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匂わせるのはキミのせい  作者: 薪木燻
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投稿その1

 私は校内でも1、2を争うインスタグラマーだと思う。

 一般の高校1年生なのにフォロワー3000人はたいしたものじゃないかな。

 それもまた私のスマイル&スタイルのなせる技で……

「香織さん、どうしたの?授業中が始まるよ」

 隣の席の真純くんが話しかけてきた。

 おとなしくて目立たないけど、純粋でキラキラしている真純くん。

 振り向いてほしいのに、私を注意する時しか振り向いてくれない。

「香織さん、もう放課後だよ」

 しまった!真純くんを見ていたら授業が終わってた。

 私はこんなに真純くんのことを想っているのに真純くんは私の気持ちには何も気付いてくれない。

 もっと私のこと気にしてくれないかな。

 こうなったら!……ということで、私はある写真をインスタグラムに投稿した。


 翌朝、私は登校するなり真っ先に真純くんに声をかけた。

「ねぇ、私の今朝のインスタ見た?」

「見たよ。すごいね!彼氏さんいい人そうだね!」

「へぇ~そう見えたんだ~(ニヤリ)」

 私が今朝インスタに投稿した写真。それは彼氏の存在を匂わせる写真だったんです!


 【匂わせポイントその1】匂わせの定番、ベッドでの寝顔写真を投稿!


「えへへ。ちょっと寝ちゃったらさ、勝手に撮られちゃったんだよね」

「すごいね!彼氏さん、一晩ずっと部屋にいてくれたんだ。いい人だなぁ」

「え、えっと……そうなんだ。朝になってから帰ったんだ……」

「しかも部屋の中、明るかったね。香織さんは電気つけたまま寝る系なんだ~。ボクは暗くないと眠れないからうらやましいなぁ」

「そ、そうなの。明るくないと怖くてさ」

「しかもパーカーのままで寝るんだね。香織さんはもっとジェラピケみたいなふわふわなかわいいパジャマが好きなのかと思ったけど、彼氏さんの趣味なのかな?」

「か、かわいい……じゃなくて、えっと、まぁ……そんなとこ?」


 ジェラシー度0%!匂わせ失敗!


 【反省点】匂わせはもっとディテールまでシミュレーションしてこだわろう。


 でも負けない!

 私ようやく走りはじめたばかりだから!

 このはてしなく長い匂わせロードを!

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