第3戦《空気の読めないラブコメディー》
ゴーレムのタックルでポチが…
「キャイーン!」
…と、吹き飛ばされた時、シャリムが
「ポチさん!」
…
左手に持った光の球をその場に置いて、仰向けに倒れているポチの元に駆け寄ったせいで
…
残り3本となった白い円柱に囲まれた空間の中にいたシャルムは、
(ちょっと暗いかな…)
。
その上…薄暗い中で、ピキーンと輝くゴーレムの視線を自分の方に向けられて
…
シャルム
「やばっ。大ピーンチ」
。
その可愛い顔をひきつらせていた
・・・・・・
。
―――――――――――――――
…
その頃、仰向けに倒れていたポチは、鎧の一部が破壊された…胸のところに右の手の平をつけながら
…
「キャイン!キャイン!!いてえよおおおぉー!!
死んじゃうよおおぉー!!アホンダラァーッ!!」
。
わめき散らし、両足をバタバタさせていると
…
「ポチさん…」
。
その近くまで、涙目のシャリムがやって来た事に気づき…
ピタッ…と、わめくのを止めて身体を起こすと
…
「リアクションだ。リアクション。だから気にするな…」
。
わざと騒いでいた事を説明して
、
シャリム
「そうですか…良かった…」
。
左手の人差し指で涙を拭う、金の髪の少女を慰めようとするが…
その時、コトンと、シャリムの足元に…小さな結晶みたいな物が落ちる音が聞こえたので
、
「何だ?」
…と、ポチが不思議そうにつぶやくと…シャリムは
、
「ああ…これですか?」
…と、足元を見ながら
…
「わたしの涙って…地面に落ちるあいだに、空気に触れる事で、たまに結晶に変化するんです。
たぶん、体内に魔力をためている事が関係してるんでしょうけど…」
、
そう言うので…それを聞いたポチは、立ち上がりながら
…
「何の結晶に変化するんだ?」
…と、その話に食いつくと…シャリムは
、
「ダイヤモンドになるようです。
そうは言っても、小さな物なんですけどね」
。
両目を閉じて、困ったような顔をしながら…ちょっとだけ舌を出すので
…
そんなシャリムの前で、ポチは
、
(じゃ…じゃあ…この子を定期的に泣かせれば…か…金持ちに…)
。
そんな事を考えるが…それじゃただの変態である事に気づき
…
「ポチさん?どうしました?さっき…すごく興奮したように、鼻息をあらくしていましたけど…」
。
閉じた目を開けて…何かあったのか…と、自分を心配しているシャリムに
…
ポチ
「い…いや…いつも心配してくれてありがとな…」
。
とっさに思いついたセリフを言うと…
シャリムが、そんなポチを見上げて
、
「そ…そんな…いいんですよ。
わたしは、やりたい事をやってるだけですし…」
。
嬉しそうに目を細めるので…ポチは、そこから…
自分の言葉が目の前の白いローブを着た少女の機嫌を良くしている事に気づき
…
(ひょっとして、俺が褒めると…
この子のテンションを上げる事が出来るのか?)
!
なんという応援効果だ…と自分を褒めていたら…
そこで、シャリムが少し疲れた顔をしている事にも気づいて…そこからポチは
、
(そういえば…ゴーレムにタックルをされて飛ばされたあと…
すぐに身体の痛みが消えたような気がする…)
。
それに身体を強化する魔法をかけてもらった時…
2回魔法をかけてもらったような感覚が、あった事を思い出し
…
「まさか!?あの時に身体が自然に回復できる魔法も俺にかけていたのか?」
…と、シャリムに聞くと…シャリムは、
「はい。
実はあの時、身体の強化する魔法だけではなく…
自然回復を強化する魔法もかけていたんです」
。
そう言ったあとに…ニコッと、微笑むので…
ポチは、自分を見上げながら微笑むシャリムのその姿を見て…
「ありがとな…」
、
先程とは違い…本心から感謝の気持ちを伝えるのだった…
。
しかし…ポチは、気づいていない…
あの時…シャリムのかけた魔法は、2つではなく…3つだったという事を
…
今もシャリムが疲れた顔をしてるのは…実は、シャリムのかけた、もう一つの魔法…
ダブルペイン《痛み分けの魔法》で、ダメージを半分に分けていたためだという事を
…
自分には、身体を強化する魔法をかけていない…
それでも、シャリムは
、
「がんばりましょうね…。ポチさん…」
。
子猫のような大きな目を細めて微笑むのだった
。
そんな金の髪の小さな少女に…ポチが答えようとした時
…
―――――――――――――――
。
シャルム
「戦闘中に、いつまでいちゃついているんだよ!」
。
今までゴーレムの攻撃から逃げまわっていた、シャルムの声が聞こえてきたので、シャリムは
…
「はっ!そうでした!」
。
口元を左手で押さえながら…
シャルムから…サーチを、サーチを、と…テレパシーみたいなものを送られていた事を…今になって思いだし…
その側にいたポチが
、
「そうだ!俺も、おとりに専念しないと!」
…と、再び柱に囲まれた空間に行っているうちに…
シャリムは、床に置いていた光の球を取りに行って
…
再び左手に持った光の球で、シャルムの方を照らしながら…
「サーチ。」
どこを攻撃すれば良いか…シャルムに指示した事で
、
どの柱の、どの部分を攻撃するか…分かったシャルムは、
4つの円柱の…左前に位置する柱に…狙いを定めて
、
「ロックオン」
。
自分から2メートル以内の位置にある…その白い円柱に向けて…右手を突き出し…
広げた右の手の平の前で、シュワシュワ…と、大きくなる魔法の光から
…
「ルァイトボオゥッ!」
、
20センチくらいの、光弾を放ち…
その光弾によって、柱の一部が破壊されて…ゴォン!と、2本目の柱が折れた事で…
ゴーレムもどきの力が、また弱まるのだった
・・・・・・
。
《つづく…》




