第7話《そして朝食へ》
そして…次の日の早朝
・・・・・・
―――――――――――――――
部屋の寝室の中
…
光の球を完成させたシャルムが、
何故か?ポチと同じ布団の中に寝ていた。
…
シャルム
「すぅー…すぅー…ムニャムニャ…」
。
ポチ
「…おい…」
?
シャルム
「うーん。シャリムゥー…いつの間に…こんなに毛深くなったの…」
!?
ポチ
「おい!よせっ!
くすぐったいだろ。こらっ」
。
シャルム
「へっ!?」
!
シャルムの目が開くと…
そこには、鎧を脱いだポチの姿があった
。
シャルム
「…ポチ…あなたは、確か死んだはず…」
。
寝ぼけているのか…
そんな事を言うシャルムの目の前で…ポチは、
「勝手に殺さないでくれ…」
。
布団から身体を起こすと…そのまま立ち上がってから…布団から離れて…
そのあと、シャルムに
、
ポチ
「変な夢でも見てたんじゃないか?」
…と、話すので
…
まだ布団の中で寝ていた…シャルムは
、
(そうか…光の球を
作り終わったあと、僕は…)
…
眠たい目を、こすりながら…寝室まで移動し…
そのあと、ポチの寝ている布団の中に、潜りこんだ事を思い出す…
。
シャルム
「ところで光の球は?」
。
ポチ
「ああ…それなら
他の水晶球と一緒に、棚の上の方に置いてある…
それが、どうかしたのか?」
…と尋ねるポチに…シャルムは
、
「…いや…なんでもないよ。」
…と、首を横に振ると、
かけてある布団と一緒に、寝ていた身体を起こして
…
シャルム
「ところで、シャリムは?」
…
もみあげのところの金の髪も肩にかかるくらい長い…エメラルドの瞳の少女が、どこにいるか聞くと
…
ポチ
「あの子なら台所で、食事を作ってるぞ…」
。
シャルム
「えっ?あっ…うん。そのようだね…」
。
ポチ
「???」
…
シャルムとポチが、そんな話のやりとりを、しているうちに…
・・・・・・
台所では、料理の仕上げに入った、シャリムが
、
「塩とコショウで味を調えて…っと、完成です。」
!
出来ましたよ。…と、居間のテーブルの上に、鍋のようなものを運んでくるので
…
ポチは、それを見たあと
…
まだ布団のところで座っているシャルムに
、
「…大丈夫か?
眠たいんだったら…もうちょっと寝てても、いいんだぞ。」
…と、声をかけると
…
シャルムは、立ち上がりながら
…
「大丈夫だよ。早く居間に行こう。」
…そう言うので
、
ポチ
「分かった。」
…
その言葉をきっかけにして…ポチとシャルムは、居間の方へ向かった
・・・・・・
昨日も座った、円形のテーブルの上には…
さっきシャリムが、運んで来た
鍋のようなものに入った、料理の他に…
その近くには、その料理を入れるための入れ物が…3人分、置かれていて
…
さらには、大きな皿の上に乗せられた発酵パンが、
それぞれの席の前に、配られてあった
。
そして、それらの食事を運んで来た…シャリムは、円形のテーブルの近くに立ち
、
「えーと…ちゃんと人数分ありますね。」
…
スプーンなどの食器類も、ちゃんと三人分あるか…確認したあと
…
「今日は、カレーです」
…と、鍋のようなものに入ってる…料理の名前を告げると
…
席に着いたシャルムとポチから
…
シャルム
「カレー!?」
!
ポチ
「カレーかあ…」
!!
わあっ…と、喜びの歓声があがる
。
そして、シャルムとポチの反応が予想通りだったので…
シャリムは、嬉しそうな顔をしながら…
鍋のようなものの中に入ったカレーを、
料理に使うオタマで盛って…
、
シャリム
「たくさん食べてくださいね」
。
それぞれの入れ物の中に、カレーを入れてから
…
そのカレーを入れた3つの入れ物を、
三人の席の前に、それぞれ配ると
…
そこでシャルムが、なぜか?自分のところに、スプーンが2つある事に気づき
…
「どうしたの?
これポチのスプーンだよね。」
…と、ポチに尋ねると
。
ポチ
「カレーは、素手でたべるものだ」
。
そうポチが言うので…シャルムは、
「そうなの?」
…と、青い目を見開いて、少し驚いていると
…
そんなシャルムの席の近くにいたシャリムが
、
「そういえば…南の方の国の中には、
東洋の一部の国の影響を受けて、カレーを素手で食べる人達がいると…聞いた事があります…」
。
ポチさんは、その中の一人なのでしょう…と話し…
そのあと、ポチに
、
「でも…このカレーは、
わたしがスープに近い形で、煮込んだので…手じゃ食べにくいですよ」
。
そう話しても…ポチは
、
「構わないさ…俺自身この食べ方が好きなんだ」
。
決意が変わらない事を、シャリムに伝えると
…
シャリムには、それが本気であると分かってしまったので
…
「分かりました…。」
…と、そう言ってから自分の椅子に座って…
右手に持ったスプーンで、カレーを食べ始めた
・・・・・・
。
《食事中の会話へ続く》




