12話 お買い物~!
「わー!すっごーい・・・!!」
あたしは驚く。こんなに広いものなのか。市場って・・・。
あっちではスーパーしか言った事ないから・・・。
「ほんとに凄いですネェ!ここの市場はこんなに広いんですカ~!」
レイがきょろきょろとあたりを見回しながら言う。
「宮ではこんなに広くないの?」
「ええ、もっと範囲が狭いですネ。といっても、小さいわけでは無いんですけド・・・。」
レイはあははと笑いながら言う。
まあ、宮の市場が小さいわけじゃ無いだろう。ここが大きすぎるのだ。
道にはズラッとお店が並んでおり、売っている物もさまざま。
まるで、お祭り騒ぎだ。人もいっぱい居る。
そんなのが、1㎞ほど続いている。
・・・歩くのが大変そうだなー。
「さぁ、行きましょウ!」
「えー・・・。行くのぉ~?」
あたしは面倒くさがりながらもレイに引きずられて市場に入っていく。
***
「どこに有るんでしょうカ・・・。」
レイは不思議そうに首をかしげる。
一時間も歩いたのに見つからない。
・・・一時間も、だよ!?なのに見つかんないってどういうことだろうねー!?
「もうやだ・・・。お腹すいたー」
あたしが弱音を吐くとレイは、
「だらしないですヨ!」
と言ってあたしをずるずると引きずっていく。
「あ!ねぇ、レイ。」
「なんですカ!?あそこで食べようとか言わないですよネ??」
ぐっ
あたしは言葉に詰まる。
レイが言った事は、あたしが言おうとしたことと全く一緒だったからだ。
エスパーか!!
・・・というか、レイから言ったんだよね?お願いしますって。
あたしの方が立場、上だよね!?ね!?
「・・・。」
あたしが無言でいると、レイははぁ、とため息をついて
「しょうがないですネ。行きましょウ。」
と言った。
「やったー!!」
あたしは素直に喜ぶ。
ホントにお腹ペコペコだったんだよー!
わーいと喜んでいるあたしをみて、レイはハハッと笑った。
「さあ、レッツゴー!」
あたしはお店に入っていった。
・・・あ、お金どうしよ・・・。
***
「んまいー!」
あたしはご飯に勢いよく食いつく。
「すごい食欲ねぇ・・・」
あたしの食いつきっぷりにお店のおねーさんは呆れたような声を出す。
「あはは。本当ですよネー!」
「だって、お腹すいてたし」
レイはもうすっかりお店のおねーさんと打ち解けていた。
なんか凄い。
「ははっ!いっぱい食べてよ。そっちの方が、あたしんとこも儲けるしさ」
それが狙いか、おネェさんよ・・・。
「あ、そうそう。おねーさん。ここら辺で魔法属性調べる道具、売ってるとこってある?」
あたしは思い出したように尋ねる。
「魔法属性を調べる道具・・・?ああ、魔法陣のことか。それなら、ここには売ってないねぇ・・・。専門店に行かないと。」
ああ、どうりで売ってないはずだ。
「その、専門店ってどこに有るの?」
「この町のはずれにある、魔法専門店、『ドリーム』に売ってるよ。
ちなみに、高いからね?」
・・・。どうしましょう。お金が無いんです。
なんて言えない・・・!けど、言わなきゃ・・・
「あの、あのっ」
「なんだい?」
「時給・・・。何円ですか?」
何聞いてんだよ、あたしはっ・・・!!
「ああ、あんた、お金無いんだね。」
おねーさんはふふっと笑い言った。
「時給1500ギン。どうだい?いい仕事でしょ。けっこうこの店人気だから。」
「1500ギンか~。なんか、高そうだからやる!!やらせていただきます!」
後でしったのだが、お金は日本円と別に変わらないらしい。
1500ギンは1500円。
ちょーラッキーだ!
あたしはこうして、これからバイトをすることになりました。