第11話《さらなる地下へ…》
《10話の続き…》
。
ポチ
(そうか…あの球は、
水晶球に、光を入れた時のような感じで…
ガラス球の中に、爆発系の魔法を封じたものだったんだ…)
。
ガラス球を石の壁にぶつけた時の爆発で…石の壁に大きな穴が出来て
、
シャルム
「急ごう。
この爆発で、敵がこの部屋に駆けつけるかもしれない…」
。
シャリム
「はい。」
、
ポチ
「分かった。
怖いが…光の球を持ってるから、俺が先頭を行くな…。」
、
リュックを背負ったポチを先頭に…
石の壁に出来た穴の奥に行って、そこにある下への階段を下りていくと
・・・・・・
。
――――――《秘密の通路》――
…
シャルム
「…やっぱり…奥は、洞窟みたいになってるようだね…」
。
ポチのうしろを歩くシャルムの言うように…
階段を下ると、そこには…幅広い洞窟のような空間が、どこまでも続いていた…
。
その空間の中を…右手に光の球を持って、先頭を歩くポチは…暗闇を照らしながら
…
「さっきの爆発で、
あの3人組が目覚めたりしないかな…」
。
…前の戦闘で…スリープの魔法で、眠らされた男達が起きる事を心配すると…
…
うしろから…シャルムが
、
「スリープの効果は、半日くらい続くから…
ほかの誰かに起こされなければ、そのままだと思うけど」
…
でもさっきの爆発で…気づいた敵がいるかもしれないので、
追って来るかもしれない…とポチに話す
。
それを聞いてポチは、
「半日?」
歩く足を速めながら…
シャルム達と過ごした部屋の前に倒れていた…二人の衛兵の事を思い出して
…
「でも…お前達の部屋の前で寝ていた衛兵達は、確か…1日中…寝てなかったか?」
、
余計な事だと思いながらも…
緊張した、みんなの気持ちを和らげるために聞いてみると
…
シャルムは、ポチのうしろを歩きながら
…
「水晶球を作ってる時に…1回中断して部屋の外に出た時があったでしょ?」
、
そう言うと…ポチもその時の事を思い出して
…
ポチ
「ああ。確かあの時…衛兵の兜を取ってきてもらったんだよな…」
。
シャルム
「実は…その時に1回スリープをかけ直したんだ」
、
ポチ
「なるほどな…そして光の球を完成させたお前は…
そのあと…あの爆発した球も完成させたという訳か…。」
…
寝不足だったのは、そのせいでもあったんだな…と、歩きながら話すポチに
シャルムは…
「まあ…あれは危険なものだから…
魔法を入れるのは、なるべくあとにって…思ったんだ。」
…
ポチ
「それは、わかるけどよ。でももし…あの三人組と戦ってた時に俺がファイヤーストームをくらっていたら…」
。
シャルム
「たぶん、その衝撃で…
リュックの中のガラス球が爆発して、僕達は全滅しただろうね…」
。
それを聞いてポチが
…
「うわあ…今まで、そんな危ないものを背負っていたのか…俺は…」
、
光の球で、あたりを照らしながら…ショックを受けているところで
…
この洞窟みたいなところのまわりが…
思ったより幅広いために…ポチの隣に来たシャリムが、
「前に…
部屋の入り口みたいなものが見えます。」
…とポチに言うので
…
コボルトであるポチは、
自分の視界がシャリム達と比べると、ぼんやりしている事から…
「わん。」
…と、一言だけ返事をして、そこから少し足を進めると
…
シャリムの言う通り…石室の扉らしきものが見え始める…
。
それは、引いて部屋の中に入る、今までの扉とは違い…
押して開けるタイプの扉のようだ…
。
その扉を目の前にして…ポチが、
「うう…」
…犬の唸るような声で…ためらっていると
…
ポチの隣を歩いていたシャリムも足を止めて
…
「この部屋…危険ですね。」
そう言って、真剣な表情を浮かべる。
…
だが…それでもシャルムは、扉の前まで進み…
。
シャルム
「だからどうした。
僕達には、前に進むしか道は無いんだ。
行こう…。ポチ。シャリム。」
…
そう言って扉に、両の手の平をつけると…
、
シャルム
(どうやら扉に鍵は、かかってないようだ…)
。
だから…自分の身長の2倍以上もありそうなその扉を…シャルムは、
「むうぅ!」
!
ギイィーと、両手で押して開き…中に入ると
・・・・・・
…暗闇に包まれた部屋の中に…シャルム達を見つめる二つの光があった…
。
そして…先に入ったシャルムに続いて、シャリムが
…
「わたし達も行きましょう。ポチさん…」
。
そう言って、開いた扉を通ると…呼びかけられたポチも
「うぉふ。」
、
シャリムに続いて、石室の中に入るのだった…
。
二つの光の主が誰なのか?確かめるために
・・・・・・
。
《第12話へ続く…》




