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第4戦《空中のアスリート》

魔封じの結界を破るために結界の外に出て…

またシャリムとライトボーンが戦う場所に…ポチとシュナウゼンと一緒に近づいたシャルムは

「見て!シャリムだ」

光の球で辺りを照らすポチの隣で、そう話すと…

背中にリュックを背負ったまま歩くポチも

「その様子だと無事なようだな…」

犬のような視力で遠くは、あまりはっきり見えないので…シャルムの話を聞いて、安心する

それから…シャルムは、後ろを歩く、黒い魔法衣を着た長い白髪の男と

シュナウゼン

「なあ君達は、マーズの人達なのか?」

シャルム

「ここにとらわれてたくらいだから…たぶん違うと思いますよ」

「そうか…」

そんな話をしながら、シャリムが戦っている場所に近づいて、その戦いを見守る…

そのためだろうか…その後すぐに、ライトボーンと戦っていたシャリムの身体の周りのオーラの輝きが強くなり…

身体が空中に、フワリと浮かんだのは

それを知った、シャリムが左手に持った剣で、ライトボーンの刀と打ち合いながらも

チラッ…と、シャルム達のいる方を見て、シャルムが広げた両手を、前に突き出している事に気づくと

(ゴーレムと戦った時の魔法の応用か…

確かに、あの時と違って、シャルムが浮遊するための魔法の力を送り続けてくれるから…)

シャリム

「同じ目線で戦う事ができる!」

50センチくらいの空中に浮かんだ両足で、その空中に出来た足場を利用しながら…

ライトボーンが左手で振るう刀と打ち合う

そんなシャリムとライトボーンの打ち合いは、どちらも洗練された剣の腕前なので…

まるでライトボーンが、自分の周りを飛び回る妖精と、剣舞をおどっているかのように…優雅ゆうがで、

シャルムの後ろの方で、それを見ていたシュナウゼンを

「まるで幻想の世界で戦ってるかのようだ…」

そう言わしめるほどに、ライトボーンの刀と打ち合うシャリムが、流れるような動作で

ライトボーンの周囲を華麗かれいに舞うと…

まるでシュナウゼン達の頭の中に、情熱的な曲が流れてくるかのように感じられて…シュナウゼンは

「しかし何故?高さが加わったとはいえ…

リーチの短いあの子が戦いを、あそこまで支配できるんだ?」

シャリムの剣技がライトボーンを、わずかに押している状況を実況すると…

それを聞いて…前からシャルムが

「確かにシャリムの方がリーチは短いけど…シャリムの方が常に攻撃の先手を取っているし…

攻撃の初手が次の攻撃につながるようになっているから…ライトボーンも、シャリムの剣を防ぐので精一杯になってるんじゃないかな」

そう話すので…シュナウゼンは

「なるほど…つまりシャリムもすごいが…

ライトボーンも、それに対応できるだけの力を持っている訳か…」

あの骸骨の頭の中は、空っぽそうなのに、そんな対応力がどこにあるのか…と、不思議に思うが…

そんなシュナウゼンの考えを読み取ったのか?シャルムが

「たぶんライトボーンには思念みたいなものがあって、その思念に詰まった経験がライトボーンの身体を動かしているんだと思う」

そうシュナウゼンに話しながらも

(だけど…シャリムなら、もうその事に、とっくに気づいているはずだ)

そう考えたシャルムは、シャリムが左手に持った剣で、ライトボーンと打ち合いながらも…

ライトボーンの周りを反時計まわりに移動している事に気づき

(円を描くように移動しているのか…

それになんだろう…

剣を持たない右手の人差し指と中指を立てて、何かを描いてるように見えるけど…

まてよ…動かした右手からポタポタ落ちてるあの赤いものは…まさか!?)

そう…それは、まぎれもなくシャリムの血だった

傷口は浅いようだが…まさかライトボーンに切られたのか?…と、シャルムが気にしていると…

そのせいで、シャリムにかけている魔法を維持いじさせるための集中力が途切れてしまい

「しまった!」

そんなシャルムの声と同時に…シャリムの身体が地上へ落下して…

(すぐに魔法をかけなおさないと…)

そう考えるシャルムの頭の中に

【素早さを上げる魔法を!かけてください】

テレパシーだろうか…シャリムの言葉を伝えられて…シャルムは、

【分かった】

そう返事を伝えてから…

「風の精霊よ。汝の祝福によって。純粋な悟りの真名を持つ子に、汝の如き軽さを与えよ」

「風より速く彼の者に届け!イクスアルペェイ!」

シャリムに素早さを上げる魔法をかけると

かけられたシャリムは、ライトボーンの頭上から振り落とされる刀を…1回目のバックステップで紙一重でかわして

それから…2回、3回、4回、5回…と連続でバックステップして、黄緑色の骸骨剣士から3メートル以上の距離をとるが

その間に、ライトボーンは、左手に持った刀を、腰の右側の方に置く、抜き打ちの構えをとり

骨で出来た右足を前に出してから…

両足を少し落とす事で、足元もしっかりしている所を見て…シャリムは

(剣を握った左手に…広げた右手を近づける、あの構え…真空刃か…)

「なら、わたしも…」

左手の羽剣を腰の右側に置く、ライトボーンと同じ構えをとり

シュナウゼンの前で、ポチと一緒に見ていたシャルムが

「まさか真空刃を撃ち合う気なの?シャリム」

見ている前で、シャリムは腰の右側から左手で持った剣を

シュパッ!

抜き放つ!…

…が…しかし…その抜き放った剣は、シャリムの手元を離れ…

ヒュンヒュン回転しながら…ライトボーンの頭上を飛びしていき

シャリムも左手から剣が離れたと同時に、ライトボーンの元へと飛び出す!

だが…それを迎え撃つライトボーンは、間合いの中に入ってくるシャリムの首筋に狙いを定めて…

腰の右側に置いた刀を

ザン!!

…抜き放つ…

すると…それまでシャルムの隣で、シャリム達の戦いを見ていたポチが

「うっ…」

その時に、シャリムの首が斬られたと思って…思わず犬のような顔を右側にそむけるが…

ポチの隣で、その光景を目を背けずに見ていた…シャルムに

「大丈夫。シャリムの方を見てよ」

そう言われて、おそる恐るシャリムがいた場所に…右手に持った光の球の光を向けると

何故か?ライトボーンに首を斬られたはずのシャリムが、斬られる直前の場所に、そのまま立っていて…

やがて、その姿が蜃気楼しんきろうのように消えていく…

そして、まぼろしかさなっていた為に、ポチの目に見えなかったのか…

きりれたように…その場所から…

両足のひざをついた黄緑色の骸骨剣士の姿が、ぼんやりとだが…見え始めた

ライトボーンの刀の先が地面に突き刺さっている…

どうやら倒れないように…とっさに両手を使って、刀を逆手持ちにして、地面に突き刺したらしい…

それに気づいた…ポチは

「こ…これは一体…」

驚く中…

膝をついたライトボーンの、さらに奥の方から

「シャリム…」

金の髪の少女が持つ、バニラの香りがしている事に気づく

はたして?ポチが顔を背けた、あの一瞬のあいだに何があったのだろうか…

《つづく…》



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