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第16話《ナインズゲート》

《15話のつづき…》

ポチ

「こ…ここは…」

ポチと子供達は、洞窟の中を歩いていくうちに…

20メートルはあろう…円の形に広がる場所に出ていた…。

そして思わずそこで立ち止まったポチの隣で…

シャルムと一緒に並び立ったシャリムが

「あそこを見て下さい!!ポチさん!」

突き出した左手の人差し指の先には…10メートルはある四角い穴が広がっていた

・・・・・・

シャルム

「見たところ…僕達が通ってきた場所以外通路がないようだ…。

そうなると…」

ポチ

「隠し通路をさがすしかないな…」

シャルム

「いい加減!その話題から離れようよ!」

そんな話のやりとりをしながらシャルムが、

右手に光の球を持ったポチを見上げていると…そのシャルムの隣にいたシャリムが

「この大穴のある場所は…確か…ヘレルとナインクールが戦ったと言われてる場所ですね…」

そう話すのでポチが

「へえー…どんな話なんだ?」

…と、シャリムの方を見て聞くと

シャリム

「最初この洞窟には、あそこにある大穴はなかったそうです…。

だけど、この場所でヘレルとナインクールが戦って…ヘレルが7日間の戦いの果てにナインクールを倒した時…

友を裏切ったヘレルに対するナインクールの怨念おんねんの言葉が、この大穴を作ったと言われています…」

そしてシャリムは…シャルムの隣にいるポチを見上げて

「ナインズゲート…

あの大穴は、そう呼ばれているそうです…」

そう言うと…あの大穴のある場所に緑色の視線を戻す。

そのあと…シャルムが

「確か…ナインズゲートの奥に異なる扉が、あるんだよね。」

…と隣にいるシャリムに聞いて

シャリム

「はい。」

シャルム

「じゃあ僕達の目指す場所は、あの大穴に飛びこまないといけない訳か…」

面倒だなあ…とあごに右手をそえて考えていると…

そのシャルムの横でポチが、

「行くしかないだろう」

…と右手に持った光の球で前を照らしながら…歩き出して

シャリム

「ポチさん?」

シャルム

「ちょっ…待ってよ!ポチ!」

シャリムとシャルムがあとを追いかけると…

ポチは、すぐに立ち止まって

「その前に休憩きゅうけいしようぜ。」

…と、急に振り向いてから二人に言うので…

それでいきおいを殺された子供達は、まるでリアクションをする芸人がコケるように

シャリム&シャルム

「だあぁー!」

足をすべらせて、転んでしまい

……

シャリムの方は…背中が地面に着く直前に右膝みぎひざを曲げて

「くっ…」

右手の手の平と曲げた右足の裏をビタン!と、とっさに地面に叩く事で受け身をとったが

シャルムは、地面に背中を打ってしまい…

「かはっ…」

10ポイントをはるかに超えるダメージを受けてしまったのだった…。

…そのあと…すぐに起き上がったシャリムの横で

シャルム

「バ…バカな…リアクションを取るのがこんなに難しいなんて…」

背中に土をつけたシャルムが、ググッ…と上半身だけ身体を起こすと…

そこにポチがやって来て

「フッ…どうやらお前も…やられ役の苦労が分かったようだな…」


俺もただかませ犬をやっている訳じゃないんだ…とシャルムを見下ろす

すると…その時ポチが右手に持っていた光の球の光に当てられたシャルムが

「うわ…まぶし」

上半身を起こしたまま顔をそむけているあいだに…シャリムがポチのところにやって来て

「ポチさん…あの…リュックを下ろしてもらえませんか?」

ポチの茶色い服のすそを…くいくい…とひっぱりながら言うので…

シャリムがすそから手を離したあとにポチが、

「わかった。」

…と光の球を一回地面に置いてから…リュックをおろすと…

シャリムは、ポチが地面に置いたリュックの中から…たたんである大きな布を取り出して…

その畳んである大きな布を…両手を使って広げてみせる…

それを見たポチが、

「そんなものまでリュックに入れていたのか?」

…と驚いた顔をしていると…

シャリムは、その大きな布の上でみんな座れるように…3メートル四方まで地面の上に広げてから

「この先…何があるか分からないんです。

だから寝る場所も必要だと思って…」

なんと!この大きな布は、ポチと子供達が…どこでも寝れるように用意したものだと話し

シャリム

「身体の上にかぶせる布団は、ありませんが…

こういう布なら座る場所を作る事にも応用できると思ったんです」

そう言って、サンダルを脱いでから大きな布の上に上がって

そのあと近くに置いていたリュックの中から…両手を使って、長方形の小さなバスケットを取り出すシャリムの姿に…

ポチは、ただ感心するしかなかった…

《17話へ続く…》



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