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06 失敗という学び


次の夜、エマは竈の前で座り込んでいた。


「パンが……焼けなかったんです」


彼女の前には、黒く焦げたパンがあった。


「火加減を間違えて……父なら絶対にこんな失敗しなかったのに。私には、やっぱり無理なんです」


彼女は膝を抱え、顔を埋めた。「もう、やめようかな……」


ヴィクトルは竈の前にかがんだ。


「これは失敗ではない。これは学びだ。お前は今日、火加減を間違えた。明日は間違えないだろう」


「でも……」


「お前の父親も、最初から上手く焼けたわけではないはずだ。何度も失敗して、何度も学んで、それでようやくお前が覚えている父親のパンになったのだ」


ヴィクトルは立ち上がった。


「私は八百年以上生きてきた。その間、一度も失敗しなかった。なぜなら何もしなかったからだ。何もしなければ失敗もない。しかしそれは同時に、何も学ばないということだ。お前は三ヶ月で、私の八百年よりも多くのことを学んでいる」


「そんな……」


「本当のことだ。エマ。お前が羨ましい」



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