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魔王の働き方改革  作者: 望月大佐
第1章ー其は黒の精神なりー
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僕は悪い神じゃナイヨ!?


ヘラ『ここの太枠で囲ってある部分を入力してちょうだい、後は私がやっておくわ。』


「役所の申請書みたいだなぁ…」


いま俺は、ギリシャ神話の母神ヘラより神の権能を授かる手続きをしている。


その方法は次のステップで終わる。



・申請書類に必要事項を記入

・同意書にサイン

・統括管理職の推薦状を提出



この3ステップだそうだ。


そして俺は審査書類の必要事項を入力しているところなのだ…が、



「ヘラさん、この【所属】ってなんですか?」



申請書書類には、氏名、年齢、種族、所属、統括地域、権能と項目がある。


氏名や年齢、種族はわかるよ。



所属と統括地域と権能って何!?



ヘラ『あなたは私達の息子だから〜オリュンポス所属でもいいのだけど『彼は日本人ですし私の契約者ですから日本の神の一員になってもらいます。』あらアマテラス、嫉妬かしら?』


『嫉妬なんてしてません!ヘラ様達が来ていなければ彼は今頃日本人として生まれ変わっているか、異世界転生しているかのどちらかなのですから!』


あ、要は余計な仕事を増やしてくれるな!と言いたいわけか。

日本人特有の遠回しに言う戦法デターー!!



「んで、所属と統括地域と権能はなんて書くのよ?」


『所属は八百万、統括地域は日本、権能は…』


ヘラ『アレスの権能は戦争だから……』


「え、軍神マルスてそんな物騒な権能じゃなかったはず…」


ヘラ『アレスは喧嘩っ早い子だったからね。でも律儀に相手に合わせたりするから人間にも負けちゃうのよ。』


「アレスってアホの子?」


ヘラ『失礼ね、ただ頭のネジが緩いだけよ!』


それアホや。


ヘラ『権能は戦闘体躯せんとうたいくと入力して頂戴。』


「能力は?」


ヘラ『あなた人間だから戦争したら簡単に死ぬから、身体を神の身体として強化させるの。』


無敵モードキターーーー!!


ヘラ『あなたの身体だと精々5分〜7分が権能を使っていられる時間ね。』


「は?時間制限ありなの?」


ヘラ『身体は人間なんだから副作用があるに決まってるでしょ?

アレスは人間に加護を授けなかったからどうなるかわからないけど…多分両手両足がもげるくらいかしら?』


ふぁああああああ!!!


「なんなんそれ!もうちょっと安全に使えないのかよ!!」


ヘラ『私達は死なないからねぇ』


「……」


マジ殴りたい。

よし落ち着こう、とりあえず権能もらったら試しに誰かでやってみよう。


「権能は戦闘体躯…と、そういや、統括管理職の推薦状って誰が書いてくれんの?」


『私が書いておくわよ。というかもう書いた。』


「仕事早すぎか」



同意書にサインをし、申請書類や同意書、天照が書いてくれた推薦状は〈穴の空いた空間〉に投げ入れられた。


「ここに最初来た時も思ったけど、その穴の空いた空間ってどこにつながってんの?」


『ん?宇宙を統括してる神…あれ神なのかしら。』


ヘラ『地球の宗教ではヤハウェとも呼ばれているわ』


「へー。知らん。」



ドクン!



「んな!?」


『どうしたの?』



死んでるはずなのに心臓の鼓動が聞こえた…!?



ドクン!ドクン!!



「心臓の鼓動が聞こえる…おれ生き返った?」


ヘラ『違うわよ、元は人間で神の権能を授かったから神ではなく、半神半人に分類されたのね。』


「てことは…一応人間!?」


『まぁー、そゆことね』


よし、なんでもいいけど取り敢えず権能で誰かをなぐ…もとい、権能の試し打ちをしなくちゃ。


「ゼウスさん!」


ゼウス『なんじゃね?ついにワシ美貌に辛抱堪らんくなったかね?』


「うっせぇ!ホモ!!」


ゼウス『ホモではない、バイだ!!』


「ドヤんな!!」


日本の葬式に参列した際に、坊さんがこんな事を言っていた。


坊さん「故人は極楽浄土へ行く為の修行の旅に出るのです」


話を聞いた時は、へぇ〜そう。としか思ってなかったが自分が死んで理解した。



これは紛れもなく修行だ。



目の前にいる変態ゼウスは自分に試練を与える存在なのだろう。


「浄土宗広めた人は相当苦労したんだな…」


『なにを勝手に納得してるか知らないけどそろそろ異世界に転生させるからね。』


「え、好きな容姿とか種族とか選べないの?」


『あんた半分神で半分人間でしょ?既に種族は神に設定されてんの!というかそれで届出出しちゃったの!!』


「あっ…」


これでまた種族変更をしようものなら仕事が増えると言いたげな天照。


「んじゃせめて容姿くらいはなんとかしてくれ。」


『わかったよ。見る目麗しい姿に設定して転生できるように上申しとく。』


天照が端末を操作してまた〈穴の空いた空間〉に投げ入れた。

宇宙を統括してる神に、俺の要望を届けてくれたのだろう。



ヘラ『それでは、アレス。向こうの世界でも元気にやるのよ。』


ゼウス『よいか、アレス。女の嫉妬は怖いからな。呪いどころでは済まぬからな』


ゼウスが言うと説得力あるぅ〜。


剣『まぁ、一応出来る限りのサポートはすっから。』


「ツンデレかw」


剣『うるせぇ!』


勾玉『ちゃんと見守ってますから、時々ちょっかいかけに行きますから!』


「世界を渡るって海外旅行じゃねぇんだから…」


鏡『天ちゃんなら出来ますよ?それくらいの権能を与えられていますから。あ、スマホ渡しておきますね。』


「ありがと。って電波届かんと違う!?」


鏡『そのスマホは電波じゃなくて神の波動で繋がるようになってますから、充電は日に当ててもらえばいいですよ。』


「ソーラーバッテリーとかナニソレ素敵」


『ごめん神崎』


天照が凄い申し訳なさそうにタブレットを持ってきた。


『転生まであと12秒しかないわ。』


11


10


「ちょ、そんな!?」9


8


7


『加護あげる』6


5


「籠?」4


3


2


1


『加護だボケ!!』0


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