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第3戦《紅円の意味》

ゴーレムパンチ《右》によって、

残り1本となった柱に囲まれていた場所の外まで吹き飛ばされたポチは、仰向けに倒れたまま…

ゴーレムの右の拳を受けた、胸のところを右手で触れて

(ゴーレムのやつ…

鎧が壊れた場所をわざわざ狙いやがって)

「殺す気かああぁ!」

叫び声をあげていると、そこに例のごとく…シャリムが、

「ポチさん!!」

光の球を床に置いてから、駆けつけて来たので

そのせいで…柱に囲まれていた場所の中で、くり出されるゴーレムの左アッパーを…

ブリッジでもするかのように…うしろの方にぐっと、反ってかわしたシャルムは、

反り返った状態から身体を戻すと

「また暗くなったよー」

そう言って、困りながらも…

次の瞬間に振り下ろされるゴーレムの右の拳を、残像でも残るような素早いサイドステップでかわしていた…。

そうやって…シャルムが、かつて柱に囲まれていた空間の中で、

ゴーレムからり出される攻撃を…つぎつぎかわしていく中

……

その外側の方に弾き飛ばされていたポチが、

シャリムに助けられながら…身体を起こし、立ち上がると

シャリム

「大丈夫ですか?ポチさん…」

そう言って、自分を助け起こしてくれた、目の前の小さな少女に…ポチは、

「わん。

思っていたより…パンチが直撃した時の痛みが少なかったからな…」

そう話すと…それに対してシャリムが、

「そうですか…良かった…。」

そう答えた時の声色が、なんとなくだが…調子が悪いように感じたので

「大丈夫か?」

…と、ポチが声をかけようとした時…

シャリム

「くっ…」

ガクッ…と、シャリムが、右足の片膝かたひざをついたので…ポチは、

背後にまわって、そこから…片膝をついた小さな少女のお腹のところに両手をまわして持ち上げると…

シャリム

「きゃあ。大丈夫です。

大丈夫ですから…離してください。ポチさん。」

そう言って、恥ずかしそうに両手で顔を隠している…金の髪の少女に、ポチは

「いいから!今は休め!

で?どこに行けばいいんだ?」

そう持ち上げながら聞くと…

シャリムは、顔を両手で隠したまま…

「じゃ…じゃあ

前に書いた血の円のところに行って下さい。」

…と答えたので、それを聞いてポチは

「わん。」

そう返事をしながら…少女を持ち上げた事で、

少女の身体のマシュマロのような…やわらかい感触を感じて…

(うわあ…

この子の髪って…ホント、羽毛みたいにフワフワしてるよな…

バニラみたいなニオイもするし…いったい何を食ったら、こんなふうに育つんだ?)

そんな事を考えつつも…血の円にところに向かって歩きだしていると…

そんなポチの考えを読み取ったのか…

シャリムが顔から両手を離して

「…ポチさんの体毛もフワフワですよ…」

…そう話すので、

それからポチは、血の円のところに行くまでのあいだに…シャリムと

ポチ

「ところで、あの血の円って…どんな意味があるんだ?」

シャリム

「ポチさんは、マーキングって、ご存知ですか?」

ポチ

「そりゃわかるさ…

これでも一応コボルトだからな…

犬や猫がおしっことかの、ニオイをつけて…ここは自分のナワバリだと主張するんだろ。」

そんな話のやりとりをしたあと…シャリムを血の円の中に入れると…

入れた途端とたんに、その血の円から白い光が…天井の方に向かって上昇していき…

上昇する白い光の中でシャリムは…曲げた膝に両手をまわす、体育座りをしながら…立っているポチを見上げて

シャリム

「それと同じように魔法使いも…血などの自分の身体の一部分を使って…

円や魔法陣などを書く事によって、自分のフィールドを作るんです」

だからあれは、マーキングみたいなものだ…と説明し…

それで納得したポチは、そこから50センチくらいの大きさの血の円から…

この部屋の天井に向かって、柱のように上昇する光の中で体育座りをしながら…身体に受けたダメージを回復している…シャリムを見下ろして

(考えてみれば…この子もシャルムも…俺の半分くらいしか身長がないんだよな…)

そう考えたあとでポチは

「俺も、もう少し、がんばってみるか!」

…そこから歩いて…床に置いたままだった光の玉を、休んでいるシャリムに届けると…

そのあとシャルムとゴーレムが待つ…柱に囲まれていた場所に向かうのだった

・・・・・・

《つづく…》



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