表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/59

第8話《大事な事なので2回微笑みました》

食事中・・・

シャルムとシャリムのスプーンの運び方が…どこか、ぎこちないと感じたポチは、

「お前達…ひょっとして、スプーンの使い方に慣れてないのか?」

それともカレーに食べ慣れないだけか…と、

子供達に話しかけてくるので…

ポチの向かいの席に座るシャリムが、

「そうですね…。

わたし達にとって、こういう食事は…

体重を調整するために、すぎないものなんです」

そう言って、複雑な表情を浮かべるので…

それを聞いたポチが

「どういう事だ?」

…と、その事についてたずねてみると

シャリム

「わたしとシャルムの普段の食事は、イドゥンの実だけなんです。

もちろん水も、それなりに飲む必要があるんですけど…」

イドゥンの実については、ポチも聞いた事がある

・・・・・・

イドゥンの木の枝にる…青リンゴのような形の実の事で…

その味も、バニラを薄めたような味で…非常に美味である…。

そして、この食べ物には、少しだけだが…食べると、魔力を高める効果もあった…

ポチ

「しかし…それでは、栄養も、かたよるだろう…」

そんなポチの問いかけに、シャリムは

「イドゥンの実には、わずかだけど、魔力が含まれているので…

わたし達は、イドゥンの実に含まれている…その魔力のエネルギーを利用して…体内でビタミンやカルシウムを作り出しているんです。」

…そう説明すると、ポチも…

「なるほどな…」

…と、シャリムの言う事を理解する…

どうやら…二人の子供達は、イドゥンの実に含まれている…魔法の力をみなもとにして…

自分達の身体を構成するために必要なものを…

自分自身で作り出せるらしい…

だからポチも…

(まっ…これまでのこの子達の行動からでも、

何らかの特殊な環境にいた事が分かるからな…)

そう思って…たいして驚かなかったが

ポチ

(だが、そうなると…)

「じゃあ、昨日の晩は、

ほとんど、俺の携帯食を作るために…」

これでは、ただの足手まといではないか…と、

心配するポチに…シャリムは

「少し違います。」

ニコッ…と、一瞬、子猫のような笑顔を浮かべてから…

元の表情に戻ると…ポチに、

「実は、昨日は、

水不足に困らないように…まわりの空気を、魔法の力で水に変化させる…

魔法の水筒すいとうも作っていたんです。」

きのう何をやっていたのか、説明して…

その話を聞いたポチが

「りょ…料理のほかに…

そんなものまで、作っていたのか!」

犬みたいな口を、あんぐり開けて…驚いていると

シャリムは、そうですよ…と、また子猫のような笑みを浮かべるので…

ポチは、その笑顔を見て、もはや…あきれるしかなかった…

・・・・・・

その後…

そんな、話のやりとりを続けていくうちに…シャリムは、

ポチもシャルムも、食事を終えた事を確認し…

シャリム

「みなさん。食べ終わりましたね…」

食事を運びますね…と食後の、あとかたづけを始めたので…

…その様子を見ていたシャルムは、

寝室のところで、鎧を着ているポチと

シャルム

「そろそろ出かけるよ。

あっ!衛兵から取った槍は、ここに置いてって…」

ポチ

「なんでだ?」

シャルム

「ここを出るんだから…

ポチには、いろいろ道具を持ってもらわなきゃならないからね…」

そんなやり取りをしたあとに…

シャルムは、部屋のはじっこの方から…

シャルムの身長の半分は、ありそうな…大きなリュックを持って来て…

それをポチの近くの場所に置くので…ポチは

「これに荷物を入れれば、いいんだな。」

シャルムに確認して…それに対してシャルムが、

「うん。」

…と返事したので

ポチは、棚の方に置いてあった…2つの水晶球を持って来て…

その2つの水晶球と一緒に入れるものを…リュックの中に詰め込むと

・・・・・・

その詰め込み作業を続けていた…ポチを、見ていたシャルムも

「あとは、あれだけか…

よし!!シャリムが片付け終わったら…出かける準備をしよう!」

…と、言うので…

そんなシャルムの様子を不思議に思ったのか…

ポチは、

(これから出かけるのに…後片付けをする必要があるのか?)

一瞬、そう思ったが…

(まっ…

やってる事が人として正しいしな…)

たぶん、そういう性格なのだろう…と、優しい目で、シャルムを見る

そして、すべての荷物を…リュックの中に詰め込んだポチは、

…そのリュックを背負って、

「うんしょ…っと!じゃあ行くか!」

そうえると…そのあと

(やっぱり…無茶だと思うんだよな…。

パンテオンから、脱出するなんて…でも…)

こいつらとなら…と、

自分の胸の奥に、かすかな希望が生まれている事に気づくのだった

・・・・・・

《第9話へ続く…》



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ