表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王の働き方改革  作者: 望月大佐
第1章ー其は黒の精神なりー
2/125

神崎、神と仕事するってよ

三種の神器が天照の元に来て、3日が経った。


剣『首都圏の消費電力、1週間分のデータ出たぞ』


え、まだ3日しか経ってないのに何で1週間分のデータが出るんだ?


『ありがとう、剣』


勾玉『それをグラフにしておきますね。』


鏡『発電所の稼働率ともマッチングさせるね。』



おいおい、お前ら何故疑問に持たねぇんだよ。

くそ、我慢ならねぇ。


「ちょっとまてって!」バンっ!


『『『!?』』』


いや、全員ビクッとしてこっち見なくても……

ええいくそ!!


「まだ3日しか経ってないのに1週間分のデータが出るわけないだろ!?」



『『『『( ゜д゜)ポカーン』』』』



天照も三種の神器もポカーンとして俺を見ている。

そして勾玉が両手をバンっと合わせて口を開いた。


勾玉『あ!神崎さん人間だったから天原マガハラと地球の土地とで時差があるの知らないんですね!』


勾玉以外『『『あーーー!!なるほど!』』』


俺以外は何か納得した様子だ。


「全然なるほどじゃねぇわ!!頼むから教えてくれ!!マガハラっなんだ?時差あるのは日本から飛行機で海外に行った時くらいだろ?」


剣『まずマガハラからな、元は日本の上空に展開されていた八百万の神々の住まう土地だった。』


「だった?」


剣『鉄の塊が飛んできたと思ったら鉛玉打ち込んでくるし、鉄の塊同士で炎の筒を撃ちまくってるしで住むとこ変えようという事になったのさ。』


恐らくそれって第一次世界大戦と、第二次世界大戦じゃないかな。


「あー…もしかして戦争?」


鏡『人間の知識の中ではその言葉でいいでしょう。私達神に連なる者からすると、大量のゴミの不法投棄としか見えないのですが」


それについては何も言い返せないね。


「でも戦争とこの時差はどう関係するんだよ。」


『簡単に言うと、人間が住む土地から離れれば離れるほど時差は大きくなるの。』


「え、こっちでは3日、日本では1週間ってことは時の流れは2/1だと!?」



『まぁここは宇宙空間みたいなものだしね』



いまとんでもない発言を聞いてしまった。

宇宙空間…?うちゅうくうかん……?



「宇宙!!?」



『『『『驚くとこそこ!?』』』』


鏡さんのわかりやすい説明によると、


世界大戦前までは日本の上空に居を構えていた日本の神々。


今尚語り継がれる八百万の神々は、

戦争が始まった当初は生暖かく見守っていたが、

戦闘機や爆撃機が飛び交う様になってから、


「安眠妨害、騒音被害もいいとこだ!!」


とガチギレして成層圏までお引越ししたそうだ。

しかし、神々の悲劇は終わらなかった。


日本の高度経済成長が成層圏にダメージを与える様になったのだ。

高度な演算を用いて導き出された未来予測には、


〈今後日本時間100年以内に成層圏を破壊し得る)


この結果に神々は臨時の神議が行われ、このまま成層圏に住み続けるのは危険ではないかとの意見が多く出たらしい。


しかし神としての仕事を放棄するわけにもいかず、

妥協案として、毎年10月に日本のとある土地に降り立って会議を開き、日本の先行きを論ずる会議を開くこととした。


これが和暦の神無月。

地域によっては神在月にもなるらしい。


取り敢えず年1で神らしい仕事はするからいいんじゃね?という結論に至った八百万の神々は、

成層圏の更に上、宇宙空間に居を構える事にしたのだ。


そしてそこから日本人を生暖かく見守る事にしたらしい。


ちなみに高度な演算を行い、高度経済成長のもたらすデメリットを提示したのは他でも無い天照だった。


「昔はバリバリ仕事してたじゃん。」


『ほら、お父様とお母様の目もあったし…』


あぁ、イザナギとイザナミ…だっけ?


「でもイザナミさんって死んじゃったんでしょ?」


鏡『正確には死後の世界を司る女神になられました。』


『黄泉の国って言えば馴染みあるんじゃない?』


「あー!!黄泉の国!!」


古事記ではイザナミは黄泉の国の食物を口にしたが為に現世に戻る事は叶わな叶ったとされているが、

どうやら黄泉の国のトップになったらしい。


「その黄泉ってまだあるの?」


剣『日本人の信仰が薄れてきたので今はどうかわかりませんね。』


『現在観測してるデータでは黄泉の国の顕現率は12%、キリスト教の地獄の顕現率が43%、死んだら何も無い率が55%ね』


なにその超具体的なデータ。


「つか、顕現率ってなに?」


勾玉『顕現率とは、国や地域での神への信仰率です。

そもそも神々は地上に住まう人間の信仰ありきで成り立っているのです。逆に言えば信仰がなくなってしまったら例え古来から居た神であろうと消滅します。』


消滅て、そんな事あるんか…。


『日本各地に神社やお寺があるでしょ?あれって要は信仰を続けて貰う事で私達神が存続出来るように人間に作らせたの。』


「え、じゃあ近所の神社とかお寺とかはそーゆー理由であるの!?」


『神崎が生きていた時代は信仰よりも利益追求だからなんとも言えないけど、当初の目的は祀った神様がマガハラで暮らしていけるようにするためのものなのよ。』


「クッソ昔から生活保護制度編み出してんじゃん」


『生活保護とかいうな。そんである程度信仰を持つ人が死んだ場合、信仰している神のもとに呼ばれるわけ。日本人なら大概私のところね。

そんで、私と契約してまた地球で生まれ直すか、異世界に生まれ直すかを選ぶわけ。』


なるほど、義務教育で古事記やら学ぶしな。

基礎知識を持つだけでも信仰になるなら日本人はある意味ラッキーだな。


は?契約?異世界?


「異世界転生できんの!?」


『出来るよ?でも仕事終わったら帰ってきて貰うから出張みたいなものだけど。』


社畜乙!!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ