第3戦《18秒の世界》
ポチが顔を横に向けると
…
空中で逆さまになる事で…オーバーヘッドキックの体勢に入ったゴーレムの右足が、ポチの頭をとらえようとしていた…。
だがその時
…
シャルム
「させるかああぁ!」
。
ドロップキックで迎撃したシャルムの両足が、
オーバーヘッドキックの体勢に入ったゴーレムの左の脇腹に、ドカァ!と、激突して…
そのせいで…ゴーレムは、空中で逆さまになった体勢が崩れて、右側の方に落下していったので
…
ポチは、ゴーレムがシャルムに迎撃された事に気づいて
…
(今だ!)
…と、その場を離れた時
…
ドロップキックをしたあとに、すぐ体勢を立て直したシャルムは、
「ジャンプ!」
…と、跳躍力を増す魔法で、ハイジャンプをすると
…
同じ時間に、シャリムの方から…
10センチくらいだろうか…青と緑の2つの光が、円を描きながら…ハイジャンプしたシャルムの方に向かって、飛んでいき
…
「シャルム!
わたしの残りの魔力を、あなたに託します!」
、
血の円から、立ち上がったシャリムが見守る中…
ハイジャンプで3メートル上空まで達したシャルムは、円を描きながら飛んで来た2つの光のうち…左手には青き光を…
右手には緑の光を…それぞれ受け取ると…
受けとったその2つの光がシャルムの両手に…染み込むように宿っていって…
それからシャルムは一瞬の時間で、上、下、左、右、斜めと、いろんな方向に目をやり…自分の状況を確認すると
…
(地上から3メートル…僕の魔力で、この地点で空中停止できる時間は…およそ18秒…)
。
シャルムはここで、両手に宿った魔力を利用して
…
「この18秒で、すべてを決める!」
…と、倒れていた状態から起き上がりかけている…ゴーレムに向かって
…
突き出した左手の手の平の前から…大きな氷の塊を打ち出し
、
シャルム
「食らえ!」
、
さらに突き出した右の手の平から…その氷の塊に向かって、螺旋状の風を放つ
。
シャルム
「合体魔法!」
…
そして、右手の前から放たれた竜巻のような螺旋の風は…
その風の中に巻き込まれた氷の塊を、粉々《こなごな》に砕き
…
シャルム
「アイスットオンム!」
、
それで出来た…たくさんの氷の欠片は、研ぎ澄まされた多数の氷の刃となって、螺旋の風と共にゴーレムに襲いかかる…
そして、シャルムの両手から放たれた凍てつく竜巻は…ゴーレムを部屋のはじの方へ吹き飛ばしながらも…
吹き飛ばされたゴーレムの手、肩、腕、胸部などの…あらゆる場所を凍らせていき…
そのゴーレムが胸部や腹部などの上半身を中心に凍ってゆく光景を…空中に浮かびながら見ていたシャルムから
、
「シャリム!今のうちに、ゴーレムを倒したという偽の情報を魔法陣に打ち込むんだ!」
…と、大きな声で呼びかけられたシャリムが
左手に光の球を持ったままで
「はい!」
そう返事をしながら…
上へ向けた右手の手の平の上に…ポワッと、
その球体の中に…いくつもの青白い光の文字や記号が刻まれている…20センチくらいの白色の光の球を出現させて
…
その白い光の球体を、右の手の平のところに固定させたまま…
クノイチのようなものすごい速さで…かつてゴーレムの足元にあった魔法陣のところまで駆けていくと
…
その魔法陣の上で左足の片膝をついて…
右手の手の平の先にある…情報の詰まった光の球を、床に描かれた魔法陣に向かって…バン!と、叩きつけるように打ち込み
。
そして…空中から落下して、今にも地上に足がとどきそうなシャルムと共に…
、
シャリム&シャルム
「扉よ!ひらけえ!!」
…と、大きな声で叫ぶ!
、
すると…今、シャリムの足元にある…五芒星の魔法陣が赤く輝き出した事で…
石の壁に、扉の形で青く染まっていたところが薄暗い空間へと変わっていき…
床に着地して、それを見ていたシャルムは
、
「今だ!出口に向かって
走れぇ!!」
、
シャルムとシャリムがゴーレムと戦っているあいだに…取りに行っていたリュックを背負ったポチと
…
魔法陣から立ち上がったシャリムに向かって叫び
…
ポチ&シャリム
「おおー!!」
、
呼びかけたシャルムは、石の壁の中に出来た薄暗い空間に向かって走り…
シャルムに続いて走った…ポチとシャリムも、シャルムのあとに続いて…この部屋を出るのだった
・・・・・・
。
―――――――――――――――
そして・・・
壁のはじの方に吹き飛ばされたゴーレムが…上半身を、氷で覆われながらも再び起き上がって
…
出口である薄暗い空間も…元の石の壁に戻った時…
部屋の中には、もうポチと子供達の姿はなかった
・・・・・・
。
―――――――――――
―――《後書き》―――
▼
次回は、
星宮という貴族のような
人達の会話から
始まるので
何だと思うかも
しれませんが
・・・
それは、物語の中継点の
ようなもので…
それが終われば
ポチ達の冒険の続きに
変わりますので
どうかこれからも
よろしくお願いします。




