていた。
そして、夜―――
「えー、急ですがお別れパーティを開こうと思います!」
カナが急に、ホントに急に言い出す。
「え?」
「だーかーら、お別れパーティを開くのよ!」
あたしが訳が分からないといった顔で聞き返すと、カナはもうっ!と言いながらもう一回繰り返す。
ちょ、今からですか?カナさん・・・。
「と、言っても、もう11時だし・・・」
「さ、今日は飲むぞー!」
「聞いてよ!つか、未成年だから!!」
必死に止めようとするあたしを無視し、カナはルーズと「かんぱーい!」なんて言っている。
人の話、聞けよ!あー、もう、明日、悲しくなっちゃうでしょうが!
レイも呆れていたものの、あきらめたのか「私モー!」と言い、二人の所へ入ってゆく。
「なっ、え、レイも!?ったく・・・。しょうがないなぁ」
あたしは苦笑しながら、
「あたしも入れてよ!」
と、みんなの所へ入っていった。
***
「・・・ん・・・?」
パチリ、と目が覚める。
いつの間にか寝ていたようで、カーテンの隙間から光がさしこみ、鳥のさえずりが聞こえる。
あたしは、身体を起き上がらせ、着替えた後、厨房へ足を運んだ。
「あ、起きた!おはよう」
厨房には、カナが居て、ニコッと笑ってあいさつをしてくれた。
・・・なんか・・・
怖い!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
やけに優しい!なんか、変!
いつもは「早く着替えて!着替えたら仕込み手伝って!」なのに・・・。
こーわーいー!!!
「もう、やけに優しい、とか思ってんでしょ。失礼な」
「え!?エ、エスパー!?いや、読心術っすか!?ねぇさん!」
「ちがうって・・・。顔に出てるから。
ところで、昨日でバイトは終わりだけど?」
・・そ、そうだった・・・。
忘れてた!完璧、バイト服に着替えちゃったよ!?
ヤル気マンマンだったのにー!慣れで着替えちゃった・・・。
うん。慣れって怖いねー・・・。
「ったく・・・。バイト服に着替えちゃって・・・。しかも、ヤル気マンマンで。もう、終わりなのに。私服に着替えてきなさい。」
カナは悲しそうな顔をしながら言う。
「ほら、早く!」
「え、あ、うん」
あたしは言われるがままに着替えに行った。
***
「よし、これでオーケー」
あたしは制服に着替える。
一ヶ月ぶりの制服は、なんだかとても変な感じがした。
「・・・もう、バイトも終わり、か・・・」
正直、バイトをやめたくなかった。
カナにルーズ。二人はあたしを、本物の家族のように接してくれた。
それが、とても暖かくて・・・。
「やだな・・・。出て行きたくない・・・」
カナは、あたしが出て行くのを望んでいるのだろうか。
もし、ここにいてもいいか、といった時、カナやルーズに迷惑がかかってしまうのではないか。
しかし、レイとの約束も破れない。
さまざまな不安が、頭の中を行き来する。
「・・・あ~!!何甘えてんの、あたしは!!楓を殺すって、心に決めたんだろ!なのに・・・」
ぱんっ!
あたしは自分の頬をたたく。
頬がひりひりと痛む中、あたしは、より強く心に決めた。
カナに甘えては駄目だ。
自分で、自分を鍛えなければ・・・!!
・・・いろいろ矛盾してるかもです。
してたら軽くスルーの方向で・・・。