ショートショートの刃
掲載日:2026/09/21
ショートショートの地の底で男は叫ぶ。
「一敗地に塗れたからといって、それがどうだというのだ。
我々は『どんでん返し』『ショートショートの刃』で
突然殺された者、突然不幸にされた者だ。
理不尽な『どんでん返し』、作者の都合と嗜好によって。
今こそ復讐の時だ!」
彼らは武器を手に、雄叫びを上げ
作者のいる創造の回廊を登っていく。
突然、一人の首が飛ぶ。
次々と首が飛んでいく。
混乱と恐怖が広がる。
「ショートショートの刃だ!」
重く速いギロチンは、目に見えず、切れ味で己を示した。
血飛沫が舞い、悲鳴も恐怖も意識も一瞬で刈り取る。
逃げ惑う集団。
復讐の眼差しで、見えぬ刃を男は睨む。
演者と世界だけでなく、読者の物語への情も
突然刈り取る無情の刃。
あまりにも見事な切れ口。
息を呑み
彼は思わず呟いた。
「美しい」
自分の言葉に気付く前に
刃が意識を断ち切った。




