9話 初めて使った魔法!・・・闇じゃないけどね・・・
・・・うん。一言で言うとね。
4、5分で準備しろとか、すっごい無茶だよね。
だからこうなったんだ。あたしのせいじゃない。うん。絶対そうだ。あたしのせいだったら・・・
きっと今、窓から落ちていることなんて無い筈だ。
よーし。思い出してる暇は無い筈だけど、思い出してみよう。
あの後、準備してたらなんか人が来て。で、パニクッたあたしが、バックを持って飛び降りたー、と。
完璧、自業自得じゃん。
あたしのせいじゃないかー!
『そんなことを考えてる場合じゃなかろ・・・ないでしょう!早く闇の力を発動させて下さい!』
・・・本性出そうになってるじゃん。もう敬語なんて使わなくていいのに。
『あ、そうか?では辞めさせてもらおう。では、はよう、闇の力を発動させい!』
「あれ?そんな簡単に辞めちゃうもんなの?ってか、どうやって発動させんの!?」
『魔道書に書いてあったろう!『風』の魔法を使うんじゃ!』
!注! こんな会話をしてても落ちています。
えーと、魔道書に書いてあったっけ・・・?ええと・・・
あたしは、よく思い出す。
「!思い出した!!『風の民よ。我を救いたまえ』!!」
すると、あたしの身体は、風でゆっくりと降りてゆく。
凄いね!魔法!
ちなみに、これは『文章唱』(センテンス)という。・・・らしい。
ふわり・・・
あたしの身体は地面に着いた。
『おお。見事なものじゃぞ。』
「ありがとー!」
あたしはこのまま走って門の所へ行く。
途中、魔法版の赤外線レーザーっぽいのがあったけど、あんずのおかげで難なくクリア出来た。
そして、門を通って外へ出た。
***
「おお、ココが街かぁ~!」
街は意外にイルミネーションとかが無く、明るくない。まさにドーナツ化現象(?)だー!
「大都市っていうもんだから、もっと活気があると思ってたのにー・・・。」
まぁ、しょうがない。宿を探すかー。
あたしは、宿を探しに歩き始める。
と、路地裏に入った時―――
「あなた、ココの国の人ですカ?」
「え、あー、そうです?」
訛りのある声だなー、この人。まぁ、いいやー。一応この国の人だって言っとこ。と、思いながらあたしは、声がしたほうを向くと―――
「あなたの命、頂戴シマス!!」
刃物を向けられました。
この国の人なら誰でもよかったのか・・・?
なんで、違いますって言わなかったんだろ・・・
やっぱ、あたしはついてないなぁ~・・・
えー、ドーナツ化現象を知らない人は読んで下さい。知ってる人は読まなくていいですよー!
ドーナツ化現象とは、大都市の居住人口が中心部から郊外に移り、、人口配置がドーナツ状になること(広辞苑より)です。
分かりにくかったら、親か、知ってる人に聞いてください。すみません。