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詩集

メンタルヘラヘラ

作者: 木下美月


不安を感じる。




貴方がいつか私の前から消えてしまうんじゃないか。


それは明日かもしれない。


もしくはこのメッセージを送ったらそれが最後かも。



怖い。

私を見て。

また笑って。

初めて会った時の様に恥ずかしげに微笑んで。私だけを見て。私の落とした物を誰よりも早く拾って、遠慮がちに私に返して。そのときに触れ合った手に戸惑いながらごめんなさいって慌てた様子を見せて欲しいの。手を引っ込めた後も何度も意識してその手を見つめる貴方がたまらなく愛おしいから永遠にこなれないでいて。ウブで照れ屋な貴方がいいの。何度も私を見てるクセに私と目が合うと直ぐに逸らしちゃう貴方が可愛くてイジワルしたくなっちゃうからいつまでも無邪気でいてね。そのくせ私が話しかけるとここぞとばかりに私の目を瞬きもせずに見つめ続けちゃうんだからそういう欲張りな所も好きよ。だから私は貴方に夢中になったし貴方も私を世界の中心として見ていたのに。

なのに。

どうして貴方は私以外のヒトと笑っていたの。

もう私への興味は無いの?

嫌いにならないで。貴方が私を意識しないでいるなんて想像もしたく無い。こっち向いてよ。私が髪を切ったのに何も言ってくれないの。ねぇ気付いてないの。私はこんなに貴方を見ているのに貴方はどこを見ているの。誰を見ているの。何を考えているの。私に教えて。全部私に。貴方の行動の一つ一つを。さっき思考したことや、今夜のご飯も明日の予定も、次に出かける旅行先とか今欲しい物も全部教えて欲しい。貴方が知りたい。貴方が好きだから貴方が好きな物を全部知って貴方を理解したい。そしたら貴方も私のことをきっと好きになってくれるはず。だって貴方の好きな物を全部知ったら私も貴方の好きな人になれるじゃないの。

そしたらもう一度私を見てね。


なんて言えるわけない。


だからずっと不安だけが募っていくのだけど。


この不安が募れば募るほど心地よく感じてしまう。


貴方を思う不安が、貴方がそこにいるという安心感に繋がるから。




私は貴方に依存し続けてしまう。



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