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第4戦《熱戦!激戦!超接近戦!!》

横幅10メートルに、高さは7メートルはあろうか…

銅のような金属の壁に囲まれた場所の中で

…左手に剣を持ち変えたシャリムと、黄緑色の骸骨剣士が、2メートルくらいの距離の間で対峙たいじしていた

光の球がないせいで、辺りは暗いが、ライトボーンは、その名があらわす通り…暗闇の中で、骨だけの身体を黄緑色に発光させて

ライトボーンと向き合っていたシャリムも黄色のオーラで全身を照らしていた

そして、ライトボーンは、いつの間にか拾いあげていた…3センチくらいの鎧の破片を

刀を持たない方の手である…骨だけの右手の曲げた人差し指に、はさんだ親指の上に乗せて…それをコインのように

ピン!

はじ

その宙に舞った小さな鎧の破片が、コツン…と、地面に着いた時…

ドン!!…と、シャリムとライトボーンは、それぞれの武器を持って飛び出していた

そして…タン!

跳び上がったシャリムを迎撃げいげきしようと、ライトボーンが振り上げた左手の刀を振り下ろそうとした時

シャリムは、ライトボーンに向かって…ジャンプしながらも、身体をひねって、横にはらおうとする左手に握った剣の下の方に…さらに右手を加えて

両手で持った羽剣を…そのまま横に払うが…その途中で

ガキィン!

上の方から叩きつけられるライトボーンの刀の一撃と激突し…

ぶつかり合う刀と剣の刃が一瞬、十字を形作る

そして、ジャンプで勢いをつけたシャリムの両手に持った剣に…

ガキィン!…と、刀を弾かれたライトボーンが、バッ…と、うしろの方へ跳躍ちょうやくすると

シャリムも身長が90センチちょっとの少女とは思えぬ驚くべき跳躍力で、バックジャンプして距離をとるが…その時

シャリムの金色の前髪の何本かが…ハラリ…と、地面に落ちる

(刀と剣が、ぶつかった時の風圧で切れたのか…)

地面に落ちる自分の髪を見て…これがライトボーンの実力か…と、シャリムの額からツゥー…と、一筋の汗が流れ落ちるが

(でも…)

ポチやシャルムの気配が、ここに近づいてくるのに気づくと…

(守りたい人達がいるなら…)

その間に、両手から…左手のみに戻した剣を構えて

「やるしかないでしょう!」

…5メートル先にいる…ライトボーンに向かって飛び出す!

だが…フェンシングのようなシャリムの片手突きを先読みしていたライトボーンは

左手に握った刀を、腰の右側の方に引き寄せ…そこから左斜め上に、一気に

スパァッ!!

り上げる!

すると…そこから発生した風の刃が、シャリムにおそいかかり

その風の刃が放たれる瞬間に、それを察知さっちしたシャリムは

(真空刃!?)

立ち止まると同時に、左手で握った双翼の剣を、目の前でかざしつつ…

残る右手を、剣の刃身にそえて…そこで

「はっ!!」

列破れっぱの気合いを入れると…

顔の前に、剣をかざすシャリムの前に一瞬、視界では確認できない透明な壁が出現し…

かまいたちのような…その斬撃を防ぐ

しかし、シャリムが真空の斬撃を防ぐ、その一瞬の間に…ライトボーンが両手で握った刀は、ツツゥー…と、反時計回りに孤《円の事》を描き…

それを見たシャリムの視界が

(あれ?)

ぼやけていき…

やがて、ぼやけた黄緑色の骸骨剣士の姿が2つに分かれ始め…

…シャリムの視界が再び、はっきりした時…シャリムの目の前には、なんと二人の黄緑色の骸骨剣士の姿があった

シャリムは、その時ライトボーンが両手に持った刀で孤を描いた時…

軽い催眠状態にかかった事に気づき

(ダブルか…)

幻術にかかった事を自覚する

(ダブルは、確か視覚を通して…相手の脳に暗示をかけて、自分を二人に分かれているように見せる術のはず…)

「ですが…」

そうシャリムがつぶやくと…

二人になって並び立つ、ライトボーンは、

両手で握りしめた刀を頭の上に構えて…剣道の面打ちの体勢で、

ダッ…と、いっせいにシャリムの方へ駆け出すが…

その瞬間、シャリムは

「例え、この目が2つの姿を映しても…」

スゥーッと目を閉じて…次の瞬間、駆け出して来たライトボーンが叩きつける刀の刃の一撃を

両手に握った双翼の剣を、頭の上に構えて…

ガキィン!!…と防き

「耳から聞こえてくる刀を振る音は、1つです」

振り落とされた刀の衝撃を感じて目を開く…

シャリムの目には、一人の骸骨剣士の姿しか、映っていなかった…。

だから、白いローブを着たシャリムは

両手で打ち下ろした刀で、そのまま押しきろうとする…ライトボーンの左側の足の方にねらいをさだめて

(確かに…わたしは、子供だから…キックのリーチも短いし…威力も少ない…。でも!キックを放つ右足に魔力をためて、真空の風をまとえば…)

「わたしの右足は!見えざる風で敵を切り裂くやいばとなる!」

真空の刃をまとった右足を、ビュオ!…と蹴り放つ

しかし…その攻撃を予測していたのか…

いつの間にか右手を刀から外していたライトボーンは、

刃がぶつかり合っていたシャリムの剣から刀を離すと…

シャリムの空圧刃斬脚が放たれる直前に、バックジャンプで、その場から離れ

「ぐっ…」

シャリムの右足が空を切るが

(かわされた?でも!)

空を切った右足のいきおいを利用して…

バレエダンサーのようにかかとを上げた左足をじくに自分の身体を一回転させてる間に、体勢をととのえてから

「行きます!」

身体の右側の方で

持ち手を、右手を左手の上にして、両手で持った双翼の剣の剣先を、ライトボーンの方に向けながら…突撃すると…

3メートル先で、それを迎え撃つライトボーンは、両手で握りしめた刀を、左上からビュン!…と、右下に振り落とそうとするが

シャリムは、突き出した剣を、とっさに頭の上に構えて

ガキィン!!

それを防いだあと…

ライトボーンが、シャリムの剣に防がれた自分の刀を押し出そうとするが

シャリムは、自分の持つ剣の刃を左下にかたむける事で、ライトボーンの攻撃を受け流し

ライトボーンの刀が、剣の刃を伝って、シャリムの左下の方にすべっている間に

シャリムは、剣から左手を離しながら、一歩、右の方へ移動すると

向かい合うシャリムの左下…

つまり右下の方に、刀を受け流された黄緑色の骸骨剣士は、その勢いで右膝みぎひざをつくが…

すぐに両手から左手だけに刀を持ち変えて、

右下から左の方に向かって、ブン!…と払う

しかし…その攻撃を先読みしていたシャリムは、その斬撃が来る直前に

右手に持った剣を、後ろの天井近くに放りなげてから…

シャシャシャ…と3回バク転して…ライトボーンから距離をとったあとに

その場所に落ちてくる剣の持ち手を、パシッ…と左手で取ると…

次の瞬間、ズキィン…と右足に激痛が走り

(空圧刃斬脚を使った時か…)

右足の筋肉を痛めた事に気づくが

「でも!」

それでもシャリムは、すぐに!

体勢を立て直したライトボーンに跳びかかり…

カァン!キィン!カァン!カァン

左手に持った剣の刃で、ライトボーンが左手で振るう刀と打ち合う

そして…離れた場所から近づいて来た

シャルムとシュナウゼンの目に最初に映ったのは、その時の光景だった

《つづく…》



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