第4戦《闇からの声》
そこには暗闇があった…
。
そこで、シャルムが…
(真っ暗だ…)
。
暗闇を意識すると…
やがて…そこに、一筋の光が現れ…
それと同時に…シャルムの意識に…
。
(目覚めよ。)
…と、誰かが語りかける
。
…その、意識に直接響く…誰かの声にシャルムは…
、
(そうだ…この感じ…前に感じた事がある…)
。
鎧剣士が、かけた幻から…覚めた時の事を思い出して…
、
「君は、一体?」
…何者なんだ?と、話しかけるが…
だが…その、どこか懐かしい気持ちにさせる、その意識は…
、
「目覚めよ。」
…そう言って、光輝くばかりで…
…
その光を見ているうちに…シャルムは、意識が現実に…ひき戻されるのを感じていた…
。
そして…シャルムが…
「待て!君は!?」
。
そう叫んでいるところで、その光が…暗闇の世界ごと、グニャリ…と曲がり…
。
…シャルムが、現実世界で、目を覚ますと…
その青い目に…シャリムと鎧剣士が戦っている光景が映っていた…
。
シャルムが気を失っているあいだに…鎧剣士の刀と、何度か剣を合わせていた…シャリムは、
自分の右側の壁に倒れていた、シャルムが立ち上がってくるのを見て…
、
シャリム
「良くがんばってくれましたね…」
。
シャルムに、お礼を言ってから…鎧剣士の方に、顔を戻すと…
、
「あとは、わたしに任せてください!」
、
正面から、垂直に、振り下ろされる鎧剣士の刀を…
残像が残るような…素早いバックステップで、ヒラリとかわして…
、
そのあと、すぐに…
腰の左側の鞘に、刀を納めるように…
右手の剣を、腰の左側に、もっていって
…
そこから…右ななめ上に、刀を、スパッ!と切り上げると…
、
…そこから真空刃が、発生して…
シャリムと、向かい合った鎧剣士を吹き飛ばし
…
真空刃を受けた鎧剣士の鎧の、腹から胸の方にかけて…ビリッと、電気の光が走る…
。
それを…洞窟の壁の近くで、シャルムが
、
「あれは…真空電撃刃!!」
…と、そう言って、見ている前で…
シャリムは、真空刃のせいで、うしろの方に、吹き飛ばされてから…仰向けに倒れた、鎧剣士に向かって
、
「真空刃を、使えるのは…あなただけでは、ないんですよ…」
。
そう言ったあと…シャルムの方に、双翼の剣を向けて…
、
「シャルム!わたしの剣に、ファイヤーボールを放って下さい!」
……そう叫んだので
、
それを聞いたシャルムは、右手の手の平の前から…
双翼の剣の刃に向けて
、
「ファイヤァボォル!」
…10センチくらいの火の球を放つと
…
シャリムは、その火の球を双翼の剣の刃で受け止めて、
右手に持った、その剣の刃を火球の魔法の炎で燃え上がらせる…
。
そして、そのあと、起き上がった鎧剣士の方に、身体を向けると…
右手に持った炎を宿した剣を、逆手持ちにして…
さらに、剣を持った右手に、左手をそえた事で…
両手で逆手持ちをした剣の刃を、地面に突き刺して
。
「地を這う、火炎の波動によって…我が敵よ!燃え上がれ!」
…と、シャリムが叫ぶと
…
突き刺した剣の刃から吹き出した炎が、地面を伝って…立ち上がった鎧剣士の方へと、ほどばしる!
、
シャリム
「火炎烈風波!」
、
すると…地面を伝って、鎧剣士に向かった、剣の炎は、鎧剣士の足元から、ボッと…
鎧剣士の周りを包み込むように燃え上がり
…
その鎧剣士のまわりから、燃え上がった炎が、あまりにも高温であるために
…
鎧剣士の鎧の色が、メタルグリーンから…オレンジ色の鉄の光へと変わって…
、
横から、それを見たシャルムが…
「今だ!シャリム!!」
…と、シャリムの方を見ると…
「あれ?」
…そこには、シャリムの姿は無く…
、
それを離れた場所から見ていた、シュナウゼンの
「違う!あそこだ!」
…と、右の人差し指の指先が差し示すように…
、
一瞬の間に、鎧剣士の頭上に跳び上がったシャリムが、両手で振り上げた剣の刃を、
鎧剣士の兜から…股の下の方に…ブオン!と、一気に振り下ろした事で…
、
鎧剣士の頭から、股の下にかけて、一直線の光の軌跡を残して
…
地面に着地したシャリムが、そのあと…クルンと、鎧剣士に背中を向けてから
…
その間に、両手から右手に持ち変えた剣を、ブン!と一回、振ると…
。
鎧剣士の鎧の、正中線に描かれた剣の光から、ピシピシッ…と亀裂が走り
…
その亀裂から…
…おそらく…オレンジ色の鎧の内側から、出ているであろう…白い光が漏れる…
そして…白い光の亀裂が、やがて…炎に包まれた、鎧剣士の鎧全体に広がった時…
その鎧は、目もくらむような…まばゆい光と共に…バキィーン!と、
たくさんの鎧の欠片となって、飛び散った。
、
そして…まるで、爆発したように…鎧が飛び散った、その場所から…少し離れた場所にいた…シャリムのところに
…
シャルム
「やったのか?」
、
銀の髪の少年が近づいて…そう話すと、シャリムが
…
「いえ…これからが本番です。」
…と、話す通り…
鎧剣士の右手に持った刀と一緒に、鎧が飛び散った時の光のせいで…魔法の炎が消えた、その場所に…
黄緑色の骸骨が立っていた…
。
それを見たシャルムが
、
「あ…あれは!まさか…ライトボーン!?」
…そう叫ぶ中…
ライトボーンと呼ばれた、全身が黄緑色の骸骨は
、
破片となった鎧と、一緒に飛び散った刀のところまで行ってから…
、
刃の一部が、地面に突き刺さった…その刀を、左手で引き抜き…
そのあと、シャリムがいる方へ身体を向ける…
。
その先でシャリムは、骸骨姿の剣士に、こう告げるのだった…
。
「じゃあ、始めましょうか…第2ステージを…」
、
《つづく…》
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――《真空電撃刃》――
、
身体全体に広がっている静電気を、剣の刃に集中させて…
剣に集めた電気を、
かまいたちとなった真空の刃と一緒に放つ技の事…
、
主に、東洋の剣士が使う技らしいが…なぜ?シャリムが、これを使えるのかは…今のところ謎である…。