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第17話《ランチタイム》

洞窟の中を進んで行くと…周囲20メートルは、あろうか…

円形に広がる場所があった…

シャリムは、そこの奥にあるナインズゲートと呼ばれる場所の前で広い布を広げたあと…

シャルムと一緒にサンダルを脱いでから…その近くの方に光の球とリュックを置いたポチと一緒に広い布の上に座って休息を楽しんでいた。

・・・・・・

それから…あぐらをかいているポチとシャルムの前で、シャリムはリュックの中から取り出した…長方形の小さなバスケットのフタをパカッと開けて…

そこに入っていた…ころもみたいなものがついてるパンを両手に持つと…

正座したまま…スッ…と、緑の目を閉じて

シャリム

「むっ…」

意識を集中させる。

・・・・・・

すると…シャリムの両手に持ったパンが、ボッと…小さな炎で燃え上がり…

その両手の上で燃える2つの炎は…3秒というわずかな時間で消えていった。

それを見て思わず

「おお…」

…と声をあげたポチは

向かいで正座してるシャリムの2つあるパンのうち

シャリム

「はい。ポチさん。」

左手に持った方のパンを右手に手渡されて…

それを犬のような口で、パクッ…ガツガツ…と、まるで飲み込むように一気に食べたあと…

隣であぐらをかいてるシャルムに

ポチ

「シャルムもあんな器用に魔法が使えるのか?」

一応聞いてみると…シャルムは、まさか…と一度首を横に振り

「あんな微妙びみょうな火の調節…できる訳ないよ…」

自分がやったら黒焦くろこげになる…と、ポチに話し…

そのあとシャリムから手渡された…もう一つのパンを…

「僕はいいから…ポチが食べなよ。」

…と、ポチの左手に手渡した時…

左手の手の平の上から発生する小さな炎で、3つ目のパンを焼いていたシャリムが…それで何かに気づいたように

シャリム

「ごめんなさい…」

シャルムに謝る

その一方でポチもその時…朝食のカレーを食べていた時の事を思い出して

「でも朝食の時もずいぶん残してたじゃないか…

どこか調子悪いのか?」

そう言ってシャルムから

「ちょっと…お腹の調子がね…。」

そんな答えが返ってきた時…

(なんだ?)

ポチの視界が急にボヤけてきたので…

ポチはそこで、シャリムに身体を強化する魔法をかけてもらった時の事を思い出して

(そうだ…そういえばあの時から目が良く見えるようになったんだったな…)

だからゴーレムの攻撃に対応できたり…宝箱をいち早く発見できたりした訳だ…と、頭の中で納得すると

そんなポチの様子を変に感じたのか…

隣であぐらをかいていたシャルムが

「どうしたの?ポチ

さっきから、ぼーっとしてるようだけど…」

何か考え事?と…ポチに聞いてきたので…それに対してポチが

「わん。

どうやらシャリムにかけてもらった身体を強化する魔法が今切れたらしい…」

そう言って、さっき気づいた事を話すと…

それを聞いたシャルムの青い両目が一瞬大きくなり

「えっ?だって

ゴーレムの部屋を出た時…身体にかかっていた2つの魔法の効果が切れたって…言ってなかったっけ?」

前にポチが言ってた事を持ちだしてくるが…それを聞いたポチが

「わん。

あの時は、確かにそんな気がしたけど…どうやら俺の勘違かんちがいだったようだ…」

あの時は、1つしか魔法が切れてなかった…と、顔をシャルムの方に向けたままそう言って…

それに対して

「変なポチ」

クスッ…と笑うシャルムの隣でポチは、あぐらをかきながら…左手に持ったカレーパンも一口で食べるのだった…。

だがこの時…シャルムもポチも気づいてなかった…

両手で持ったパンを、ハムッと食べながら…二人を見つめるシャリムの緑色の瞳が悲しげにくもっていた事を

・・・・・・

―――――――――――

―――《食後…》

それから少し時間が経ち…広げていた布を畳んでから…

小さなバスケットと一緒にリュックの中にしまったポチが、そのリュックを背負って…

シャリムと…光の球を右手に持ったシャルムと一緒に先に進んで…ナインズゲートの前に立つと…

そこでシャリムから

「ポチさん。

わたしを血の円の中まではこんだ時のように…お腹のところに腕をまわして持ってもらえませんか?」

そう言われたので…ポチが、

「分かった。」

…と、シャリムのお腹のところに両手をまわして持ちあげると…シャリムが

「このままナインズゲートの中に飛び込んでください」

そんな事をポチに頼んできたので…

それを最初に聞いた時ポチは、

「?」

話の内容が飲み込めず、不思議に思っていたが…

シャリムの事だから何か考えがあるのだろう…と思い…

「分かった…」

そう返事をしてから…

隣にいる…右手から両手に光の球を持ち変えた、銀髪の小さな少年にも

「シャルムもいいか?」

確認を求め…

シャルムから

「いつでもいいよ。」

…と、返事を返されると…ポチが今、両手で抱えているシャリムから

「飛びこんだ時は、しっかりわたしをつかまえててくださいね…」

そう言われる中で

ポチ&シャルム

「3…2…1…ゼロ!」

リュックを背中に背負ったまま…ポチはシャルムと一緒にナインズゲートの中へ飛びこむのだった

・・・・・・

はたして同時に大穴の中へ飛びこんだポチとシャルムは、このあと無事に着地できるのだろうか

・・・・・・

《18話へ続く…》



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