第10話《水晶球とガラス球》
シャリムのスリープの魔法によって、黒いローブを着た3人の男達は倒れ
…
先を行くシャルムのあとに続いて…倒れた男達を横切ろうとするポチが、隣を歩くシャリムに
…
「それにしても…
スリープの魔法で出来た雲みたいなものは、しばらく残ったりしないのか?」
、
眠りの雲を発生したばかりなのに…こうやって、すぐにその場所の近くを歩ける事を…不思議に思ったので…
その事を聞いてみると…シャリムは、
「はい。
こういう魔法は、一定時間、術が発動すれば…すぐに消える仕組みになっているんです。」
…
だから今は魔法の効果は、残っていないのだと…ポチを納得させると…
ポチと一緒に、さらに先へ進むのだった…
。
―――――――――――――――
・・・・・・
そして、それから少し足を進めて…
もう少しで目的の部屋だというところで…シャリムの前に出たポチは、
今…ポチの隣を歩くシャルムに、
「なあ…
シャリムがスリープの魔法を使った時に、シャルムが二人いたように見えたんだけど…
あれって、やっぱり…衛兵の時みたいに、近くで姿を隠してたのか?」
。
その時、シャルムのうしろから姿を現した…
もう一人のシャルムが、バックジャンプしたので…驚いていた事を話すと
、
シャリムの前を
ポチと一緒に歩いていたシャルムは…
「うん。
あの人達が僕から、目を反らした時…
ビジョンの魔法を使って、それで出来た幻影の方に…あの人達の注意を引き付けて、
そのあいだに本物の僕は、フルクリアの魔法で、姿を隠したあと…
スリープの魔法がギリギリ届かない場所まで行って…そこでシャリムがスリープの魔法を使うのを待ってたんだ。」
…
当時の状況を説明し…ポチがそれで、
「なるほどな…」
…と、納得してるあいだに…うしろの方から
…
シャリム
「見えて来ましたよ。部屋の入り口が…」
。
シャリムの声がしたので…シャルムは、
「うん。」
一緒にいたポチをそこに残してから…
少し歩いて…扉の前に立つと…
あとからシャリムが追いついて来た時に…少し扉から離れ…
。
シャルム
「シャリム。」
、
シャリム
「はい。」
…
そのあいだにシャリムに…扉の前に突き出した右手から、発する青い光で…
扉にかかっている鍵を解除してもらった、シャルムは…部屋の扉を開けて、その中へと進むのだった…
。
―――――――――――――――
・・・・・・
部屋の中は、高さ3メートル…
幅6メートルと、いったところだろうか…
。
部屋の扉を閉めてから、
「何もないじゃないか」
…と言うポチより先に部屋に入っていたシャルムは
、
「なるほどね…」
。
そうつぶやきながら…右端の壁のところに行ったあと…
石で出来た、その壁に右の手の平をつけて
…
シャルム
「むん!」
…精神を集中させたあと…続けて左端の壁…そして奥の壁と…
同じように…右の手の平をつけてから、精神を集中させる行為を繰り返し
…
それを見て…
「どうでした?」
…と尋ねるシャリムに、シャルムが
…
「やっぱり…奥の壁のところのようだね…。
あそこのところだけ
壁の奥に空間のようなものがあるのを感じたし…
間違いないと思う。」
、
そう答えたあと…今度は、ポチに
…
「ポチ。リュックの中から、ガラスの球を出して」
…と頼むのだが…
ポチには、シャルムが何を言っているのか?分からず…
「ガラスのたま?
水晶球なら二つあるけど…」
、
そう答えたので…シャルムは
、
「ああ…そうか…ポチには水晶球が、2つあるように見えるんだね。
じゃあ、リュックから水晶球を2つ出して…大きな方の球を、僕に渡して」
…
そう言って、ポチに頼むと…茶色い服の上に、鎧を着ていたポチは
…
「分かった。」
…と、背負っていたリュックを下ろして…
地面に置いた、リュックの中から2個の水晶球を取り出すと…
その2個の球を、それぞれ片手に一つずつ持って、立ち上がり…
。
光の球は、右手で持ち…
左手に持った、大きな球の方は…近くにいるシャルムに手渡す…
。
するとシャルムは、渡された大きな球を…右手に持ちながら
…
シャルム
「じゃあ、これを奥の壁にぶつけるから…
シャリムとポチは、扉の近くまで、下がって」
…と、ポチ達に言って
、
シャリム
「わかりました。ポチさん。」
、
ポチ
「あ…ああ…
扉のところまで行けばいいんだな?」
、
シャリムとポチを扉の近くまで下がらせたあと
…
自分も2人の手前の方まで下がって…
そこから、奥の壁に向かって
…
右手に持った球を、オーバースローで投げる。
すると・・・
そのシャルムの投げた球が、壁に激突した途端に爆発し!
。
ドガン!ガラガラガラ…
!
轟音と共に壁が崩れて…
それで出来た、大きな穴の奥に現れたものは…
、
ポチ
「あれは…」
、
薄暗い場所へと続く…下への階段だった
・・・・・・
。
《11話へ続く…》