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第15話《ポーションの悲劇〜後編》

《前編の続き…》

シャリム

「物語のように…冒険者を生き残らせながら成長させていくには、その冒険者に合わせた敵のレベルと…

冒険の途中で冒険者達が休息できるような暇を与える事を…敵の方に徹底てっていさせる必要があります。」

なお敵のレベルは、強すぎても駄目だし…弱すぎても駄目らしく…

絶妙ぜつみょうなバランス感覚が、それを命令する敵のボスに求められるという

サンダルで歩きながら…それを話すシャリムの横顔を見ていたシャルムは

「バカな…それじゃ倒されなきゃいけない敵の負担が大きすぎる…

それにそんないたれりつくせりな展開は、誰も望んでないはずだよ!」

押しつけがすぎる!と…悲しそうな顔で話すと…

シャリムは、シャルムの方に顔を向けて

「じゃあ、なんですか!

魔物さんといった配下の敵を自由にさせて、冒険者さん達を殺しても良いとでも言うのですか!」

そう言って、顔を戻すと

シャリム

「そんな事したら…そのダンジョンのボスは、冒険者に倒されたあとも…他のダンジョンのボスに

これだからゆとりは…と言われ続ける事になるんですよ…」

残酷ざんこくな敵役の運命を…足元を見ながら話すので…

そんなシャリムの話で…前を光の魂で照らしながら歩くポチと…

ポチの後ろにいる子供達のあいだに少しの時間…沈黙がおとずれる…

そして、そんな沈黙を打ち破るかのように…前を歩いていたポチが

「だけどさ…

仮にシャリムの話を認めるにしても…そういうふうにもっていくためには何が必要なんだ?」

そもそもこれがポーションから始まった話だと言うのを忘れたのか?みんな…と、うしろを振り向かずに話すと

シャルム

「お金と洗脳だろうね…

下の敵には、上層部が冒険者は敵だと言う事を徹底させて教育して、

ダンジョンのボスなどの…上層部の敵役には、冒険者に倒されたあとに雇主やといぬしが…家族にお金を渡す事を約束するための保険金のようなものをかける…

そんなところかなぁ…」

ポチのうしろを歩く黒いローブを着た少年が…怖い事をサラッと、話し

それを聞いたポチが…その少年シャルムの前で辺りを照らしながら

「それじゃ下の敵役が可哀想かわいそすぎるだろ。」

…と本当に嫌そうな声で話すと…

シャルムの隣をサンダルで歩いていたシャリムが

「ただ…そういった事を行う敵役のボスの方には、

物語の主人公である冒険者達を成長させるようにするための冷静な視点と

そうするために絶妙な場所に敵を配置できる戦術的な視点…

そして最後は、自分は負けてもいいと覚悟できる自己犠牲の精神が必要になってきます。

あっ…それと迫力はくりょくのあるセリフが言える演技力も必要ですね」

それだけの条件をそろえた高潔こうけつな敵役がないと…とてもじゃないが無理だ…と話し…

隣を歩くシャルムがそれに対して

「そんなボス…人間の方にも欲しいよ。」

そう…自分より10センチくらい小さいシャリムに話すと…

シャリム

「人間であろうと…モンスターであろうと…

リーダーに求められのは、みんな一緒だと言う事ですよ…。

それだけ人格的な敵役なら…軍資金や宝箱を与える雇主の人間にも信用されているでしょうし…」

雇主を人間と想定そうていして話すシャリムの話に…

その隣を歩くシャルムは、顔をシャリムの方から正面の方に戻して

シャルム

「けっきょく何者であろうと…

信用が第一という訳なんだね…。

けどそうなると…雇主にも敵役を見る目が要求されるなあ…」

そう話すと…そこに子供達の前を歩くポチが

「だけど…いくらその敵役が覚悟を決めたとしても…配下の敵役が言う事を聞くとは限らないだろう?」

そこは、どうするんだ?と…子供達の会話に口をはさんで来たので

シャルム

「手段を選らばなければ…方法ならいくらでもあるよ。

例えば集団催眠を定期的にかけて言う事を聞かせるとかね…」

シャリムの隣を歩くシャルムが、サラッと怖い事を話して聞かせて…それに対してポチから

「それじゃペテン師とやり方が変わらないじゃないか!?」

シャルムの予想通りの答えが返ってきたので

シャルム

「だけどそうしないと…他の敵役のボスから臆病おくびょう者扱あつかいをされてしまうんだ。

つらい立場なんだよ。敵役の上役も…」

もちろんそれは想像にすぎないが…きっとそうなるとシャルムが話すと

ポチ

「うわあ…胃が痛くなるな。それは…

少なくとも俺は無理だ」

そう話すポチにシャルムは、

「まあ確かにポチは…敵役のボスと言うよりは、かませ犬かな?」

そっちの方が合ってるよとポチに答え…それを聞いたポチが、ピタッと足を止めてから…うしろを振り向いて

「誰がうまい事を言えと!」

シャルムに向かって叫ぶと…

ポチが止まったせいで…シャルムと一緒に足を止めたシャリムに

「ポチさん。ポチさん。

そこは怒るトコですよ」

そう言われたポチは

「そうか…確かにそれじゃ負け犬みたいだもんな」

…と言ったあと

光の球を持った右手を左手と一緒に背伸びをするように上に伸ばしながら

「誰が負け犬だー!」

雄叫びをあげていたので…それに納得できないシャルムが

「言ったの!自分じゃないか!?」

まるで逆ギレだ!とポチを見上げると

シャリム

「…ところでこの話は、最初…

宝箱をなんとかしようと言う話だったのでは…」

いつの間に話がこんなに遠くまで飛んでしまったのだろう…と言うシャリムの話を聞いて

ポチ

「・・・。」

両手を下ろしたポチが無言で、光の球で前を照らしながら先に進むと

シャルム

「・・・。」

ポチと一緒に沈黙したシャルムも、シャリムと一緒にポチのあとをついて行くのだった

・・・・・・

―――――――――――――――

そのあと…ポチと子供達は、そのまま進んでいるうちに…やがて広い場所に出ていた事に気づく

はたしてポチ達がたどり着いた場所とは

・・・・・・

《16話へ続く…》



―――――――――――

―――――――――――

子供達の会話は、

フィクションであり…

現実に執筆されている

ファンタジーや物語とは、何の関係もありません。



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