第2話《身ぐるみはいでは、いけません。》
その後・・・
ポチと二人の子供達は、パンテオンの地下水路などのいろんな通路を歩き…
通路を歩くたびに…
ときどき出てくる階段を、上ったり下りたりしながら…さらに先へ進むと
…
シャルム
「あそこだよ。」
…
とうとう、子供達の部屋が視界に入ってきた…
。
ポチ
(ん?また衛兵が2人倒れているな…)
。
ポチの視界の先には、鎧を着た二人の衛兵が、うつぶせに倒れている…
おそらく子供達を見張っていた衛兵達だろう…
。
ポチは、倒れているその2人の衛兵を見たあと
…
(しかし、装備品を一見すると…
前に見た衛兵より…かなりレベルが高い物を、身につけているな…)
。
それだけ…この二人が重要だという事か…と、子供達の方を見ると
…
シャリム
「先を急ぎましょう…」
。
部屋の方へ進もうとするシャリム達に…ポチは
、
「ちょっと、先に行っててくれないか?」
俺は、ここでする事があるから…と、子供達を先に行かせると
…
うつぶせに倒れている衛兵を、仰向けにひっくり返してから…
身につけている…鎧や茶色い服や、下の方へ身につける物などを取り外して
…
そのあとポチは、脱がした茶色い服などを着ると
…
「そういえば…裸だったんだよな俺…
変わりに、あんたが全裸になってしまった訳だが…
…その…こういう事…言えた義理じゃないんだが…
風邪ひくなよ!」
!
シュタッ!と、犬のような顔の小さな額の前に…右手をかざす事で…
仰向けに倒れている全裸の衛兵に敬礼して
…
子供達が待つ部屋の前に足を進めるのだった
・・・・・・
。
―――――――――――――――
そして、そのあと…
・・・・・・
子供達がいた部屋の入り口の扉を見たポチは、驚いていた…。
!
「こ…ここから…出てきたのか?」
…
独り言のようにつぶやく…ポチの目に映る扉に、なんと魔法陣が描かれていたのだ。
「・・・・・・」
ぼやけた白黒テレビのような景色しか映らないポチの目でも…
雰囲気から…かなり強力な魔法陣である事が分かる
…
そんなポチの見ている前で…シャリムが扉の前に立つと…
扉に向かってかざした…シャリムの右手のまわりが青く光る
・・・・・・
その時、ポチの隣に立つシャルムが…
「間違っても…金の光は、使っちゃ駄目だよ…」
。
そんな事を話すが…色の見えないポチには、何の事か…分かるはずもなく…
・・・・・・
そのまま…カシャンと、扉のロックが解除されて…
ガチャン、ギィーと、扉が開く…
。
そして、先に部屋の中に入った…シャリムに続いて
、
シャルム
「行こう…ポチ」
…
シャルムのうしろを歩く…ポチの目に映ったものは
・・・・・
「ここが…お前達が監禁されていた部屋?」
…
部屋の中を見たポチは、目を見張った
。
そこには、高価なベッドや本棚…
料理をする石台に置かれた食材など…あらゆる物が揃っていた…
。
(…まるで、子供部屋じゃないか…)
。
しかも部屋に入ったポチが見渡せるような…広い部屋だ…
。
シャリム
「まあ…お茶でも飲んでください…」
。
いつの間にか…が、テーブルを囲んでいた3つの椅子のうち…
二つの椅子を一つ一つ、座りやすいように…両手で引くので
…
ポチとシャルムが、
「ありがとう。」
…と、引いた椅子に腰かけると…シャリムは
、
「シャルムは、何にします?」
。
シャルム
「アップルティーを頼むよ。」
、
シャリム
「ポチさんは、何になさいますか?」
。
ポチ
「同じアップルティーを皿の上に頼む。」
、
シャルムとポチの注文を聞いたあと
…
「かしこまりました。」
…と、部屋の奥の方に移動すると
…
そのシャリムの行動が、あまりに手慣れたものだったので、ポチは
…
(本当に軟禁されていたのか?)
。
自分達の部屋じゃないよな…と、台所の方へ向かう、シャリムの後ろ姿を見て…思うのだった
・・・・・・
。
《第3話へ続く…》